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岩内町『働き盛り面白世代!』座談会【後編】20211028

 岩内町『働き盛り面白世代!』座談会【後編】
座談会【前編】では、4名それぞれの岩内に来たきっかけや、今力を入れて取り組んでいることについてお話がはずみました。続いてここからは座談会【後編】をお届けします!

本業の他にも、しりべし未来ネットワーク、岩宇まちづくり協議会など、いくつもわらじをはいている石塚さんにも、聞いてみましょう。

  • \石塚さんが今取り組んだり、力を入れていること/

    しりべし未来ネットワークというのは、簡単に言えば、後志の各青年団体のゆる~いつながりなんですが、もともとは、倶知安地域の青年部の呼びかけがきっかけでした。
    近い将来、高速道路や新幹線が通るこれからの地域の未来を、どのように描いていくのか、今しっかり考えなければなりません。
    その大事な時期に、その大きな課題を担うのは自分たち世代のはず。であれば、倶知安だけでなく、もっと広い地域の同じような世代の人とつながって地域のことを一緒に考えていきたい、というのが始まりです。

    ところが、いざメンバーを集めてみると、◎◎会会長、とか◎◎協議会理事、とか何だかすごく固そうな集まりになってしまったので、本来の目的である何でも話しあえる雰囲気作りの為に"何か面白いこと考えてくれそうな人"枠で、強く誘われたカタチですね。(笑)

    実は、こっちに戻ってきて2~3年というのは、ほとんど引きこもり?みたいな感じだったんです。まだ子どももいなかったので、子育てで忙しい同級生ともあまり接点もなく、仕事だけしてるみたいな感じでした。
    それが、仕事の関係で加入した観光協会が人不足だったこともあり、あれこれと頼まれることが増えてきて、いろいろ手伝ったり、アイディアを提案したりしているうちに、面白がられるようになり、観光協会でがんばってるんだってね!と言ってもらえるようになり、いろんな集まりにも呼ばれるようになってきました。
    そのあたりからですね、「地域と関わって地域のために何かするのって楽しいな!」と思うようになったのは。

    そんなときです。隣接する共和町にある、神仙沼という観光スポットの休憩所を運営していた人がやめることになり、引き継いでやってみないかという話がきました。
    で、話を聞きにいってみると、赤字になるからやめたほうがいい、という声があって(笑)。
    迷ったんですが、でも僕、神仙沼好きだったんですよね。その頃には息子が生まれてて、まだ小さかったですがよく一緒にピクニックに行ってましたし。
    それと、無理だよ!難しいよ!と言われるほど、逆に、よし!だったら自分がやってみよう、自分なら今までと違うレストハウスにできるかもしれない!と思ったんです。

    --ここで、全員から拍手とともに、おお~~!!という歓声が!
    それからは、何かひとつ、神仙沼を発信するためのとがったコンテンツがないかと、来る日も来る日も考えていました。するとある日、ネットで「神仙沼の星空がすごいらしい!」という書き込みを見つけたんです。
    これだ!と思いました。で、そこにいる松田さん(※岩内町役場職員)とある夜一緒に行ってみました。
    真っ暗闇の恐怖と、期待と、色んな意味でドキドキしながらたどり着くと、確かに綺麗な星空が広がっていました。
    その時は、初めてだったし、二人ですげ~すげ~って興奮したのを覚えてます。で、次の年、今度は一人で、本格的に準備をして頭にヘッドライトつけて、神仙沼の奥まで行ってみました。
    すると、もう、今まで見たことないような、息を飲むような星空が広がってましたね! こりゃ~やばいわ!!って。(笑)

    当時は、息子を撮ったり、山登りの際に景色を撮ったりと、ほんの趣味のレベルでちょこちょこと写真撮ってはいたんですけど。
    そこからは、もう夢中です。星空の撮影はすっかりライフワークになりました。

    --某大手メーカーのハイビジョンTVの壁紙にも採用される程の腕前と聞いていますが、最初はほんとに0からのスタートだったのですね。

  • \今日の座談会をセッティングし、同席していた役場職員の松田さん/

    今じゃ、こんなに差をつけられちゃってね!(笑)

