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Vol.54~タコスで味わう未利用魚のサバ!?~20240917

Vol.54~タコスで味わう未利用魚のサバ!?~

こんにちは、くらしごと編集部です。今回は、以前「サメ」のお話をしてくれたおさかな専門シンガーソングライター齊藤いゆさんの登場です。皆さんよくご存じの「サバ」のお話とのこと。相変わらずおさかなダジャレの切れ味も抜群です!


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Vol.54~タコスで味わう未利用魚のサバ!?~

こんにちは、おさかな専門シンガーソングライター齊藤いゆです!今回は、サバの話をお届けします!サバサバ読み進めて下さいね。突然ですが、皆さんは、「サバの語源」を知っていますか?

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諸説ありますが、歯が小さく狭く細かいことから、小さな歯と書いて「小歯/狭歯(さば)」と呼ばれたことが、サバの語源といわれています。
私が住む函館では、サバの漁獲量が10年でおよそ137倍も急増しています(決してサバは読んでいません)。尚、サバは、定置網漁やまき網漁などで漁獲されます。漁獲されたサバのうち、大型魚は流通しますが、小~中サイズのサバは未利用魚となっているのが現状です。

そこで、私が普段泳いでいる魚屋(福田海産)では、せっかく漁師さんが獲ってくれた新鮮なサバの命を大切にしたいという想いから、サバをサイズに限らず仕入れて新鮮なうちに大量に加工しています。

私は魚の変態なので、魚が何を食べているのかを観察するのが大好きなのですが、大体サバが食べているものは、函館でサバよりも急増しているマイワシがほとんどです。時には、小さなサバでも、マイワシをくわえたまま出荷されたりします。

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あ、そうそう!そういえば、サバの身体が虹色に光って見える時ありますよね!さぁ問題です!
「サバが虹色に光って見えることをなんと呼ぶでしょう?」

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正解は、イリデッセンス(光の干渉で七色に光って見える遊色効果)でした!魚から物理学も学べたりしちゃうんです。魚って面白いですよね!

本題に遡上します(戻ります)!
未利用魚となっている小さなサイズのサバを活用して、何かできないか。その背景や物語を「食」を通して、未利用・低利用食材に七色の光を与えられないか。漁業、農業、酪農等、生産者が繋いでくれた想いを一つに繋げたい!

そんな思いから、2024年7月1日、「ローカルフードをタコスで包む」をコンセプトとして、函館金森倉庫の裏通りに小さなタコス屋さん「LR Tacos&Local dishes」をオープンしました。

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生地となるトルティーヤは北海道の酪農の課題解決となる脱脂粉乳と、大量廃棄の課題を抱えるおからを活用したオリジナル。商品は、地域のジビエを活用したミートタコス、地域の旬の野菜を使ったタコス、地域食材を取り揃えたタコス&アラカルト。そして地魚を活用したフィッシュタコスに、未利用魚であった小サバを使用しています。

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大型のサバとは異なる、小~中サイズのサバならではの筋肉質と程よい脂質のバランスが最高に美味しいタコスです。皆様、函館にお寄りの際は、是非ともフィッシュタコスを食べてみて下さい!きっと魚たちが喜びます!

■ 「LR Tacos&Local dishes」の情報はコチラから!

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

文・齊藤いゆ(さいとういゆ)

1991年、函館生まれ、上磯町(現北斗市)育ち。札幌で大学を卒業後、仕事の傍ら音楽活動を行い「おさかな専門のシンガーソングライター」として魚に関する楽曲を約200曲制作。昨年、函館市へUターンし、福田海産で水産加工工場長として勤務。魚介類と漁業の魅力、環境問題を伝える活動を行っている。「いゆ」は沖縄の方言で魚の意味。好きな魚はたくさんあるが、いまは「サメ」!


Vol.54~タコスで味わう未利用魚のサバ!?~

この記事は2024年6月18日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。