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室蘭市

道内シェア100%。株式会社室蘭うずら園20171027

この記事は2017年10月27日に公開した情報です。

道内シェア100%。株式会社室蘭うずら園

北海道内の生うずらで100%のシェアを誇る株式会社室蘭うずら園。設立は昭和36年と古く、当時は30羽あまりのうずらの飼育からスタートしました。道内でも冬の気候が比較的温暖な室蘭は、うずらの生育には適地。それ以降、飼育数を増やし、『室蘭産のうずら』は地元が誇る名産品の一つに数えられるようになりました。現在は約10万羽のうずらを飼育し、卵を活用したプリンやアイス、カステラなど加工商品を開発。全国各地の北海道物産展などに出店し、注目を集めています。

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すっきりとした味わいで、スイーツに最適。

室蘭うずら園の卵は一般的なうずら卵にありがちな臭み、クセのない味わいが特徴です。そのヒミツは独自に開発した飼料にあり、多彩なスイーツに活用できるのも、さっぱりとした食味だからこそ。完全無投薬飼育のため、残留抗生物質の心配も無用。安心して食べられるのが室蘭うずら園の卵の特徴です。
平成25年12月には北海道経済産業局の「地域でがんばる中小企業・小規模事業者」として北海道経済産業局長賞を受賞。平成29年3月には、経済産業省による「はばたく中小企業・小規模事業者全国300社」に選定され、新たな需要を獲得したとして「室蘭うずらのプリン」が高く評価されました。

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うずらの飼育も、アイスの製造も、マルチに活躍。

「私たちの仕事はうずらを生育する『生産部門』と加工商品を作る『加工部門』に分かれていて、従業員は両方の仕事に携わります」
と説明してくれたのは代表の三浦忠雄さん。ホクレンを定年退職した後、 平成20年からうずら卵の生産や加工にチャレンジし、プリンやアイスなど、全国から注目される商品を生み出した立役者です。
「うずらを飼育する鶏舎は敷地内に数カ所あり、そこでの作業は掃除、餌やり、採卵、割れた卵を取り除く選別などがあります。加工部門で担当する製品は日によって変わり、注文の状況によって持ち場は変わります。例えばプリンの担当になればうずらの卵を割る作業、プリン液を作る作業、オーブンで焼く作業などがあり、アイスの担当となれば充填作業やラベル貼り作業などがあります」

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HACCPの専門知識のノウハウを活用。

三浦さんはホクレン時代、国際基準の手法に基づいた衛生管理「HACCP(ハサップ)」の担当者として、全道各地の食品工場を検査。その時に得た知識と経験をうずら飼育にも取り入れています。
「餌や水の状況を監視するシステムや、うずら小屋を適温に保つ装置など、個人の感覚やベテランの勘ではなく、科学的な根拠にもとづいて作業を行える仕組みを整えました」
また三浦さんはHACCPの考えを、人材育成にも取り入れています。
「HACCPというと、衛生管理のイメージが強いと思いますが、実は人材育成こそHACCPの重要なテーマ。作業手順を明確にしたり、マニュアルを整えることで、ミス無く仕事ができる環境を整える...というのが基本的な考えです。スタッフにもチェック表への記載や複数人での確認を指示することで、ミスを起こさないようにするにはどうすれば良いかという、意識を高めることができます」

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素材の良さだけでなく、ヒットを生むノウハウが重要。

プリンやカステラ、最近ではうずらのチリソース和えなど、さまざまな加工商品の製造販売を手がける同社ですが、基本的にはうずらの生育、採卵を柱とする1次産業だと語る三浦さん。
「最近では『6次産業化』という言葉が取り沙汰され、農業に明るい未来があるように言われますが、原材料の良さだけでは、大手洋菓子メーカーにはなかなか太刀打ちできません。重要なのは良い原料に加え、原料を加工する豊富なノウハウ。そのノウハウが北海道の農家には欠けているケースが多いんです。その打開策として、私たちは世界トップクラスの生産設備を導入したり、過去に何度もヒット商品を生み出したパティシエにレシピづくりを依頼。初期投資は必要でしたが、我々のような農家が『6次産業化』を目指し、全国へ向けた事業を展開するためには不可欠なプロセスだと考えています」

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自分たちの製品が全国から評価されるやりがい。

室蘭うずら園には25名ほどのスタッフが勤務。社員の年齢層は広く、20代のスタッフも活躍しています。
「自らが手がけた製品が地元だけでなく、道外からも高い評価を得ていることが仕事のやりがいなんです!」とスタッフの一人が笑顔で話してくれました。

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株式会社 室蘭うずら園
住所

北海道室蘭市石川町282-5

電話

0143-55-6677

URL

http://www.uzura.co.jp


道内シェア100%。株式会社室蘭うずら園

この記事は2017年9月12日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。