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恵庭市

旅をして磨かれた感性。まちも自分もデザインする20180125

この記事は2018年1月25日に公開した情報です。

旅をして磨かれた感性。まちも自分もデザインする

窮屈だと感じていた学生時代

「中学生の頃から、集団に調和してうまく生きようという気持ちと自分らしさを求めることでいつも葛藤し、モヤモヤをもっていました」と語るのは、北海道恵庭市に事務所を構える有限会社谷川企画クリアデザインの代表、谷川誠さん。新千歳空港からも、札幌からも近い好立地の場所に事務所があります。


クリアデザインという会社は、その名の通りデザインに重点をおいた会社で、名刺やリーフ、ポスターなどのデザイン制作を行っています。代表の谷川さんは素直に思ったこと、感じたことをお話してくれる方。聞いているとなんだかわくわくしてしまう、そんな素敵な時間でした。

生まれも育ちも恵庭市という谷川さんは学生時代にあるモヤモヤを抱えていたそうで・・・。
「勉強が好きではなかったので、受験で勝ち抜きレールに乗って、順調に人生を送ることはできないだろうという予感をもっていました」

そこで、思い切って谷川さんは小さい頃から憧れていたヨーロッパ一人旅を決行。

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デザインに興味があったこともあり、その地の美しい建造物などをこの目で見てみたいという思いがあったと言います。外国語は全く話せなかったといいますが、そんなことは気にせず飛び出して行く姿が谷川さんらしいのかもしれません。

「ヨーロッパのまちを見てヨーロッパの建物や芸術や文化にとても感動しました。旅行をしていく中で、日本の良さや悪さもわかった気がして・・・自分がどのように生きていくか整理できたのだと思います」と笑う谷川さん。

世界を見て、その後北海道恵庭市に住み、会社を設立。この地に身を置くと決めた理由はどうしてなのでしょう。

「うーん、やっぱり北海道が好きだなって思っちゃったんですよね。特に生まれ育った恵庭がやっぱり好きだなって。昔は何もない北海道が退屈でした。でも、一度世界を見て気付いたんです。何もないのは自分で、この北海道には贅沢な自然の生活があるのだと気がついたんです。魚を釣ったり、海でのシュノーケル、山で山葡萄や野いちごを採って食べたりと毎日アウトドアが近くにある事を忘れていたんです。贅沢な自然いっぱいの北海道っていいじゃん!恵庭っていいじゃんって」。

こうして旅を終え、スッキリとした心持ちの谷川さんは、お父様がもともと塾を開いていた場所に会社を設立しました。2階建てのその事務所は、今も尚2階で塾が開講中なんだとか。

会社をつくった今でも、『旅』は谷川さんの中で大きな存在。旅をして、色々な国や場所を見て、触れてみる。その経験が、アイディアやデザインを生むきっかけになるのだと言います。

人との繋がりのおかげでチャンス到来

cleardesign17.jpg政治家、長妻昭さんとのお写真。本当に人との繋がりに驚きです。真ん中が谷川さん


事務所を立ち上げて2017年で8年目。いざ自分で立ち上げ、経営していくとなると大変なこともたくさんあったのでは?と尋ねると、谷川さんはう〜んと少し考えました。

「・・・正直、人との繋がりがあったおかげでチャンスが多かった気がします。だから結構トントン拍子で今日まで来ました。もちろん、チャンスがいつ来てもいいような体制は整えていたつもりです。例えば、パソコンは良いものを用意したり、当たり前のことですが1つ1つ丁寧にこなしていこうとか・・・」。

そして、「口コミ」で広がっていった仕事の幅。当初は恵庭のお客様だけだったのが、今では札幌はもちろん、東京、埼玉と道外にまで広がっているそうです。

「あと、父が昔から塾を経営していたこともあり、かつてうちの塾に通っていた卒業生たちが企業に就職し、その後仕事を持ってきてくれるようになって・・・」本当に人に恵まれましたとニコリ。

北海道とメンバーを盛り上げていきたい。毎日勉強とチャレンジ!

