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まちおこしレポート
小清水町

小清水×モンベル! オホーツクを巻き込むまちづくり!20180405

小清水×モンベル! オホーツクを巻き込むまちづくり!

小清水町は北海道の東北部、オホーツク海に面した斜里郡の西部に位置するまち。農業が主産業で、古くからビートや麦、でんぷん用じゃがいもの生産が盛んです。平成25年、このでんぷん用じゃがいもを通じて小清水と「福太郎株式会社」とがタッグを組み、小学校跡地を活用した工場が誕生。銘菓「ほがじゃ」は、すっかりオホーツクのお土産として定番となっています。さらに、アウトドアブランド「モンベル」と新たな取り組みを進め、町内にモンベルストアとビジターセンターを組み合わせた複合施設がオープンするというホットな情報をキャッチ。さっそく、小清水町役場へと向かいました。

koshimizu-montbell_2.jpg町内の「フレトイ展望台」から望む、道の駅と斜里岳。

驚くべきスピード感でモンベルとの交渉へ!

取材陣を迎えてくれたのは、企画財政課の石丸寛之さん。この人こそ、モンベルとの取り組みに奔走している仕掛け人の中心的な存在です。大変失礼ながら人口5,000人ほどの小さなまちと、グローバル企業のモンベルとの関連性が見出せず、一体どう始まったのですか? と直球の質問を投げかけました。

「それはもっともですよね(笑)」
石丸さんはニッコリと笑い、コトの発端は平成27年に始まった「まち・ひと・しごと創生総合戦略」だと教えてくれました。

「僕らは主要産業である農業の担い手対策と、渡り鳥の経由地という小清水の特徴を生かしたバードウォッチングによるインバウンド受け入れプロジェクトを打ち立てました。濤沸湖はバードウォッチングの聖地といわれ、全国の渡り鳥の半数以上が見られるほど有名。事実、外国人が長期滞在して鳥の鑑賞を楽しむケースも少なくありません」

koshimizu-montbell_3.jpg企画財政課 企画係長の石丸寛之さん。

平成28年には計画書が完成し、無事に提案が通る...かと思いきや、「一言でいうとこのプランではインパクトが弱いとNGを出されました」と石丸さんは苦笑します。とはいえ、まちの人口減少を抑えるためにも、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」による交付金を確保し、移住PRや交流人口増加に踏み出すのは急務でした。

「実は日本野鳥の会オホーツク支部が小清水にあり、町民の一人が活動を通じてモンベル社員の方と知り合ったと聞きました。道内の東川町や南富良野町もモンベルと一緒にまちづくりに取り組んでいることも知っていたので、ダメもとでモンベル社員の方を紹介いただきたいとお願いをしたんです」

無謀とも思える申し出からわずか2カ月後。小清水の町長が先頭に立ち、町内に直営店を誘致できないかとモンベルの辰野勇会長に相談を持ちかけるトップ会談の場が設けられました。役場職員というとカタいイメージですが、驚くべきスピード感と大胆な行動力。それに応えたモンベルの懐の深さも天晴れです! ただし、もちろん一度の交渉では店舗を建てるという大きな決断を下すわけにはいかず、まずはモンベルと連携協定を結ぶところまで調整しました。

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町民の意識も「モンベル」に前向きに!

平成28年9月、小清水とモンベルとは「フレンドタウン」として観光事業を中心とした包括連携協定を結びました。石丸さんらまちのスタッフは、直後にモンベルショップの店舗誘致を軸にした「まち・ひと・しごと創生総合戦略」のプランを立て直しました。

そして、翌月には小清水がモンベルストアとビジターセンターの複合施設を建てる前提のもと、モンベル側に店舗の展開を再び要請。11月にはモンベルから「OK」の正式回答を得たというから、またもやビックリするようなスピードです。

「本町だけが盛り上がるのではなく、オホーツクエリアを広域でPRしたいと考え、網走と北見、大空、そして小清水の2市2町をモンベルがオススメするアウトドアフィールド『フレンドエリア』に巻き込みました(笑)」

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この「フレンドエリア」の登録には費用がかかりますが、80万部強発行される(2018年3月末現在)会報に見どころやイベントが紹介されるなどPRメリットも大きいとか。

「地元農家がモンベルホームページ内の『フレンドマーケット』に出品できたり、レストランが『フレンドショップ』の会員優待を受けられるお店として登録できたり、ビジネスチャンスを広げるきっかけにもなると思います」

koshimizu-montbell15.JPG取材時(2月下旬)は、施設はまだ建設途中でしたが、いよいよ4月にはオープンです!

