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学校と学生の取り組み
ニセコ町

町民のみなさんから支援を受けて、海外研修へ。20161128

町民のみなさんから支援を受けて、海外研修へ。

『4年生』に進級を選べる北海道ニセコ高等学校

「先月、マレーシアでの研修を終えて帰ってきたばかりなんです。」そう語るのは、北海道ニセコ高等学校4年 佐藤 万優さん。今、世界的に有名なYTL HOTELSグループのヒルトンニセコビレッジで研修の一環としてアルバイトしています。
高校4年生?留年したの?と思われてしまいそうですが、4年生であるのには理由があります。北海道ニセコ高等学校は、3年生で卒業する学生も多いのですが、さらに実践的な研修を積むために、定時制であるメリットを活かして、4年生に進級する選択ができるという制度を取り入れているそうです。

4歳からニセコ町に住む佐藤さんが、地元の北海道ニセコ高等学校に進学した理由をこう語ります。「うちの高校は緑地観光科という学科しかなく、途中から農業科学コースと観光リゾートコースの二つから選択して専門性を高める学校です。でも、何かを目指して入学したというわけではなく、『やっぱり地元が好き』というあっさりした理由でした(笑)。ただ、強いて言えば、実家がレストランを運営していますから、なんとなく親の背中を見て『接客』の仕事に興味はあったかもしれません。」

取材に同席いただいた中谷先生は、こう補足します。「農業や観光のコースがあるということで、実家が農家の生徒とか、将来はホテルで働きたい!と決めて入学する生徒が多いように思われがちですが、佐藤さんのような入学してから将来を決める生徒たちが断然多いですね。そして本校は町立の学校ですから、町の方々、地域の方々とのコミュニケーションを積極的に授業に取り入れているのが特徴で、地元愛のある周辺市町村からの入学も多い傾向があります。進路も様々で、学んだ農業や観光の専門性をさらに高めたいと考え、大学や専門学校に進む生徒、地元企業へ就職する生徒、公務員になる生徒、みんな違います。ただ、共通して言えるのは、その地域のみなさんと関わった経験を活かしていきたいという考えになる生徒が多いと感じています。」

高校生が挑む、マレーシアでの研修6ヶ月間

niseko koukou9.jpg マレーシアでの研修の様子


取材中も佐藤さんが受け持つフロントでは、電話に応対したり、お客様のエスコートをしたりと大忙し。英語での対応も日常的だそうです。「最初、英語は得意じゃない・・・というより、むしろキライでした(笑)。ちゃんと学ぼうと思ったキッカケは、ニセコ町の支援もあってシドニーに2週間行かせていただいたとき、外国の方とも話せたらいいなと感じたこと。そしてこちらのヒルトンニセコビレッジでアルバイトをさせていただいたときに、英語力をつけることは自分の将来に本当に必要なことなんだと実感したからですね。中学校の英単語帳を引っ張り出してきて、単語を覚えることからやり直しました(笑)。4年生に進み、マレーシアでは、YTL HOTELSの研修として1ヶ月学校に通わせてもらったのですが、その時にいろいろな人とコミュニケーションを英語でとれるようになってきて、さらに語学力を高めたいという意欲は増していきました。最近、昔の私を知る、英語をネイティブで話される方から、『英語、上手くなってきたね』と褒められて有頂天(笑)。でもまだバッチリです!と言えるのには程遠いので、これからも頑張っていきたいと思っています。」

マレーシアでの研修中のことをうかがうと、「最初、行く日まではあんまり実感がなかったんですが、ひとりで飛行機に乗った瞬間に、ものっすごい不安に襲われました(笑)。でもあとはやるしかない...と、持ち前のとりあえずやってみる精神で頑張りました。マレーシアでの6ヶ月間、日本の他の学校からもやってきている4人とシェアハウスで生活しました。とっても楽しかったですね。食べ物も美味しくて、実は研修期間で太っちゃいました(笑)。現地での研修は、1ヶ月間が学校スタイルで研修。その後、レストラン部門、ハウスキーピング部門、日本人向けサービスを扱うオフィス勤務など、様々な経験をさせていただきました。あっという間の6ヶ月でした。英語の力もさらについたと思っていますが、さらに衝撃だったのが、自分の日本語のダメなところでした。適切な敬語やキレイな言葉を使っていないことを外国で痛感し、英語だけじゃなくて日本語もちゃんと使えるようにならなきゃ!と感じて帰ってきました。私は観光リゾートコースを選択して、今に至るわけですが、コース選択の前までは、全員が農業のことも学びます。農家さんの想いとか、食物の大切さとかを体験してきたことも、ホテル業界で知識として活かしていけることも実感しました。」

地域への想い、町への感謝

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中谷先生から、「佐藤さんは、まさに学校が推奨している将来を体現してくれていると感じています。本校は、農業作業員を養成する学校でも、ベットメイクスタッフを育てる学校でもありません。その業界をリードするようなマネジメント力を身につける基礎を養う学校なんです。そのためにも、地域参加やボランティアの精神などを育み、多くの人とコミュニケーションをとることで、自らがやってみたいと考えてくれるような素養をまずは学んでもらいたいと考えています。すぐにではなくても、そういった教育方針は、ニセコ町に、ニセコ周辺の市町村にとって、かけがえのない人材になってくれるのではないかとも思っています。まだ4年生への進級を選択する生徒が多い状況ではないのですが、もっとその制度を利用したいと思ってくれる生徒が増えることを期待したいですね。」

最後に佐藤さんから「ニセコ町はリゾート地としては有名かもしれません。ただ、ほんとうにのんびりとした時間が流れ、大自然に囲まれた都会とは掛け離れた場所です。『将来は都会で暮らしてみたい』という気持ちにも揺れたことがありましたが、『都会はたまに行くからいいと感じるんだ』ということに気がつき、それよりも自分を育ててくれた大好きなこの町に住んで、大好きな地元の人たちと一緒に町を元気にしていくことが、自分にとって一番あっていると今は思っています。そもそも、4年生に進み、海外研修に行かせていただいた費用は全額ニセコ町に負担していただいています。お金が実費で必要だったら行けなかったと思います。町民みなさんからの支援があったからこそ、今の自分があるんだ・・・とマレーシアから帰ってきて想いはさらに強くなり、その感謝をこの町で頑張ることで返していけたらいいなと自分の将来を見据えて考えています。こんな素敵な高校があることを多くの方に知ってもらって、多くの方がこの学校に入学したいと思ってもらえたらさらに嬉しいですね。」

北海道ニセコ高等学校(海外研修を通じた人材育成の取り組み)
住所

北海道虻田郡ニセコ町字富士見141番地9

電話

0136-44-2224

URL

http://niseko-school.jp/~niseko-highschool/

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町民のみなさんから支援を受けて、海外研修へ。

この記事は2016年11月9日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。