
地元もち米を原料に全国の食卓に上がるもちを製造
数ある道の駅の中でも屈指の人気スポットが『もち米の里・なよろ』。この駅の人気商品である『おもち』の製造を担っているのが、もち米の里ふうれん特産館です。お話を伺ったのは、同社代表の堀江英一さん。「風連がもち米の生産を始めたのは昭和40年代。ただ栽培だけでは需要も伸びない。なんとか付加価値を付けたいという思いからもちづくりに取り組みました」
とはいうものの当時は知名度ゼロ。先行きを危ぶむ声も幾度となく耳にしましたが、そこは『もち』から学んだ粘り腰。農家のみなさんはラジオ番組に出演したり、全国に自前の商品を持参するなどしてネームバリューを高めていきました。そんな折舞い込んだのが、大手ハンバーガー企業や全国コンビニチェーンからの商品開発の依頼。
「きっかけは食品企業の交流会。減農薬のもち米栽培や商品開発に対する姿勢、さらに大量オーダーへの対応などが評価されたのだと思います」そこで生まれた『玄米餅のおしるこ』や『巾着もち』は空前のヒット商品に。風連のモチを全国に知らしめるきっかけにもなりました。こうした全国ビジネスの一方、多種多様な日販もち製品の製造販売も本格化。なかでもソフト大福は一日で1万個以上売り上げることも。今日も道の駅にはこの商品をお目当てに観光客が大勢集っています。
スタートはわずか7戸の農家のささやかな取り組み。しかしそれは二十余年の歳月の中で、地域経済の拠点や雇用の場を創出し、もち米の里風連というブランドを築くプロジェクトへと成長したのです。