急激に進んだモンベルとのコラボレーション。町民の方に戸惑いはなかったのか尋ねたところ、「正直いってあります」とストレートなご返答。最初は「モンベル?」状態だったといいます。

「ただ、ふるさと納税の返礼品にモンベルの関連グッズを加えることで、寄付金が10億円まで伸びました。目に見える結果が出たことで、町民の方の意識も前向きになっていったと思います。例えば、『JAこしみず』がモンベルグループの運営するカレー店にゴボウを提供したり、農家さんが緑肥(栽培作物をそのまま土壌の肥料とすること)を利用して『Koshimizu×mont-bell』と畑に文字を描いたり、受け入れてもらえている手応えがあります」

koshimizu-montbell_7.jpgふるさと納税の返礼品の一つ「小清水町×モンベルコラボグッズ」。

子育て世代にも暮らしやすいまちを目指して。

モンベルとのコラボレーションを軸としたまちづくりは着々と進み、取材時(2月下旬)にはモンベルストアとビジターセンターの複合施設も完成に近づいていました。こうした注目スポットは新しい仕事を生み、町内の雇用や移住者の働く場が増えることにつながるのもメリットです。

「移住者の住む場所を確保するため、民間企業が賃貸住宅を建築する場合にイニシャルコストをサポートする計画も考えています。実は小清水では平成23年ごろから出生率が高まっていて、かなり以前から子どもが中学校卒業までは医療費が無料だったり、4年ほど前には給食費も無償化したりと、子育て世代にも暮らしやすいまちづくりを進めているんです」

koshimizu-montbell_8.jpgここはモンベルストアの内観です。

今後は保育所の民間運営や夜間保育といったサービスの拡充も目指しているとか。小清水が移住者にとって注目される日はそう遠くないと感じました。

最後にビジターセンターのオープンに先駆け、昨年小清水町観光協会の職員として移住を果たした事務局次長の太田達也さんとスタッフの湯浅史美さんにミニインタビューを実施!

koshimizu-montbell_9.jpg写真左が湯浅さん、右が太田さん。

湯浅さん「昨年、まちの戦略として交流人口を増やすために観光に力を入れることになり、観光協会の専属職員の募集がありました」

太田さん「僕はもともと仕事で北海道をしょっちゅう訪ねていたので、この広い大地への憧れから移住と転職に踏み切りました。今はビジターセンターの立ち上げに伴い、小清水の手つかずの自然にどう付加価値を付けるかという課題に取り組んでいます」

湯浅さん「具体的には小清水の魅力を発掘して、サイクリングのコースを考えたり、グリーンツーリズムのプランを立てたり」

太田さん「小清水の周囲には1,000メートル級の山々が多く、冬山遊びの聖地でもあります。スノーシューツアーをオーストラリア人に体験してもらうなど、生の声も反映させたアクティビティを提供しようと考えているところ。ちなみに、ビジターセンターでは花のガイドや自然調査に加え、自転車やカヤックといったアウトドアに特化した受付も行う予定です」

湯浅さん「公的機関が運営するビジターセンターにはあまりないスタイル。今は多彩なアウトドアメニューを提供するために、外部のガイドを育成しながらモニターツアーも開いています」

太田さん「え? 小清水の暮らしですか? 思った以上に雪が少ないですし、暴風雪なんかもあまりありません。マチナカには小清水赤十字病院もありますし、網走にも近いので買い物も困ったことがないかな。生活する分には十分な環境だと思いますよ!」

koshimizu-montbell_10.jpg道の駅「はなやか小清水」の隣接地に、モンベル直営店とビジターセンターがオープン。

◎取材時(2月下旬)にはまだ建設中でしたが、春になりいよいよ2018年4月14日(土)には「モンベル オホーツク小清水店」がオープンとなります!これからオホーツクエリアのアウトドア拠点となる「モンベル オホーツク小清水店」要チェックです!
店舗に関する詳しい情報はコチラから!

小清水町役場
小清水町役場
住所

北海道斜里郡小清水町元町2丁目1番1号

電話

0152-62-2311

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小清水×モンベル! オホーツクを巻き込むまちづくり!

この記事は2018年4月19日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。