  • \石塚さんが今取り組んだり、力を入れていること/

    ちょうど、岩宇広域連携(岩内町・泊村・神恵内村・共和町の4町村で連携して地域を盛り上げていこうという活動)の動きがはじまったくらいの時期で、自分は岩宇広域観光部会の部会長でもあったし、神仙沼は厳密に言えば共和町にあるんですけど、神仙沼を盛り上げていけば、岩内町と共和町の連携ももっとすすむかもという思いもあったし、何よりも、神仙沼に来る人たちは自然が大好きな人が多く、そんな人たちが作り出すレストハウスのゆっくり流れるような時間がすごく好きなんですね。
    そこを自分が手がけるというのは、何というか、つじつまがあった、という感じでした。

    成田さん:神仙沼は、仕事さぼってぼーっとするのにもちょうど良い場所ですよ(笑)。街中でサボってると目立ちますからね(笑)

  • 岩内町ならではの良さとは?

    皆さん、岩内に来てから、それぞれにチャレンジしていて、その充実ぶりが伝わってきます。ここで改めて岩内ならでは、の良さを聞いてみたいと思います。

    • \髙島さんが思う岩内町ならではの良さ/

      移住イコール、その土地で何らかの手段で稼がなきゃならないということだと思うんですが、じゃあ、岩内で商売ができるか?という目線で見たときに、ものすごく可能性のある場所だと思います。
      なぜなら、まず北海道自体が、リゾート地として資源に恵まれ、本州のように県をまたいでの条例の違いなどのやりづらさがありません。そして、岩内においては、インフラがこんなに恵まれた場所は、全国を見渡しても無いくらいです。新幹線は来る、高速道路はぶつかる、避難道は整備されてる、こんな恵まれた土地はほとんど無いです。
      それをうまく自分たちで組み合わせて発信できるような人が集まれば、すごく可能性のある土地だと思います。特に観光において、外貨を稼ぐと言う意味でも、とっても刺激的な場所ですよ!

    • \成田さんが思う岩内町ならではの良さ/

      1万人をキープしている人口も適度で、生活必需品を揃えるのに困らないちょうど良い規模。
      田舎だけど、暮らすのに不便は無い。岩内という名前はまだ知名度は低いかもしれないけど、いまどきの若者でも充分暮らしていける田舎だと思います!

    • \石塚さんが思う岩内町ならではの良さ/

      困らないレベルの割には、海や山へのアクセスは抜群!東京から友達が来ると「ここ天国??」てびっくりしてたもん!(笑)

      --確かに、海も山も下手したら歩いて行ける、こんなに暮らしと自然の距離が近いまちも少ないですね!

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      そうは言ってもここが不便?

      ここまで、岩内町の良いとこだけ聞いてきたので、不便なところも思い切って聞いて見たいと思います。

      • \石塚さんが思う、ここが不便?/

        やっぱり病院かな~、特に、産婦人科が近くにあるともっと安心かもね。

      • \成田さんが思う、ここが不便?/

        あと、終末医療かな。やっぱり町内で難しいとなると、札幌の病院に入院ということが多いよね。
        ただ、小児科は頼れる先生がいてくれて安心だよね(全員の大きな同意)。すごく熱心に見てくれて、親としては安心です。

      • --その先生がおっしゃっていたそうです。もし岩内で札幌のような教育を受けられるのなら、自分の子どもも札幌なんて行かせないのにと。医療と教育の充実。
        岩内に限らず、これはどの田舎でもあてはまる難しい問題ですが、逆にこれはビジネスのチャンスと捉えることもできるかもしれませんね。

        10年後の岩内は?

        さて、それでは最後に、これからの岩内はどうなって行くと思うか、皆さんの岩内予想図を聞いてみたいと思います!

        • \目黒さんの岩内予想図/

          今の年配の方たちは、岩内がにしん漁などでとても栄えていた時代を知っているので、今とのギャップをすごく感じている世代だと思うんです。
          「昔は良かった」という言葉は、一見マイナスに聞こえるかもしれませんが、逆にプラスにも働きます。「だから何とかしなきゃならないよね!」という共通認識になり得るし、だからまちのためにがんばっている人を、つぶしてしまってはいけない、と思ってくれている人が多いと思います。

          今まで大きな力を持っていた上の世代の方々が、現役から徐々に引退し、世代交代を意識したこともあってか、自分を含めて若い世代を全力で応援してくれる側にまわっている今、すごく良い意味で、新しくできることが増えていると思います。

