
かけがえのない生命を全うすることも森から学びました。
占冠の財産とも言える緑豊かな森林。それは大地に根を張る何千何万という樹木で形作られています。
最近、その森林の健全な更新や、木材生産をさまたげる要因としてあげられるのが『獣害』。中でも増えすぎたエゾシカによる木々の樹皮や枝条への『食害(しょくがい)』は、特に深刻な課題となっています。
占冠村でもこうした被害から森を守るために、林業振興室が中心となり猟友会や森林管理者と連携を図りながら、生息密度指標の把握や継続的な駆除に取り組んでいます。
担当しているのは占冠村役場、林業振興室の浦田剛さん。北海道大学のヒグマ研究グループで野生鳥獣についての造詣を深めた、この課題のプロフェッショナル。
「エゾシカの命も他の動物達と同じで、かけがえなく尊いもの。ですから駆除では被害対策の効率を考えること、苦痛を最小限とするよう努力すること、さらにその一体一体を処理施設で確認するシステムにより、食肉等への利用率を頭数割合で9割以上に維持しています。こうした取り組みは全国でもかなり珍しいのではないでしょうか」と浦田さん。
生命を尊ぶという誇るべき気質は、占冠村ならではのものなのかもしれません。
- 占冠村役場 林業振興室
- 住所
北海道勇払郡占冠村字中央
- 電話
0167-56-2174
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