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七飯町

北海道の新しいきびだんごを!株式会社天狗堂宝船20170901

この記事は2017年9月1日に公開した情報です。

北海道の新しいきびだんごを!株式会社天狗堂宝船

北海道できびだんごと言えば、オブラートに包まれた短冊形のお菓子。実は岡山名物の羽二重餅のきびだんごとは原料も製法も全く異なり、開拓時代に「事が起きる前に備え、団結して助け合う」という意味合いから「起備団合」として誕生しました。こちらのきびだんごは日持ちも腹持ちもするので子どものおやつはもちろん、手軽なエネルギー補給や非常食にもぴったりです。
株式会社天狗堂宝船は、コンビニやスーパーでよく見かける北海道のきびだんごをつくっています。最近では、きびだんごを包むオブラート自体に味を付けた『黒蜜きなこ餅』や『昆布醤油餅』など斬新な商品も展開し、今では北海道の代表的なきびだんごメーカーとして広く知られるようになりました。今後は地元名産のりんごを使った商品も登場する予定といいますから、目が離せません!

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社長とも距離が近い和やかな職場。

同社の工場内では、蒸気が立ち上る釜の中できびだんごの生地がグルグル撹拌されていました。その一角に生地をすくい上げ、テンポ良く型の中に投入している人の姿が。ムムム、よく見ると素手で触っていますが、熱くないんですか?
「90℃以上ありますから熱いですよ〜。手順をちょっとでも間違えると火傷しちゃう」と製造課課長の若狭哲哉さんが笑いました。ふだんの主な仕事はきびだんごの生地づくりや商品開発だと言います。
若狭さんは高校を出てからアルバイトや人材派遣会社の仕事でさまざまな職種を経験。天狗堂宝船でも、初めは派遣スタッフとして働き始めたそうです。
「なので、入社のきっかけは偶然と言いますか...(笑)。ただ、事前に『1年間やってみて続けたいという希望があれば正社員として迎える』というお話をいただき、半年ほどで正社員に立候補しました。仕事が面白かったという理由もありますが、社長とも気軽に会話が出来る和やかな雰囲気が長く勤めていきたい!と思った決め手です」

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若狭さんが「左手を絶対に守る」理由。

なるほど、スタッフの皆さんの表情を見ていると、和気あいあいとした社風が伝わってきます。ところで、仕事の面白さはどんなところに感じたのでしょうか?
「ズバリ、一筋縄ではいかないところ。きびだんごづくりは、製造工程としてはそれほど難しくありません。小麦粉ともち粉と水を釜で熱しながらかき混ぜ、さらに砂糖や餡、水あめなどを加えて取り出すだけ。その後は1日かけて冷まします。でも、夏と冬とでは生地の冷め具合が違いますから、釜から引き揚げるタイミングも変えなければなりません。きびだんごは歯ごたえのある食感も特徴なので、硬すぎず、柔らかすぎない生地に仕上げるのは相当の時間を要しますよ」

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若狭さんが心がけているのは「左手に傷を付けないこと」。きびだんごの生地は釜から左手ですくい上げ、右手に持ったヘラで型の上に削ぎ落とします。この時点の生地はアツアツで粘りが強いので、素手に水を付けて素早く型に入れるのがベストの手法だとか。
「誰にでも出来る作業ではないため、もし左手に切り傷をつくろうものなら業務が滞ってしまいます。他にも腱鞘炎にならないよう腕をあまり使わないようにしたり、腰を痛めないように物を運んだり、こう見えていろいろ気づかっているんです(笑)」

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夢だったコーヒーテイストの餅がついに完成!

同社のきびだんごは、道内の大手スーパーやコンビニにも数多く納品されています。若狭さんのやりがいの一つは、自分がつくった商品を手にとってくれる人を見ることです。
「でも、一番は自分が携わった新商品が完成した時がうれしいかな。主任と二人できびだんごに練り込む食材や香料を議論して、苦労した末に新しい味をつくり上げられたら、本当に達成感でいっぱいになります。社長からも『アイデアが湧いたらどんな食材でも試していい』と言われているので、商品開発に取り組みやすい環境なんですよ」

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同社はミルク餅や昆布醤油餅、チョコ味の餅など、きびだんごをベースにさまざまなテイストの餅をお届けしています。けれど定番としてイメージしやすいコーヒー味は、意外にもつい最近までありませんでした。
「というのも、これまで幾度となくコーヒーを使った餅づくりにチャレンジしてきましたが、失敗に次ぐ失敗。出来たての温かい状態はおいしくても、次の日に冷めたものを食べたら味や香りが飛んでしまっていたり...。けれど、工夫を重ねた結果、この4月にコーヒーテイストの餅を完成まで持ち込めました。僕の夢が一つ叶ったといっても良いくらいです!」

株式会社天狗堂宝船
株式会社天狗堂宝船
住所

北海道亀田郡七飯町字中島205-1

URL

http://www.tengudou.co.jp/


北海道の新しいきびだんごを!株式会社天狗堂宝船

この記事は2014年10月15日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。