        • \髙島さんの岩内予想図/

          自分たちのように、前例のないことや新しいことをしようとすると、押さえつけられるのが世の常です。
          でも、ここは、小さなまちだけど、ちゃんとがんばってると、文句もいわず見守ってくれている懐の深い方たちがいます。

          例えば、自分は仕事柄、どうしても道外にいかなきゃならないこともあります。こんな状況なので、必ずSNSで、どこどこに行ってきます、というようにあえて発信してるんですが、"こんな時に東京に行って、、"のような陰口を言われたことがないです。
          本当は思っているかもしれないけど、まちのためにがんばっていることはわかってくれて、何も言わないでいてくれます。

          ちなみに、自分は観光協会の理事でもあるんですが、ほとんど顔を出せていません。でも一切文句を言われたことが無いです。まちの観光のためにいろいろ動いているとわかってくれているからだと思います。
          直接、何か助けてくれなくても、そうして、信じて見守ってくれることが僕にとっては本当にありがたいですし、一番嬉しいことです。懐が深いというか、器が大きい人が多いんですね。

        • \目黒さんの岩内予想図/

          そして、このお店にはよく学生さんや若い人が来てくれて色々な話をするのですが、しっかり自分の考えを持っている子が多いのに驚きます。そして、インターネットはじめ、今のやり方をうまく取り入れています。
          10年後、そんな子たちが大人になる頃には、私たちを介して、岩内をひっぱってきた方たちの意思を受け継ぎつつ、新しいやり方も取り入れて、また新しい岩内になってるんじゃないかなととても楽しみです!

          仕事という意味においても、岩内はほぼほぼブルーオーシャンです!何かやろうとすれば、努力とアイディア次第でいくらでも可能性があるのが岩内です。
          なぜなら、まわりの人がすごく応援してくれます。これは、顔が見えている地域ならでは、というか、育んできた風土が関係しているのでしょう。そうした意味で、トライ&エラーを繰り返すことができるまちとも言えます。
          多分失敗しても、首をくくるような大きな失敗にはならないんです。なぜなら、このお店をつくるときもそうだったんですが、岩内のためになるなら手伝うよ、って言って手を貸してくれる人がたくさんいるし、お金だけではなく、人とのつながりの中で解決できることがたくさんあります。

          もしここが札幌のような都会だったら、このコロナ禍でのオープンはできなかったかもしれません。まわりで支えてくれる人がたくさんいる、岩内だからできたと思います。挑戦ができる、というのはこの地域にいる大きな理由のひとつです。
          これからも、岩内には新しい風が吹くと思いますよ。私たちは、もう次の世代につないで、見守る立場になってるかもですね~。

        • \成田さんの岩内予想図/

          若い目黒さんに次の世代とか言われたら、自分たちはどうしたらいいのでしょうね??(笑)

        • \目黒さんの岩内予想図/

          でも、ほんとに、自分たちにはそれぞれの役割があると思うので、その役割を全うすれば、次の世代がきっともっと輝けるし、柔軟性をもって、まちを良くしていこうと思ってくれるんじゃないかなと思っています!

          --(一同)もう、それが全員の総意でいいと思います!!(笑)

        • \石塚さんの岩内予想図/

          それこそ10年前だったら、こんな座談会をやることすらできなかったと思いますよ。

          --それはなぜなんでしょうね??
          なんていうの?俺らみたいな、働き盛り面白世代がまだあんまりいなかったし、何か集まって話そうと思ったら、もっとおっさんくさいというか、◎◎検討会議みたいな、硬い集まりになりがちだったんですよね~。
          ここ4~5年くらいですね、こんなにオープンに、こんな面々が集まって話すようになったのって。

        • --働き盛り面白世代!ナイス命名です!(笑)
          皆さんのように全力で岩内を楽しむ人たちがいる限り、これからも、そんな面白世代がどんどん増えていく予感がします。

        • \全員/

          新しく何かビジネスを始めたいという人や、田舎でのんびりしたいという人、または、自分のライフワークやプロジェクトを持ちながら移住したいという人など、今は場所にしばられず、様々な選択が広がってるので、是非一度、岩内にも来てみて欲しいですね!

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岩内町『働き盛り面白世代!』座談会


岩内町『働き盛り面白世代!』座談会【後編】

この記事は2021年8月12日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。