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赤平市

炭鉱が好きすぎて移住したデザイナー女子20161212

この記事は2016年12月12日に公開した情報です。

炭鉱が好きすぎて移住したデザイナー女子

炭鉱のまちで働きたい!から始まった移住計画

現在、北海道赤平市で地域おこし協力隊として活躍している大倉 加奈さん。平成26年度から「赤平市の商店街を活性化させる」業務を担当しています。そもそも、なぜ赤平に移住を決めたんですか?というところからお話は始まります。
「私、炭鉱遺産の大ファンなんです!だから、最初から移住するのは、炭鉱があった街と決めてました!」と笑顔で語る大倉さん。これまで多くの移住してきた人のお話を聞いてきた取材陣でしたが、「炭鉱」がキーワードの方は初!まずは炭鉱を軸にいろいろと調べていったそうです。夕張、三笠など、炭鉱で有名な街を調べていくと、そこに運命の出会い、赤平の地域おこし協力隊の募集が。しかも前職まで経験していたデザイナーとしての職務を活かせる環境。「これは!ということですぐに応募しました!私のための求人!って(笑)」。以前から、炭鉱つながりで赤平に来ていて、いろいろと知っていたので、迷いはなかったそうです。

商店街活性化の仕事って?実際に赤平に住んでみて。

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「商工会議所や市役所、商店街の方々と商店街を元気にしていくための協議会が立ち上がったのがこのお話の始まりです。そのなかで商店街の情報発信をしようという話があったので、私を選んでいただけたと思っています。ただ、そんな活動は私は初めて。まずはとにかく商店街を歩き回り、お店のみなさんとコミュニケーションを取ることから始めました。最初はみなさん警戒気味で、なかなかうまくお話ができないこともしばしば。でも商店街を走り回っている姿を見ていただいていたせいか、徐々に多くの方に声をかけていただいたり、困ったことをお話くださったりと、どんどん仲良くしていただけるようになりました。実際に赤平に住み、そうやって昔からここにお住まいのみなさんとお話をしてみると、本当に人々の温かさを感じます。もう食べられない!ってくらい食べ物も持たせてくれますし(笑)。優しくしていただけると、さらに自分の仕事のモチベーションもあがって、いろんなことをお手伝いしたくもなり、好循環につながっていきました。
具体的な活動として、『あかびら商店街通信』というチラシの制作を始めました。美容室、飲食店などの情報を取材し、デザイン、印刷の段取りを組み、新聞折込の手配などを行いました。その活動を通じて、さらに商店街を知ることができましたし、実際に『チラシを見たお客さんが来たよ!』と声をかけていただいたり、『ありがとう』なんておっしゃっていただくと、本当に嬉しかったですね。
他には現在の空き店舗を調査したり、北海道のいろんな作り手さんの販売支援も兼ねたレンタルボックスの運用を始めたり、ものづくりのワークショップ、パンやカフェといった人が集うためのイベントなどを仕掛けたりもしています。」

知り合いのいない街で始める暮らし方

akabira kyouryokutai8.jpg匠塾の活動の様子

前職の仕事を退職して、ツテのない街で暮らす不安はなかったのか、人口200万人クラスの札幌から、人口1万人ほどの赤平に移住して不便なことはなかったのか、聞いてみました。
「不便なことですか?それはもちろん札幌と比べたらないわけじゃないです。何か市のイベントがある時も、人出がそもそも少ないのでお手伝いも頻繁にあります。でもいろんなことがあって、多くの方に出会えることも、自分にあっていると感じています。住環境としても、ネット環境は問題ないですし、病院、スーパー、コンビニ、ホームセンターといったインフラもちゃんとしています。もしこのまちにない何かを求めるのであれば、近隣の大きな市の滝川まではすぐに行けます。休みの日に札幌に行くこともしょっちゅう。旭川だって車でちょっと走ったらいけます。
市の制度としては、高校生以下は医療費が無料だったり、市立保育園の保育料も全国水準と比較してかなり安いとも聞いているので、子育て世代にも住みやすいまちだと思います。そして、今はSNSなんかで離れた友人ともコミュニケーションもとれるので、みなさんが想像するよりも快適な暮らしができるかもしれないですよ。
また、ものづくりが盛んなまちでもあるのですが、そのものづくり企業の若いメンバーが主体となった『匠塾』という活動にも参加させていただいています。赤平には全国的・世界的に名の知れるような企業もたくさんあるのですが、これからも次世代に残していきたい技術や素材などを活かしながら製品化し、物販まで手がける活動で、地元の多くの企業に属した方々が参加しています。その取り組みを通じてこのまちの友人もたくさんできました。赤平にはそんな土壌がありますから、新しくやってこられる方にも住みやすいし、仲間をつくりやすい風土だと思いますよ。」

大倉さんのこれから

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地域おこし協力隊の任期は3年。もう間もなく完了を迎える大倉さんに今後の展望をお聞きしました。
「もちろん赤平に住みます!そしてこれまでも手がけていたデザインの仕事を自分でしていくと思います。まだここから先はどうなるかわかりませんけど、赤平の地域おこし協力隊の採用の制度では、格好良く言うと『事業主』として活動できるので、スケジュール管理や確定申告などの税務についてなども学んでいけましたから、そういった意味での経験も積めたことは良かったと思っています。これからも赤平に住んで、赤平の仕事ができたらいいなと思ってますし、赤平以外からも仕事を受けて、このまちで仕事ができる環境を整えていけたらいいなと思っていますので、何か仕事があったらぜひ連絡下さい!(笑)」。
大手デザイン会社や広告代理店はたくさん世の中にあるなかで、こんな経験をした炭鉱好きデザイナー女子は他にはいないでしょう。大倉さんのこれからの活躍が赤平の商店街、そして赤平全体を元気にしてくれると確信できます。

あかびらチャレンジショップ「KANA-YELL(かなえーる)」
あかびらチャレンジショップ「KANA-YELL(かなえーる)」
住所

北海道赤平市大町1丁目3番地10

電話

0125-74-6333

URL

https://www.facebook.com/kanayell/

営業時間:10:00~12:00/13:00~18:00

定休日:水曜日(その他臨時休業有り)


炭鉱が好きすぎて移住したデザイナー女子

この記事は2016年11月21日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。