2019年3月。奥様、息子さんを連れて神奈川県川崎市から北海道恵庭市へ移住した増尾和久さんご家族。取材場所に颯爽と現れた増尾さんからは親しみやすい雰囲気と、そして何よりガタイの良さに目が行ってしまうのですが...実はラガーマンだと言うから、納得です。
さて、そんな増尾さんたちがここ恵庭市に移住してきた大きな理由は「子育て環境」。息子さんが小学校にあがる少し前に、奥様と家族会議を行ったところ「もう少し自然のある、田舎の方で子育てをしたい」ということで意見が一致したと言います。
今回は、増尾さんが移住にまで至ったお話を聞いていきます。なんと、お仕事を決めずに移住してきた、というのも今後北海道移住を考えている方のヒントになるかもしれません。
恵庭市への移住を決めたワケ
こちらが増尾さんです。
増尾さんは群馬県の出身。
その後大学進学を機に上京し、奥様とは東京で出会いご結婚。北海道とそれまで特別縁はありませんでしたが、実は奥様が北海道のご出身でした。
「妻のお姉さんが札幌に住んでいて、以前から妻は『姉の近くに住みたい』って言ってたんです。それに、妻の家族が近くにいた方が子育てもしやすいだろうと考えました」と、奥様想いのその考えに、思わず感嘆の声をあげてしまう取材陣。
こうして移住先候補として「北海道」が挙がっていた時に、東京で北海道移住フェアなるイベントがあると知り、参加してみることにしました。このイベントでは、北海道の数多くの市町村がブースを出展し、自治体の人からまちのことや、支援制度などを直接聞けるイベントとなっています。
こちらは市役所内で撮影したものですが、当時のブースでもこのように対面でお話を聞くことができました。
増尾さんたちが見た市町村のひとつが、まさに恵庭市。特に気になったのは、恵庭市の「無料オーダーメイドツアー」というもの。これは、恵庭市への移住希望者の方を対象に、市役所の移住担当者が同行し、要望に合わせて個別に市内を案内してくれるツアーのことをいいます。直接自分の目でまちを見てみた方が、移住した時のイメージがつきやすいかもしれない...そう思った増尾さんに、奥様から「行ってみたら?」と背中押しが。
夏に開催された移住イベントを経て、季節が変わる秋頃に実際に恵庭市へと訪れ、この「無料オーダーメイドツアー」を体験しました。そして、実際に自分の目で恵庭市を見て、自分の足でまちを歩いてみて、「ここならやっていけそうだな」と感じたという増尾さん。
市役所の移住担当であった屋仲さんが増尾さんの要望に合わせ、市内をまわるプランを作成。移住に関してはもちろん、移住後にまつわる不安の払拭も、屋仲さんからのアドバイスが、そう思えた理由のひとつかもしれません。
増尾さんの移住をサポートした、恵庭市役所の屋仲さんと!
仕事も決めずにまずは移住!
この「無料オーダーメイドツアー」で恵庭市を訪れたのは秋頃のことで、その数ヶ月後の春には息子さんが小学校へ入学。
気づけばもう時間がない状態でした。前職を退職するにも準備が必要だし、北海道恵庭市での住居探しも必要。やらなくてはいけないことはたくさんあり、そのくせ月日は驚くほどあっという間に過ぎていき...なんと、増尾さんは次の仕事を決めずに家族で北海道へ移住してきたのでした。
住まいに関しては、札幌に住む奥様のお姉さんが物件を見に行き、それをテレビ電話で見て、無事にお家も決まったそうです。
仕事を決めずに移住してきてしまう...それは結構勇気のあることなのでは?とも思いましたが、北海道に来てからスムーズに仕事も決まったようです。
「ジョブキタ紹介という、人材紹介サービスを利用しました。アドバイザーの方と面談し、色々お仕事を紹介してもらったんです。最初、自分的には不動産の営業職とかがいいのかな、と思っていたのですがアドバイザーの方が僕自身の特性をしっかり見てくれていて提案してくれたのがプロノのお仕事でした」
ジョブキタ紹介は北海道で長く求人広告事業を行っているからこその企業とのネットワークを活かして行う人材紹介サービス。増尾さんのように1対1でじっくりとアドバイザーと相談ができるので、就職まで安心してサポートが受けられるのが特徴です。
