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白糠町

たこで新たなマーケットを開拓!有限会社マルツボ20170830

たこで新たなマーケットを開拓!有限会社マルツボ

白糠町という小さな町から、全国に向けて「たこ」で勝負している有限会社マルツボ。たこの消費は輸入物が大半と言われていますが、同社は白糠前浜を中心とする道産のものを鮮度の良いまま加工しています。その技術力とおいしさが、本州の商社や市場に特に評価されているのです。
同社はたこの食べられる部位を増やし、新しいマーケットを築くことも得意分野。例えばたこの頭はかつて敬遠されていましたが、柔らかく噛み切りやすいことを広めた結果、子どもにも人気が出たそうです。最近では『マルツボのたこカレー』や『たこわさ』、『たこのキムチ漬け』など、一般の消費者に向けたオリジナル商品も開発。今後はアヒージョ風のたこのガーリックオイル漬けを筆頭に缶詰も手掛けていく予定です。

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板前さんからたこの加工にUターン。

同社は、はるかかなたに水平線を望む太平洋に面して佇んでいます。海のほうにふと目を向けると...防波堤のそばで、寄せては返す波の様子を眺めている男性を発見!その人こそ、工場長の阿部義一さんです。「今日は海が凪いでいてキレイだね〜。あ、サボっているんじゃなくて、今は休憩中なんですよ(笑)」。開口一番、素敵な笑顔とジョークで場を和ませてくれました。

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阿部さんがこの仕事を始めたのは19歳のころ。マルツボの前身となる会社で11年ほど働いていました。ところが、調理も好きだったことから、一度は釧路市の仕出し屋さんで板前に転身したと言います。
「え?また戻ってきた理由?人手が足りないってSOSを受けてましてね。しばらく離れていたから勘が鈍っていないか心配でしたが、いざ仕事を始めると体が覚えているものですね...まあ立ち話も何ですから、今日入荷したたこが工場にストックしてあるのでちょっと見てみますか?」

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臭みが出ないよう、手早くさばくのが肝!

阿部さんが冷蔵庫から取り出してきたのは、驚くほど大きな水だこの足。重さは20kgくらいなのだそうですが、時には30kg級の大物とも出会えるといたずらっぽく笑います。

「僕の午前中の仕事はこれら入荷したたこをさばく作業。たこって、内臓に多くの消化酵素を持っていて、時間が経つほど臭みが出ちゃうんです。だからまずは内臓を取り出してから、頭や足をカットしていくという順番です。板前みたいに繊細な包丁さばきが必要なわけではないですが、とにかく手早さが鮮度をキープするための肝。飲み込みが早い人でも習得に1カ月くらいはかかります」

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たこの加工に関しては難しい作業がそれほど多くないと阿部さんは続けます。とはいえ、ボイルは気を遣うのだとか。というのも、夏場と冬場とではお湯の沸き方が違うため、茹で時間にもわずかな調整が必要なのです。
「プリプリした食感とか、弾力のある歯ごたえとかって、たこのおいしさの決め手でしょう?それを最大限に引き出すには、どこまで気温と水温を敏感に捉えるかがとっても大切なんです。マニュアル通りに行かない難しさはあるけれど、そこが面白みだと僕は思いますね」

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若い人の目をひくような、たこの新たな加工品を。

水産会社というと、朝から晩まで働きずくめだと思われがち。けれど同社は一般企業とほとんど変わらない勤務時間です。
「出勤は7時と早いですが、終業時間は16時。若い人なら、夜に遊ぶ時間だってたくさん取れるんじゃないかな。ウチはチームワークも良いから、楽しく働ける職場ですよ。それに僕としては大きなたこをさばいたり、豪快に湯通ししたりする仕事って、『男らしさ』にあふれている気がして...そこに憧れて入社したところもあるんです(笑)」

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確かにスタッフの皆さんは、時におしゃべりしながら和気あいあいと働いているように映ります。だけど、『高齢化』が目下の課題だというのです。
「だってね...一番若いのが社長ですから(笑)。僕も50歳を超えていますし、そろそろ次世代に技術を託さないといけないと感じています。若い人に魅力を持ってもらう会社になるには、『たこカレー』や『たこのキムチ漬け』のような目を引く加工品をもっと増やしていかなければなりません。そうして若手が集まってきたら、柔軟な発想を生かしてさならるヒット商品が生まれるかも。う〜ん、加工部門、つくりたいなあ!」

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トップダウンではなく、自ら考える力を養うスタイル。

最後に阿部さんのお話にも登場した社長の大坪洋一さんに、インタビューのマイクを向けてみました。
「当社を支えてくれている従業員は総勢で10名強。トップダウンで指示すると自ら考える力が養われないため、仕事の組み立てを一人ひとりに任せることも多々あります」

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風通しの良い社風が心地よいからでしょうか、男性社員は会社設立時から続けている人がほとんど。女性もベテランぞろいです。
「ただ...阿部さんも言った通り、私が一番年下なので、技術を受け継ぐ若者が現れてほしいんですよね」

もし新人さんが入社してきても、まずは無理をしないように徐々に仕事に慣れていってほしいと優しいまなざしで語ってくれました。
「当社も創業から10年以上が経ちました。ベテランスタッフからは『スカイツリーが見たい』と言われているので、会社を空けても良い機会が巡ってきたら、社員旅行で連れていきたいですね(笑)」

有限会社マルツボ
住所

北海道白糠郡白糠町恋問2-2-23

URL

http://www.tako-marutsubo.com/

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たこで新たなマーケットを開拓!有限会社マルツボ

この記事は2014年11月18日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。