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まちおこしレポート
札幌市

新たな多言語サービスで北海道のこだわり商品を世界へ!20170316

新たな多言語サービスで北海道のこだわり商品を世界へ!

賑やかな札幌中心部にそっと佇む「大通すわろうテラス」

札幌大通。西4丁目とすすきのの間、コスモビル前と、パルコ前に存在している「すわろうテラス」。札幌の中心部に訪れたことのある方はきっと、「ああ、そういえば見たことがある。」と思った方もいるかもしれませんね。


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路面電車のループ化に伴い、「人の交流と新たな賑わいづくり」をテーマに誕生したのがこの場所。札幌大通まちづくり株式会社という企業が運営しています。地域の魅力を伝える情報発信や、イベントとの連携を積極的に行い「地域の創出」を図るという目的で、カフェや軽食販売、アートの展示や物販、ワークショップやミニセミナー、企業プロモーションなど、様々な用途で、どなたでも利用できる場所なのです。

北海道の逸品を集めた期間限定ショップ「KAI select」

「KAI select」という北海道のつくり手が丹精込めてつくった商品を並べたセレクトショップが、コスモ前のすわろうテラスに2017年1月27日〜2月26日の期間でオープンしていました。

このお店の話をする前に、皆さん季刊誌北海道マガジン「カイ」をご存知でしょうか。これは、地域に根ざし、地域と連携し、地域のまちづくりに貢献しようという北海道への熱い想いを抱いた株式会社ノーザンクロスが「北海道を探しに行こう」をコンセプトに、まちや人の魅力を伝える大人のための北海道マガジンです。自分が暮らすまちや地域のことは、意外と知っているようで知らないもの。そこで北海道の情報や良さを改めて発信しようと、季刊誌「カイ」が創刊されたのです。現在はWEBのみで展開しています。

「カイが創刊して8年。その間、北海道が生んだ魅力的な商品とたくさん出会ってきました。」と話すのは今回の「KAI select」のプロジェクトを担っている株式会社ノーザンクロスの宮永和可子さん。

suwaro10.JPG「KAI select」のお店の中での一枚。お話を聞かせてくださった宮永さん(写真右)と、スタッフの李さん(写真左)

このカイで出会ってきた商品を、もっともっと多くの人に伝えていきたいという思いが「KAI select」というお店に込められています。
ここで取り扱う商品のセレクトポイントは4つ。
・北海道のつくり手が、こだわりをもって生産しているもの
・商品を通じて、地域の文化や個性を伝えるもの
・安全で、安心して利用できるもの
・主要原材料は、北海道産を使用しているもの

「ここで売っているものは、道内でもなかなか手に入らないもので、自信を持って北海道を感じられるものを置いています。」と宮永さんは話していました。

suwaro2.jpg一番人気のくり豆。追加発注をお願いしたほど。

さらに、ここのお店の注目すべき点がもうひとつ。ただのセレクトショップではないのです。

近年、札幌でも外国人観光客の姿が目立ちますが、言葉の壁に困ったことがあるという方もいるはず。実はこのお店、株式会社ノーザンクロスと、すわろうテラスを運営している札幌大通まちづくり株式会社、そしてパナソニックシステムネットワーク株式会社が協力し合い実現した、光ID技術や、音声翻訳システム等を活用した多言語サービスの実証実験の場でもあるのです。

時代の最先端?言葉の壁がなくなるかもしれない

店内では、「LinkRay」というシステムを活用した多言語案内サービスを提供しています。これは、パナソニックの技術を活用したもので、LinkRayを設定した光(LED光源)を、専用アプリを入れたスマホのカメラで読み取る(撮影する)と情報を入手できるという仕組み。お馴染みのもので例えると、QRコードに近いのですが、LinkRayは取得スピードが速く、複数の人が一度に取得できる特長があります。今回は、英語・中国語(簡体・繁体)・韓国語・日本語で商品情報を提供しており、各スマホ設定の言語で読むことができます。さらに、声に出した言葉を翻訳してくれる機械もテスト導入し、外国人観光客への対応も検証していました。

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「会社的にも、もともと札幌に対し、インバウンド対応のお手伝いがしたいと思っていたんです。」と宮永さんは言います。そんなある日、今回のプロジェクトチームとのお話の中で「光IDの技術は、もしや札幌の街中でも使えるのでは?」「今後もこの需要は増えていくのでは?」という話題があがり、実験的な活動をしてみよう、そんな話からスタートしたと言います。

ちょっとした工夫で、集客に成功!