プロノは、北海道生まれの作業用品店。作業服をはじめ、様々な商品を置いており、最近ではお仕事で使用するという方以外からも注目されているお店です。
「プロノは誠実に、着実に業績を伸ばしている会社だと聞きました。『その誠実な部分が、増尾さんには合っている』とアドバイザーの方が紹介してくださり、5月に内定、6月から勤務スタートと、トントン拍子でした」
実質4月から就活をはじめた増尾さん。勤務スタートまでとってもスムーズにいった例ではないでしょうか。
長年勤めるパートさんも多い職場ですが、今ではすっかり皆さんと仲良くなり、働きやすい仕事環境にも満足されているようです。
実は、取材当日もプロノの服を着て来てくれていたのです!ポケットの数が多く、機能性がいい服などをはじめとする商品がたくさんあるプロノは、今まさに多くの方から大注目。これまでこうしたお店を知らなかった増尾さんは、社員であると同時にプロノのファン。今では新商品が出たらすぐさま購入するそうです。
ポケットの数が多いと何かと便利。取材陣もこれ欲しい!と盛り上がりました。
ラグビーも続けることができる環境
「子育て環境」を見直してみて、北海道へと移住してきた増尾さんご家族ですが、息子さんの小学校入学前の年齢を考えると、「友だちと離れる」という寂しさも理解している頃。息子さんもやはり当初は「寂しい」という気持ちがあったようですが、恵庭市に来てからはまた新しい友だちも出来て、楽しんでいる様子。今はお隣千歳市のラグビースクールに通っているそうです!
実は増尾さんがラグビーをやっていたということ、そして奥様もラグビー観戦がお好きということで神奈川県にいた頃からよくラグビーを見に行き、息子さんもその影響でラグビーを始めたそう。
北海道に来てからはそういったスクールが近隣にない...と思いきや、移住してきたタイミングで千歳市に新たなにラグビースクールができるというグッドタイミング。さらにはそこで増尾さんが子どもたちに指導をするなんてことにもなり、今は親子で好きだったスポーツも諦めずに続けることができています。
「あと、恵庭市でおすすめの公園は『緑のふるさと森林公園』というところ。山の上の方にあり『本当にこの先に公園なんてあるの...?』と思ったら、すごく広い公園がそこにはあって、子どもが楽しめるアスレチックもあるんです。それに、なんといっても人が全然いない。川崎でこんな子どもが遊べるところって言ったら、大勢人がいますからね」とその過ごしやすさに感動したと話してくださいました。
ハードワークからのゆとりある生活
そうそう、増尾さんの前職の話をしていませんでしたね。
大学卒業後は飲食店でずっと勤務していたといいます。実は増尾さんのご実家は、魚屋さん。それに伴い居酒屋も経営されていたということもあり、飲食の業界に興味があったようです。
そしてスポーツマンだからなのでしょうか...飲食業界での週6のハード勤務スタイルもなんのその。休みなんていらないと思っていた、と思うくらい、ハードな働き方をされていたようです。
そんなハードな働き方も、家庭を持つと考えも変わり今では恵庭市で少し時間にゆとりを持った生活ができているご様子です。
それは通勤時間にも顕著に表れており、これまで電車で片道1時間通勤時間に費やしていたのが、家を出てから仕事場に着くまで車で10分に変わりました。
また、実家が魚屋さんということもあり、川崎に住んでいた時はスーパーで魚を買う気にはなれなかったそうですが、北海道では違います。
「北海道では、スーパーに並ぶ魚も美味しくてびっくりです。特に恵庭市にある『うおはん』というスーパーにある魚は絶品です」と話します。
こうした恵庭市に移住してからのエピソードを聞くと、「生活の質」がぐんと上がったのが分かります。
忙しなく過ごしていた日々に、ゆとりが持てたことで、家族3人で過ごす時間もまた、ゆとりある濃い日々となっていきそうですね。適度に都会、適度に田舎なこの恵庭市は、増尾さんたちが求める暮らし方にぴったりだったのかもしれません。
増尾さんの力強い背中が、恵庭のまちに溶け込んでいきました
- 増尾和久さん