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壮瞥町

壮瞥高校で働く二人の女性教員のお話。20171218

この記事は2017年12月18日に公開した情報です。

壮瞥高校で働く二人の女性教員のお話。

特色のある教育スタイルも評判の農業高校。

北海道壮瞥高等学校(以下、壮瞥高校)は、一学年1クラスの小さな農業高校。都会の学校に比べて生徒の数は多くないものの、少人数が密にコミュニケーションをとっているからこそ一人ひとりの絆が深いところも特徴です。また、壮瞥高校は「地域産業を担う人材を育成」の合い言葉をもとに、野菜や果樹の栽培から加工、販売までを身につけられる授業を展開したり、洞爺湖や有珠山といった地域性を取り入れた「ジオパーク学習」を行ったり、特色のある教育スタイルもじわじわと評判を呼んでいます。この学校で教員として働き、そしてこのまちに暮らす鳴海綾乃さん(写真左)、大杉佳奈さん(写真右)にお話を聞きました。

学生時代は壮瞥でボランティアをしていたという数奇な縁。

−そもそも農業に興味を持ったきっかけは?

鳴海さん「私の出身は北斗市。地元は農業が盛んですが、資格がたくさん取れるという理由から大野農業高校に進みました...夢がなくてゴメンナサイ(笑)」

soubetsu_hs_sensei_2.jpg教室でお話を聞かせてくれた鳴海さん。

大杉さん「鳴海さんと同じように私も農業高校の出身。地元は静岡なんですが、高校3年生の夏に人生の分岐点を迎えました。北海道の酪農学園大学の元教授が主催している高校生・大学生向けの農業体験『サマーアグリキャンプ』に参加して、10日間を壮瞥町で過ごしたんです。トマトや花を育てたほか、一直線に伸びる道路とか夏なのに涼しい気候とか、自分にとって北海道の暮らしはとにかく衝撃的。で、このボランティアスタッフをやりたいと思い、北海道の酪農学園大学に進学しました」

soubetsu_hs_sensei_3.jpg柔らかな笑顔が印象的な大杉さん。

鳴海さん「実は大杉さんとは大学の同期。食と健康学類という学科も一緒で、2年間は寮も同じでした。しかも、彼女から『サマーアグリキャンプ』のボランティアスタッフに誘われて、私たちは毎年夏になると壮瞥町で過ごしていたんです」

大杉さん「大学卒業時に農業科の教員免許を取って、さてどこに赴任するのかな...と思っていたら、まさかの壮瞥高校(笑)。どれだけこのまちに縁があるんだろうって」

−まさか鳴海先生も壮瞥高校に赴任したの?

鳴海さん「いえいえ、新任は美幌高校だったんですが、そう時間が経たないうちに壮瞥高校に異動することが決まって。また大杉さんと一緒か...という不思議な縁を感じました」

農業実習やバイト先に顔を出して生徒の成長を実感。

−お二人が教えているのはどんな教科?

鳴海さん「草花という花卉(かき)栽培の授業が主な担当です。生徒たちには自分が一生懸命育てたマリーゴールドやサルビア、ラベンダーなどを校内の『朝市』で売る経験も積ませています」

大杉さん「私は4年ほど前から始まった食品製造の授業。カリキュラムに添って、地元の小麦『ゆめちから』を使った食パンをメインに、トマトジュースやりんごジュースの加工方法などを教えています。この授業とは別に課題解決学習の『専攻班活動』では、生徒たちの好きなものを好きなようにつくらせているんですよね(笑)」

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−指導ではどんなことを心がけている?

大杉さん「必要最低限の礼儀やあいさつができるというのは大前提。それに加えて、少しくらいミスしても、きちんと謝って許してもらえるような愛嬌のある人を育てたいと思っています」

鳴海さん「自分が農業高校の出身だから肌感覚で分かるのですが、堅苦しくないほうが生徒たちが相談しやすいはずです。ほかの教員も同じですが、フレンドリーに接しながらも、引き締めるところは引き締めるのが本校のスタイル。農業に限らずとも社会の中で積極的にアクションを起こそうとする人を育てたいので、『次は何をやるの?』と自主性を促すようにしています」

大杉さん「だけど、生徒のことが心配でもありますから、農業現場の実習がある時は手が空いていたら見に行くようにしています。地元の農家さんにもあいさつをしながら、地域連携のために関係性を深めるのも仕事のうちです」

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鳴海さん「分かります。農家さんのところでバイトをしている子もいるんですが、コッソリと様子をうかがってしまいますね(笑)。キチンと働いていたら成長したな〜と実感が持てるんです」

「壮瞥高校に通って良かった」の言葉がやりがいに。

−お二人は壮瞥町に住んでいるんですよね?お休みはどんなことを?

鳴海さん「そうですね。壮瞥町はとにかく自然が豊かで、少しクルマを走らせるともう洞爺湖。春には梅の花がキレイな公園でボーッと過ごすのもお気に入りです」

soubetsu_hs_sensei_6.jpg翌日の授業のカリキュラムをチェックする鳴海さん。

大杉さん「確かに空気が澄んでいて都会よりも暮らしやすいと感じます。クルマで30分くらいの距離ともなると夜は光がまったくない環境なので、満天の星が本当に美しく見えるんですよ」

鳴海さん「私は草花の授業を受け持っているので、休日は気が向いたら道の駅に出かけて、マーガレットの価格を調べながら、校内のアンテナショップではいくらで売ろうかと考えたりもします(笑)」

大杉さん「ついつい仕事のことに思いを巡らせちゃいますよね。私も趣味がお菓子づくりや料理だから、次の食品製造の授業で何をつくろうかと妄想しながらキッチンに立ってしまうんです」

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−仕事熱心なんですね。

鳴海さん「生徒たちが進路を決めて、壮瞥高校に通って良かったと思ってくれるとやっぱりうれしいですから。それに、不登校をはじめ、困りごとを抱えていた子も少なくないので、今までの学校生活で一番楽しかったから卒業まで頑張れたなんて聞くと、教員の道を選んだのは間違いじゃなかったって思えます」

大杉さん「ついこの前も卒業生が遊びに来て、『結婚して子どもが生まれた』と報告してくれたんです。ウチの生徒だったころは元気すぎるくらい元気に走り回っていたな...そんなことを思い出すと精神的な成長も感じ、シミジミした気持ちで胸が一杯になりました!」

北海道壮瞥高等学校
北海道壮瞥高等学校
住所

北海道有珠郡壮瞥町字滝之町235-13

電話

0142-66-2456

URL

http://www.sobetsu.jp/soukou/


壮瞥高校で働く二人の女性教員のお話。

この記事は2017年11月30日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。