このプロジェクトの話が出たのは、2016年の9月。オープンまで5カ月しかありませんでした。「時間はあまりないかもしれない。それでも、やってみたい!ということになり話が進み、あれよあれよという間にオープン迎えました。」と宮永さん。

オープンに向けて、店内装飾も決めて、商品を選んで準備して、短期スタッフを募集して、スタッフ自身もアプリの操作を覚えて、・・・と、やらなければいけないことは山積み。
「準備が足りなくて、広報があまり出来なかったのがちょっとだけ残念です...。」と話していました。

オープン期間は札幌で雪まつりがあったり、冬季アジア大会が開催されたり、中国の春節時期とかぶっていたりと、外国人観光客が多くなる時期ではありましたが、地下街の充実により地上を歩く人の数は少なく、想定よりも集客に苦労したと言います。少しでも地上を歩く方に立ち寄ってもらいたいという想いもあり、『i』のインフォメーションマークをつけることにより、道を聞く目的で気軽に入ってきれくれる人が増えたそうです。その流れで店内の商品を見ていってくれるお客様も増え、宮永さんたちの作戦は大成功でした。

suwaro8.jpgアプリの他に、このようにマイクに向かって話すと言語を変えてくれるシステムも導入

『まちづくり』や『外国人観光客との接客』に興味のあるスタッフたちとの出会い

北海道のつくり手がつくった、こだわりの商品を並べるこのセレクトショップ。今回「まちづくりに興味がある」「外国語を活かして働きたい」という学生や主婦が短期スタッフとして集まりました。

そんなスタッフの1人である。李 海志さん。李さんは、2010年に初めて留学生として北海道札幌市を訪れました。日本にもともと興味のあった李さんですが、なぜ日本の中でも札幌を選んだのでしょうか。
「面白い大学があるって聞いたんです。そこで2年間学び、さらにもう一度別の大学へ入学。留学期間が終わったあとも、ワーホリで札幌に来ました。」
そこまで札幌にいたいと様々な方法でこの地に残った李さん。「札幌が大好きになってしまったんです。」とニコリ。

suwaro9.jpgまるで日本で生まれ育ったかのような流暢な日本語でコミュニケーションをとる李さん。

韓国ソウル出身の李さんは、ずっと都会の中で生活してきたからこそ、適度に都会で適度に田舎なこの札幌の環境に魅了されてしまったといいます。そして札幌の方とご結婚し、パソコン関係のお仕事をしたり、韓国語の個人レッスンの仕事をしていたそんなある日。ここ「KAI selet」の求人募集を発見。将来は韓国と、札幌を繋げる仕事がしたいという夢を持っている李さんにとって、「大好きな北海道を発信するお店で働けるのは面白そう。そして、外国人観光客への接客対応は今後のやりたいことに結びつくかも!」と思い応募を決意したそうです。「KAI select」は期間限定のお店ではありますが、この短期アルバイト終了後も日本と韓国の架け橋になる仕事をしていきたいと語ってくれました。

『まちのために何かをしたい』そんな人たちに出会えたことが財産

「この場所を通して、素敵な繋がりが出来たのが一番の財産です。」と宮永さんは言います。 「李さんのように『まちのために何かしたい』『まちのためにPRしたい』というスタッフが多く、想いを一緒にする仲間が増えたことは喜ばしいことです。」

期間限定の「KAI select」今後はどうしていくのでしょうか。

「お店については、常設とは言わずとも定期的にどこかで出店していきたいという想いはあります。そして、このアプリをもっと札幌で浸透させていきたいです。実は東京でさえもまだそこまで波及していないそうなんです。もっとこのアプリを保有する人増えれば言葉の壁はもっと低くなると思います。」

偶然入ったそこに、北海道のつくり手の想いが込められた北海道産の商品が並ぶ店内。そして、3つの会社が協力し合い多言語システムを導入したこの実証実験は、今後の北海道のインバウンドに影響を与えるきっかけになったはず。また、今回の期間限定の「KAI select」で出会った「まちのために」という熱い想いを抱いたスタッフたちとの出会いは今後も大切にしていきたいと宮永さんは話していました。

関連動画

株式会社ノーザンクロス
株式会社ノーザンクロス
住所

札幌市中央区大通東2丁目3番地1第36桂和ビル7階

電話

011-232-3661

URL

http://www.northerncross.co.jp


新たな多言語サービスで北海道のこだわり商品を世界へ!

この記事は2017年2月20日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。