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「森の魅力発信し隊」便り
北海道

vol.1「こだわりの森の道具&私物紹介」20210630

この記事は2021年6月30日に公開した情報です。

vol.1「こだわりの森の道具&私物紹介」
ついに始まりました!森の魅力発信し隊便り第一弾です。私たちは、「森の魅力発信し隊」という若手林業・木材産業従事者を中心とした仲間を集い、情報交換をして盛り上がっています。そんな私たちの会話の一部をご紹介。

今回は林業・木材産業従事者たちの「こだわりの林業道具・私物紹介」をテーマに情報交換を行いました!林業初心者の編集部メンバーが初心者丸出しの質問をしちゃいます。プライベートなカバンの中身まで探ってしまいますよ〜!

林業と言えば「チェーンソー」

林業と言えばチェーンソーで木を伐採している姿を想像する方が多いのではないでしょうか。実はチェーンソーにもメーカーの違いや、その微妙な違いがあるそうですよ・・・!
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  • 宮崎雄次さん

    僕の使っているチェーンソーを紹介します!

    まずは、「ハスクバーナー550XPG」です!重量は軽く、そのわりに力強いので、扱いやすいです。18インチのガイドバーをつけ除伐(樹木の生育を妨げる他の樹木を刈り払う作業)、枝払い(伐採した樹木から枝を切り取る作業)、伐倒(木を倒す方向をコントロールしておこなう伐採)、土場切り(木をまとめて置いてある土場という場所で用途に応じて定められた長さに切断して丸太にすること)とオールマイティーですが、除伐が一番使いやすいと思っています!

    真ん中が「ハスクバーナー560XPG」。550より重いですがパワーがあるので、土場切り、伐倒がメインです。重たいので除伐をやると上腕二頭筋の筋トレになります(笑)。

    最後のチェーンソーが「ハスクバーナー372XPG」です。重たいですが、パワーがあります。木に刃が当たった時の食い込み方が良く、小さいチェーンソーよりも疲れません。ただ、枝払いは素早く動かせないので使いにくいです。除伐で使うと次の日腕が上がりません。

チェーンソーも作業によって使い分けているんですね。「まるで料理屋さんの包丁みたいに使い分けする感じ」と宮崎さん。(うまいっ!座布団1枚!)

ちなみに「ハスクバーナー」とはチェーンソーの会社のお名前。宮崎さんはハスクバーナー社のチェーンソーをご愛用中ということですね。これと同じく「スチール社」という会社から出ているチェーンソーもあり、この業界では「ハスクバーナー社か、スチール社か」という二大巨頭のようです。 (※以下「ハスク」「スチール」)

また、ハスクバーナーの後ろについている数字ですが、百の位の数字が大きいほど新しい型で、十の位と一の位が排気量を表しているそうです。つまり、宮崎さんが持っているハスクバーナー560XPGが一番新しい型で、60ccの排気量ということですね!

  • くらしごと編集部

    基本的にこれらは現場に常に持っていく感じですか?それともその日の作業にあわせて持って行くのですか?また、メーカーを揃えた方が良いメリットなどあるのでしょうか?

  • 宮崎雄次さん

    現場にはその日の中で仕事の内容が変わることもあるのと、チェーンソーが故障した時のスペアも兼ねて4台くらい持って行ってます。やはりメーカーが同じだとメンテナンスはやりやすいと思います。また、ハスクとスチールではチェーンの足のサイズも違うので統一した機械のほうが便利だと思います。

  • くらしごと編集部

    

4台も!でも状況に合わせてチェーンソーを替える姿、なんだか絵になりますね〜。

hikaku_chainsaw.jpg 続いては、小型チェーンソーという小さいサイズの紹介と、二大巨頭「ハスク」と「スチール」を比べた写真です。
ハンディーサイズなんてあるのは便利そうですね。主に枝払いなどで使用するそうです。

さて、もうひとつはハクスとスチールの違いですが、こちらそんなに大きな違いは分かりませんね・・・。ただ、見た目的なイメージでは、ハスクの方が持ち手の部分が持ちやすそう?なんて思ってしまいます。

  • 鎌田和希さん(北の森づくり専門学院)

    持ちやすさは僕的にはそんなに変わる気しないですね。ハスクの方が重いと思いますよ。ハスクは持ち手の部分が確か7度傾いているため、持ちやすい構造になっているようです!ちなみに、北の森づくり専門学院では、1年目がスチール、2年目がハスクを使っています。

  • くらしごと編集部

    1年目と2年目で違うんですね!スチールの方が初心者向けだったりするんですか?