最初にもお話したように、谷川さんが立ち上げたこの会社は、デザイン会社。しかし、今はデザインの幅を超えてイベントの企画・運営・実施・・・時にはイベント当日の司会も行うことがあるそうです。


また、恵庭市役所を始め、千歳市役所や江別市役所といった行政とも仕事をスタート。2017年9月30日には、恵庭市役所と共に「移住者交流会」というイベントを企画・運営しました。

cleardesign8.JPG2017年9月に行われた恵庭市移住者交流会の時の写真

他にも、千歳市とはインスタグラムというSNSを使った企画を提案・実行。その名も「#千歳スイーツ2017」。

今流行りのインスタグラムのハッシュタグを利用したものです。千歳のおいしいスイーツを食べて、インスタグラムに投稿し、抽選で千歳産の美味しいスイーツセットをプレゼントというこの企画は、千歳のスイーツを食べに足を運ぶ人が増えるような施策の1つ。プレゼントは、北海道のお菓子メーカーLeTAO(ルタオ)やもりもとなどの景品も含まれ、道内だけでなく道外の方も旅行がてら参加できる素敵なイベントになったようです。

cleardesign6.jpg市内の洋菓子店内にもポスターを貼ってもらい宣伝。たくさんの投稿がありました。

「デザインが継続して人の心を引くのは、やはり『よいモノ、よいコト』があって、その『よい』を伝える事だとわかりました。今後は、モノづくり、コトづくりにも挑戦していきたいと思っています」と。さらに言葉を続けます。

「クリアデザインは若い会社なので基本的にはなんでもやるっ!の精神です(笑)やったことのないこともやってみてビジネスの幅を広げていくんです」。

cleardesign9.jpgクリアデザインがデザインしたもの

自分、メンバー、北海道、出会った人を元気にしたい。

クリアデザインは現在8名のスタッフで運営していますが、今後はもっと人数を増やしたいと話します。


cleardesign2.jpg少人数だからこそ、スタッフ間の距離が近く、心からの笑顔で社内は溢れていました。

様々なことをやってみたいという挑戦心に溢れているこのクリアデザインという会社は、これからは道外進出も視野に入れているとのこと。

「仕事を通じて一緒に仕事をした埼玉の会社が、こっちにも事務所出しなよって応援してくれるんです。もし埼玉に事務所を構えることが出来たら、関東に恵庭市をはじめとする北海道の物品を届ける仕事がしたいなんて考えています」。

自分、メンバー、北海道のために、「北海道の魅力を発信していきたい」という気持ちが谷川さんの中に強くあるご様子。

谷川さんは本当に仕事がお好きなんですね、と尋ねると「うーん」と少し宙を見てから「きっとそうなんですね」と言うと続けて「ちなみに過去に2回辞めたいと思ったことがありますよ」と正直に笑います。

「でも色々考えた結果、私にはこれしかないんですよね」。

恵庭で子育て、新たな挑戦

谷川さんは、2016年に出産し現在1児の母に。実際に自分が育った地で、今度は自分自身で子育てをする、それはどういう想いなのでしょうか。


「恵庭は子育てしやすいまちだと思いますよ」と即答の谷川さん。
「道路は広いし、道も綺麗に整備されている。公園も多く遊ぶところがたくさんあります。待機児童もいないですしね。これからも、良い意味で『このままの』恵庭でいて欲しいな〜って思います。都会都会したまちではなく、このままでいいんです、恵庭は(笑)」。

確かに、事務所の目の前の道路は花が綺麗に並んだまさに「花ロード」が広がり整備されていました。高い建物も決められた場所にしかないため、空が非常に広く感じます。

ゴミの分別もしっかりとやっているため、カラスも少ないのだとか。「このままの、綺麗な恵庭でずっといて欲しいな〜」と話す谷川さんからは恵庭への愛が伝わってくるようでした。

デザイナーを目指す皆さんへ

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デザイナーという職業に憧れを頂く学生さんも多いはず。しかし、「デザイナーって一体どうやったらなれるのだろう」「どうやって日々センスを磨いていくんだろう」と思いますよね。谷川さんは少し考えてからこう話してくださいました。

「新しいアイディアや感性を磨くためには、自分自身が思い切り遊ぶことが必要だと思うんです。色んな場所に行って、自分自身が遊んで、食べて、そこにあるものを見て、感じて・・・そうやって磨かれていくものもあるし、新たな発見もたくさんあります。技術は後からついてくるって私は思いますよ。」

そういったデザイナーを夢見る学生を応援したいとインターンシップ生の受け入れなども始めたそう。

「今後は道外含め、デザイナー経験者の採用をもっと増やし、その分、どんどん若手を育てていく場にしていきたいと思います」と語ってくれました。「異業種からのデザイン会社に飛び込んできた社員だっていますからね」。

子育て中の谷川さんを筆頭に、どんどん急成長中のクリアデザイン。立ち上げから、トントン拍子だったこの会社は、これからも新しいことに挑戦し、実績を創り上げ、新しいデザイン会社として躍進していくことでしょう。

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有限会社谷川企画CLEARdeSIGN(クリアデザイン)
住所

北海道恵庭市恵み野西1丁目25-6

電話

0123-25-3831

URL

http://clear-design.jp

◎営業時間/9:00〜18:00(土日祝除く)


旅をして磨かれた感性。まちも自分もデザインする

この記事は2017年9月4日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。