「日本ハム」と聞くと、北海道民にとってはプロ野球チームのイメージが強いかもしれませんが、本業はもちろん食品製造業。「シャウエッセン」「チキチキボーン」などの人気商品でもお馴染みですね。今回ご紹介するのは、そんな日本ハムグループの一翼を担い、北海道・東北地域のスーパーや飲食店向けに、食肉商品を製造・販売している「東日本フード株式会社」という会社。 道内主要都市に10カ所の営業拠点があり、顧客ニーズにきめ細かく対応しています。
販売チャネルが拡大中〜 全国各地の北海道物産展にも!
お話を聞かせてくれたのは同社の北広島工場で生産管理に取り組む大門学さん。このごろは全国へ向けて販売網を拡大しているということで、まずはそのあたりから教えてもらうことに!
「当社はこれまで道内や東北地区の飲食店や一部宅配向けの商品が中心でしたが、最近では全国各地の北海道物産展などでも商品を販売しています。また、自社ブランド商品として、味付きジンギスカンの販売をスタートしました」

首都圏のジンギスカンファンにも届けたい。
「味付きジンギスカンなんて、どこにでもあるんじゃ...」と思った人もいるかもしれませんが、同社の商品は冷凍ではなく、チルドであるところが最大の特徴。開発に至った経緯を聞かせていただきましょう。
「北海道の方には、『味付きジンギスカン』は冷凍販売されているイメージだと思います。でも、東京、大阪など大都市にあるスーパーの食肉売り場には、スペースの都合もあって、冷凍ショーケースが置かれていないことが多いんです。このごろは東京でもジンギスカン人気が高まっているので、都会のスーパーにも置いてもらえるよう、チルドでも流通させられる味付き肉の開発に取り組むことになりました」

試行錯誤を重ねた末、チルドでの流通が可能に!
とはいえ、ラム肉は他の肉と比べて鮮度が落ちやすいと聞きます。開発のハードルは高かったのでは?
「確かに簡単ではなかったですね...。開発の際に工夫したのは鮮度が落ちにくい部位を使うことと独自の味付け。試行錯誤を重ねて、なんとか商品化にこぎつけました。
お陰さまでお客様からの評価は上々で、製造が間に合わないほど問い合わせをいただいています。北海道名物であるジンギスカンを全国の皆さんに知ってもらえることは、北海道民としてもうれしいことです」

HACCPによる衛生管理で工場全体がレベルアップ!
工場の衛生管理にも携わっている大門さん。同社の取り組みについても聞きました。
「食の安全について関心が高まる中、この工場でもHACCP、つまり国際基準の安全確保手法に基づいた衛生管理を行っています。HACCPの手法で特に重要なのは、言葉で伝えられてきた作業を文章化してマニュアルを作ること。私も何度となく製造ラインに入り、パートさんたちの話を聞きながら作業手順をまとめていきました」

「パートさん達の声を聞くことで、どの作業にどれくらい時間がかかるかも分かりましたし、皆さんが苦労している部分を共感できるようになりました。何度もコミュニケーションを重ねたことで、パートさん達が自ら衛生管理に関心を持ってくれるようになり、工場全体のレベルアップに繋がったと感じています」

認証取得後も終わらない、安全管理の強化!
2016年6月には北海道HACCP自主衛生管理の認証も取得した同社。
「認証を受けたことは自信になりましたが、HACCPによる衛生管理は認証を受けたから終わりというものではありません。それに、全国に商品を販売するようになったことで、万が一の事態になった時のリスクは以前よりも大きくなっています。PDCAサイクルを回しながら、常に改善を模索し、安全な商品をお客様にお届けできる環境を整えていきたいと思っています」
- 東日本フード株式会社
- 住所
北海道北広島市共栄54番地20(加工部)
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