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このまちのあの企業、あの製品
札幌市

北海道仕様のトラックを!株式会社新明和製作所20170912

この記事は2017年9月12日に公開した情報です。

北海道仕様のトラックを!株式会社新明和製作所

日本国内を走るトラックのボディは、本州を中心とした巨大工場で大量生産されるのが一般的。けれど、北海道を走るトラックの場合は少し事情が異なります。それは「雪道」があるから。道内の各運送会社は、悪路に負けずに10~15年間は走り続けられる北海道仕様の屈強なボディを、道内の各工場に特注しているのです。
そのうちの1社が、設計から製作までを一貫受注している株式会社新明和製作所。材料のスチールに厚みをもたせたり、融雪剤からボディをガードするための特殊な塗装を施したり、ボディ側面に取り付けるサイドマーカーランプの配線を丈夫にするなど、各部に耐用年数をアップさせるさまざまなワザを盛り込んだ「北海道のトラック」づくりに取り組んでいます。

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全7班でコミュニケーションをとりながら製作。

同社事務所に隣接した工場は、天井の高い広々とした空間。製作中の車体が複数台並び、明るいブルーのユニホームを着た工場スタッフが、それぞれの持ち場で作業に励んでいます。
「みんな黙々とやっているように見えて、実はスタッフ同士のコミュニケーションが大切なんですよ」と教えてくれたのは、工場内をまとめている職長の宮本知明さん。入社から30年以上の、トラックづくりの達人です。

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工場スタッフは30人ほどが7つの班に分かれているのだとか。鉄工が3班あり、木工、電気、部品、プレスがそれぞれ1班ずつ。車体1台ずつに工程表があり、全7班のスタッフがそれに沿って作業を進めていきます。
「作業中はどうしてもいろいろな問題が発生しますから、その都度、班内外のスタッフがコミュニケーションをとって乗り越えていく必要があります。一人ひとりと密に話し合いながら、車体がゼロから形になっていくのは楽しいものですよ」

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一人ひとりが精度の高い仕事をして、最高の車体を。

宮本さんの肩書きは職長。工場全体の流れを見てスタッフのやりくりをしながら、工程どおりに仕事が進むようにさまざまな後方支援を行うのが主な仕事です。毎朝出社すると、まず班長との打ち合わせ。ここで情報を共有し、材料の発注などを行います。それから工場に出て、部品の加工などをサポートしています。
「職長は何でもやらなければなりませんので、職長になるまでに携わってきた各班での経験が生きていると感じますね。ちなみに免許・資格は、半自動溶接と移動式クレーンを持っています」

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仕事で心がけていることは、「一つひとつの部品を丁寧に、高い精度で仕上げること」。たった一つの部品の精度の低さが、全体を台無しにすることもあるので気が抜けないのだといいます。
「それはスタッフについても同じです。やっぱり一人ひとりがしっかりと仕事をしてこそ、最高の車体が完成するわけです。みんな性格が違いますので、人をまとめるのは気を遣う部分もありますが、和気あいあいと仲良くやっていますよ、意外と(笑)。ウチは上下関係などもそんなに堅苦しくないほうだと思います」

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スタッフに共通するのは、ものづくりが好きという気持ち。

同社が製作しているのは荷台があおりで囲まれた平ボディや、アルミ製のボックスで荷台が密閉されたアルミバン、さらに保冷・冷凍の機能が付いた車体などさまざま。特殊な車体であるほど製作は難しい反面、だからこそ楽しくアツくなると宮本さんは笑います。
「私はこの仕事を30数年間やっていますが、それでもまだ数台しか手掛けたことのないタイプもあるんですよ。例えば、ちょうど今つくっている美術品運搬の専用車体などは、数年に一度のお楽しみですね。除雪車やレッカー車も楽しかったなぁ(笑)」

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宮本さんは自分で手がけたトラックを見かけることもしばしば。キレイに仕上げた車がキレイな状態で走っていると、やっぱりうれしいものです。
「私は車が好きだからという動機で入社したんですが、実はそんなに車には興味がなかったというスタッフもいるんですよね。一方で共通しているのは、ものづくりが好きだということ。それこそが、この仕事を長く続けられるポイントだと思います。勤続30年以上の私も、大好きなものづくりのスキルアップをまだまだ追求していきますよ」

同社の創業は昭和38年。半世紀を経て蓄積されたワザを若手がベテランから受け継ぎ、一方で常に新しいワザを見いだしながら、進化し続けています。個別のニーズを確かなカタチに仕上げる工場から、今後もバラエティに富んだトラックたちが走り出していくことでしょう。

株式会社新明和製作所
住所

北海道札幌市手稲区曙2条4丁目2-64


北海道仕様のトラックを!株式会社新明和製作所

この記事は2014年3月12日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。