  • 
鎌田和希さん(北の森づくり専門学院)

    聞いたことと、実際に使ってみて思うことは...スチールはメンテナンスがしやすいのと、壊れにくいと聞いたことがあります。まだまだ使い込んではいないので、実際に壊れやすいとか、メンテナンスしやすいというのはわからないところはありますが・・・。あ、ハスクはエンジン音が響く感じでかっこいいです(笑)。人間工学・力学に考慮して作られているみたいですよ。

電動だけじゃない!林業は『くわ』も使います

uemura_0617.jpg 上村さんは色んな種類のくわを見せてくださいました!くわは苗木を植え付けるときに活躍します!写真にあるとおりピッケルのようなものがついているものなど、いろいろな種類があって、人によって使い分けるそうです!チェーンソーという電動だけではなく、こうした道具も林業では必要なんですね!

森は宝の山!素材を活かす林業者たちの知恵

さて、続いては山での素材を活かしたグッズの紹介です! mori_niwa.jpg

  • 丹羽智大さん

    注目して欲しいのは柄の部分です。これはサビタ(ノリウツギ)という木で、髄の部分が柔らかくて、差し込むとヤスリの基部にジャストフィットなんです!よくヤスリごとなくすので、現場で見かけたらストックしています。長さも好みで切り出せるので重宝しています。

    その昔、アイヌの人たちもキセルにしたり、針入れにしたりしていたそうですよ。自分はヤスリの柄くらいしか活用できていないのですが、他にも用途がありそうですよね。おそらく各地に自生していると思うので見かけたら試してみてほしいです!

  • 平川晃教さん

    自分の会社でもサビタを柄にしている人はいます!ヤスリの柄は人それぞれ好みがありますよね。自分は使い込むと赤く艶が出てカッコイイので、よくサクラを使っています。


  • 丹羽智大さん

    山では切って捨てられるだけなので、活用できると面白そうですよね。うちの会社の人はわりとこういうのを使ってますね!

ヤスリの柄にみなさんこだわりがあるとは。自分でカスタムできる楽しさがありますね。しかも、森に落ちているもので、お金をかけずに、素材をそのまま活かす・・・まさに、森で生きる人たちの知恵ですね。

こだわりの私物紹介

続いて、みなさんのカバンの中身をチェック!こだわりの私物を紹介していただきました。 hirakawa_item.jpg

  • 平川晃教さん

    自分が紹介したいのは「曲げわっぱ」です!冷めたお弁当がすごくキライなんですが、これにしてからは冷めてても美味しいです。夏は弁当が傷みやすいですが、曲げわっぱには調湿・殺菌効果があるみたいなので、暑くなってくる時期にはおすすめです!

  • くらしごと編集部

    曲げわっぱにそんな効果があるなんて初めて知りました!そして欲しくなりました・・・(笑)。何より林業の現場によく似合うお弁当箱ですね〜!

    お昼ごはんを食べる時は現場にもよるかと思いますが、みなさん集まって食べたりするんですか?それとも、ゆっくり森の中でひとりでお昼休憩でしょうか?・・・ちなみに、平川さんのお弁当の中身はご自身でつくっているんですか?

  • 平川晃教さん

    自分の会社の場合は、重機内で食べることが多くて、あとは車で食べますね!弁当は作ってもらってます(笑)


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  • 藤林諒さん

    山の中をかなり歩き回るので、できるだけ楽に歩けるように燃料、チェーンオイル、飲料はリュックに入れて持ち運んでいます。クサビとハチェット(小型の手斧)は腰にぶらさげて両手にチェーンソーとフェリングレバー(金属製のバールのような道具※写真一番左)って感じです!カバンには工具とか予備のスターターロープも常備しています。

  • 杉戸達矢さん(北の森づくり専門学院)

    両サイドから荷物の出し入れができてメッシュのポケットも機能的で便利そうですね!ネットで探してもあんまりこういう情報って少ないので、装備の参考になります!

  • 藤林諒さん

    これは、ホグロフスのコーカー(スウェーデン発祥のアウトドアブランドのバックパック)で自分が使っているのはMサイズです!調子いいですけど、そこの部分がどうしても腰ベルトと擦れてくるので、シューグー(靴の補修材)で補強しています!

おっ、盛り上がってきたところではありますが、第一回通信はこのあたりで・・・。林業って、一体どんな世界なの?どんな業界なの?そう思っていた方々もすこ〜し想像が出来てきたのではないでしょうか?今後もどんどん皆さんに林業という世界を知ってもらうべく、発信していくのでどうぞお楽しみに!
森の魅力発信し隊

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この記事は2021年6月7日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。