北広島市大曲、高速道路の北広島インターにほど近い一角に、株式会社見方の社屋と工場があります。同社は、全国のホテルや旅館、レストランや居酒屋への食品・食材提供の他、OEMによる大手菓子メーカーの商品製造、自社PB商品の開発および販売など、多彩な業務を手がける食品製造企業。ジャンルも和食から洋食、中華、パイ・デザート、寿司にまで及び、そのすべてを「徹底した手づくり」で提供しています。しかも小ロット(数個)から大量注文(数百万個)までのフレキシブルな対応が可能。今日も「やっぱり見方がいちばん!」という賞賛の声を得るために、従業員が一丸となっておいしく安全な食品づくりに励んでいます。
工場というよりも大きな厨房であり、調理人の仕事場。
おいしそうな匂いが漂う工場を案内してくれたのは、パイ・デザート調理部の松島孝行さん。実は松島さんは、新社会人の時にこの会社に就職。その後、外の食の世界を体験するために一度退社し、ホテルなどでの調理経験を携えて再入社したという経歴の持ち主だとか。一般の料理はもちろん、パイやスイーツ、デザートに関しては、人一倍の知識と腕前を持ち合わせており、今日も30名のスタッフとともにお客様のオーダーやトレンドの上を行く、さまざまな食品をつくり続けています。
ところで、工場と聞くと、ベルトコンベアがあるような生産ラインを抱えているイメージ。けれど、ここには機械がほとんど見当たりません。
「そうなんです。『手づくりに勝るものはなし』というのが、ウチの会社の理念。この部門でもスポンジを焼く機械以外は、すべて手作業です。やさしく包んだり、手の平でにぎったり、ふんわり重ねたり...。手でつくることで食材本来の味を引き出し、本当においしい食品が出来ると思っています」
手づくりだからこそ、少ない数のオーダーにもしっかり対応出来るのでしょう。工場もクリーンで気持ちが良いですね。
「大きなホテルやレストランからの大量注文はもちろん、小さなパーティや宴会などの小ロットのオーダーや、きめ細やかな心遣いやささやかな演出などにも対応出来るのが、ウチの強みだと思っています。食品工場というより、大きな厨房、調理人の仕事場というイメージでしょうね。もちろん衛生面や安全面でのチェックは万全です」
有名なパティシエとコラボしたスイーツも!
松島さんが働くパイ・デザート調理部だけでも、ピザやパイ、焼き菓子、冷製菓子、ムース、その他スイーツなどなど、一日に製造するのは40〜50種類。運ばれる先も、九州のホテルのダイニング、首都圏のバイキングレストラン、北海道内の温泉リゾートの宴会場などさまざまです。
「超有名スイーツメーカーの商品として各地の百貨店の店頭に並ぶことも。とにかくお客様は全国にいらっしゃいます」
松島さんは各地のご当地スイーツを手がけることも。あんずや紅芋など北海道ではあまり馴染みのない食材や、ビワや柿など日本古来の果物を使ってデザートをつくってほしいという要望が飛び出すケースもあるそうです。
「有名なパティシエとコラボし、そのレシピをもとにしたスイーツをつくったこともあります。パティシエが『そう、この味だよ!』と言ってくれた時はうれしかったなぁ(笑)」
小さなお店でも大企業でも味わえないやりがい。
大量オーダーのお菓子からこだわりのスイーツまで。多彩な食品を、文字通り自分たちの手でつくる仕事ですから、職場にも活気があります。
「新しいスイーツの開発にチャレンジ出来るのもうれしいもの。完成品がお客様から高い評価を受けたり、誰もが知ってるメジャー商品に成長していったりすると『やった!』って思います。小さなケーキ店でも、大きな企業の生産ラインでも味わえない、見方という会社ならではのやりがいじゃないかな」
機械化が進む食品業界の中で、あえて手づくりで勝負している見方。技術や経験を積む必要はありますが、設備のオペレーターではなく、スタッフは「調理人」や「職人」になれる、実に魅力的な職場ですね。
- 株式会社見方
- 住所
北海道北広島市大曲工業団地2丁目1-3
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