赤平へ移住してきたキッカケは、「山菜採り放題...だけじゃないです(笑)」
地域おこし協力隊として、平成28年度に赤平市に移住してきた近藤英樹さん。地域おこし協力隊の募集は全国でたくさんありますが、北海道、赤平市を選んだ理由をうかがいました。
「実は赤平に2歳くらいまで住んでいた・・・ということが始まりです。ただ、物心がつく頃には、家族みんなで関東に移住。こちらにやってくるまでは、向こうでWebデザイナーとしての仕事や、IT関連のフリーの講師として生活していましたので、そのころはまさかこの地にやってくることになるとは考えてもいませんでした。ある時、まだ赤平に住む親戚の家に訪れたときに感じた、おぼろげにある幼少のころの懐かしさや、自然環境の良さ...特に、山菜を採りに行き放題の環境(笑)に完全に心躍ってしまいました。だって、関東の都心に住んでたらキノコなんて近くに生えてないんですよ!」・・・意外なお話でした。さらには、「ものづくりが好きなんですけど、流木とか、木のツル、松ぼっくりにクルミ、そんな自然素材も拾い放題なんですよ!赤平のクルミの良さなんてですね・・・・○△×」・・・お話が止まりません(笑)。
第一印象は寡黙な方なのかなと思える風貌から発せられる言葉は、想像より赤平の生活をとても楽しんでいるように聞こえます。「もちろん、そんな環境もありますが、商店街を活性化させていくという仕事ももちろん興味があって参加させていただきました」。─そうです、本来のお仕事は、赤平の商店街振興に携わるのが近藤さんのお仕事。現在、地域おこし協力隊の大倉さんとお二人で、商店街の再生・活性化に繋がる活動を日々続けていらっしゃいます。
商店街の復活に向けて
一緒に活動している大倉加奈さん(右)と、後ろに並ぶのはレンタルボックス
「今は、先に地域おこし協力隊として活動を始めていた大倉さんの業務を理解しながら、次に向けたアクションを考えているところです。まずは『あかびら商店街通信』の企画から取材、制作など、これまでに続けてきたことを行っていますが、赤平を含めた近郊市町村へのチラシを使った展開は一定のところまできているのではないか、さらにもっと多くの方に知ってもらい、人が集まってくる仕掛けをつくっていけないかと考えて、今もFacebookなどのSNSも取り入れていますが、さらにWebの世界でのアプローチを強化していきたいと考えています。個人的には動画コンテンツを取り入れた実験もやれたらいいなぁと思っています」。
そんなお話を聞いているときに目に入るのが、素敵に並べられた木のボックス。そのボックスには、雑貨を中心としたハンドメイドの商品がならんでいます。「これは、僕らが商店街に活動拠点として開かせていただいている『あかびらチャレンジショップ Kana-Yell』に、店舗としての機能も持たせ、人が集うキッカケになれば...と始めた事業です。また、赤平やその他の地域でも、頑張っている作り手さんがたくさんいらっしゃるので、そういった方の販売代行の場として運用しています。まだ、ボックスには空きもありますし、いろんなみなさんに活用してもらい、さらにはそれを見に商店街に足を運ぶ方がもっと増えたら・・・と考えていますので、もっともっと知られるようになったらいいなと思っています」。
人が集うこと、集うキッカケを仕掛けていく
そもそも、お二人が常駐するここの内装は、お二人の手でほとんどをやられたそう。その時も、「自分たちで壁を直すなら、この機械もっていけや〜、貸してやるよ〜」と声をかけてくれる地元の方からの支援があるなど、まちの温かさも感じたそうです。
また、商店街を活性化させるのに、商店街に事務所がないのはおかしい!ということで、市役所を飛び出し、もともと空き店舗の再生から始めたことで、商店街のみなさんからの注目も高かったようです。そして、Kana-Yellには、たくさんの手作り風のものがいっぱい。「このクリスマスのリースは手作りなんですよ!あ、このしめ縄も講師の方をお呼びして、ここでワークショップを開いて、みなさんと一緒につくったものです」と近藤さん。「他にも、草履づくり、モールアート体験、缶バッジの制作とか、いろんな作品をここでつくるイベントを行っています。そうすることで、商店街に構えたKana-Yellに人が集まるキッカケをつくりだし、その流れで商店街に足を運んで利用してもらうお客さんが増えることにつながると思っているんです。本当はもっとたくさん実施したいですし、違う種類のイベントももっとやりたいのですが、なかなかそれに費やせる時間が少ないのが今の課題ですね」
近藤さんのこれからと期待
「今、赤平市役所からは、地域おこし協力隊の募集を行うと聞いています。もし、私たちと一緒に活動することになるとするならば、まずは興味を持っていろんな方のお話に耳を傾けられる方がいいですね。どんな仕事でもそうなのかもしれませんが、やっぱりお互いを知って、話せる関係づくりが基本だと思います。そしてアクティブに活動していけば、きっと認めてもらえる日がきますから、最初は地道にそんな取り組みができるような方と活動できたら嬉しいですね。
そしてやっぱり僕らのメインとする商店街の活性化。これからは市外からの導線をいかにつくっていけるのかがポイントだと思っています。いろんなことにチャレンジしていける風土ですので、面白いこと、新しいことを仕掛けていけたらいいな、そして大倉さんに続き、僕もいつかは卒業の日が来る。その時に、定住していけるような自分磨きもし続けていきたいなと思っています」。
そうそう、近藤さんから聞いた面白いお話として、「山菜ネタトーク」はまちの方とのコミュニケーションをとるのに最適だそうです(笑)。とはいえ、「山菜好き」じゃなくても、多くの方が輝いていけるまちですので、安心して欲しいそうですよ。
- あかびらチャレンジショップ「KANA-YELL(かなえーる)」
- 住所
北海道赤平市大町1丁目3番地10
- 電話
0125-74-6333
- URL
営業時間:10:00~12:00/13:00~18:00
定休日:水曜日(その他臨時休業有り)