
道央自動車道の恵庭インターチェンジからクルマで数分という絶好のアクセス。ガーデン散策や園芸鑑賞、多彩なグルメにショーが開催される観光牧場などを備えた、自然とエコのテーマガーデンが「えこりん村」。ゴールデンウィークや週末ともなると道外や海外からも大勢の観光客が訪れ、北海道ならではの季節の花々を愛でたり、イベントに参加したり。派手なリゾートパークではない分、動物たちや周辺の自然環境との一体感が楽しめるとあって、幅広い年代層に人気となっています。
このえこりん村を運営しているのは、びっくりドンキーなどのレストラン経営で知られる株式会社アレフ。その社員であり、この村の担当スタッフの一人でもある伊能武生さんにお話を聞くことができました。
庭園とグルメと牧場が織りなすテーマガーデン。
訪れたのは5月のとある日。澄んだ空の青に広々とした芝生の緑、さらにガーデンに咲き誇る花々の美しいコントラストが目に映えます。
「今日はウィークデーですからね、のんびり園内を散策できますよ」と伊能さん。
まずは世界一のトマトの木が育つ『とまとの森』を鑑賞、その後は旬の食材が並ぶ『森のレストラン天満』、さらに30のテーマガーデンが連なる『銀河庭園』などを案内してくれました。
「銀河庭園は世界屈指のデザイナー バニー・ギネス氏が設計したもの。千種類を超える植物が季節によって咲き変わります」
植物の種類が豊富だと日々庭園の表情が変わるからでしょう、毎週のようにここに通ってくれる地元のお客様もいるとか。
「一度足を運べば十分という観光地もありますが、ここは毎日訪れても楽しめるのが魅力。リピーターの多さも自慢なんです」
取材陣は銀河庭園の向かいにある「みどりの牧場」へ。ゲートをくぐって目に飛び込んできたのは、ヒツジにヤギ、アルパカにラマ。何とも愛らしい動物ばかり。
「見ているだけで心が和むでしょう。この動物たちとふれあったり、ユニークなショーやレースを見たりするのを楽しみに、大勢の方が来園します。夏休みシーズンになると、外遊び体験やキャンプなどのプログラムも用意されているんですよ」
観客席がしつらえてある野外ステージでは、牧羊犬がヒツジたちの群れを導くショーがスタートした様子。観光客の笑い声や歓声が風にのって園内に響き渡ります。
観光だけでなく環境や農業、文化の魅力の発信を。
今や北海道を代表する外食産業の雄、株式会社アレフ。実は同社は飲食店の経営だけではなく、安全な食の提供のために肉や乳製品を生産する酪農のほか、自社レストランへの素材提供や店舗を花々で飾るなど、さまざまな農業活動にも取り組んでいます。
さらに近年は、アルパカや羊の毛の利用、レストランから出る生ゴミや家畜糞尿の有機質肥料としての利用、二酸化炭素の排出を抑える活動など環境への負荷を軽減させるエコロジーへの取り組みも行っているとか。
伊能さんが言葉を継ぎます。
「こういった取り組みを通じて、社内に蓄積した自然への理解や環境問題への対応、文化的な試み、そして安全・安心な食の提案を、皆さまにお伝えする場がえこりん村。未来の子どもが幸せに暮らすために今必要な情報発信をすることや、お客様に最大のご満足を提供することも大切なテーマとしています」
なるほど、園内を見渡すとソーラーパネルや地熱利用システムが設置されていたり、施設の屋根に芝を植えていたり。そうそう先ほど案内されたレストランらくだ軒のトイレは「無水トイレ」でした。
「観光だけではなく環境などに対する思いも高めていただけたら...そんな思いで運営させていただいてるんです」
現在園内に勤務するスタッフは230名あまり。地元の高校や専門学校からの採用も多く地場産業へも着実に貢献しているよう。
笑顔と歓声が舞う、エコロジーテーマガーデン「えこりん村」。その知られざる魅力を垣間見た取材でした。
- 株式会社アレフ えこりん村
- 住所
北海道恵庭市牧場277-4
- 電話
0123-34-7800
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