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冬の北海道を体験し選んだ移住。そして始めたママ・マーレ。20161005

この記事は2016年10月5日に公開した情報です。

冬の北海道を体験し選んだ移住。そして始めたママ・マーレ。

モデルとして来日 今の肩書は「ほんもの料理研究家」

横山アディナさん(写真右)は、東ヨーロッパのルーマニア出身。1973年に生まれ、幼いころから祖母のアンナさんと触れ合いながら、自然を愛する気持ちを育みました。一緒に四季折々の草花を楽しんだり、旬の野菜をたっぷり使った料理を作ってもらったり。ハーブティー、ピクルス、野菜スープ、ジャムなど、素材本来の味を引き出した美味しい手づくりの食が常に身近にある暮らしでした。
13歳のとき、祖母が他界。数年後、モデルとして活動を始めたアディナさんは、1994年に仕事で来日しました。当時の悩みは、ニキビと肌荒れ。様々なスキンケア商品を試しましたが、効果を得られないまま忙しい日々を送っていました。また、食事に気を配る時間も、考えもありませんでした。
その後、アディナさんは移住して、食生活とライフスタイルを大きくチェンジ。現在は、東川町を拠点に広く食の大切さを発信しています。

冬の北海道を体験して選んだ東川町での暮らし

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アディナさん家族が東川町に移住したのは、9年前。まず、旭川の移住生活体験住宅を申込み、一番寒い2月に米飯地区で2週間暮らしました。寒さは気にならず、子どもたちが伸び伸びと過ごせると感じたため、すぐに物件探しを開始。複数の行政の移住担当者と会う機会を経て、東川町から紹介されたのが、1935年に建てられた住宅でした。修繕が必要でしたが、「山と川が近くて畑仕事もできる」という希望の環境にぴったりだったため、即決し、まもなく住み始めました。
 「インターネットが使えるようになったのは、ここ5年です。でも、都会暮らしではなく、静かな生活を選んだ結果ですからね」とダイキさん。冬は雪に覆われますが、近所の人が厚意で敷地内まで除雪してくれるので、お礼に料理を届けています。登校には家の前まで来る町営バスを利用し、3人の子どもは19歳、17歳、10歳と成長しました。
 移住者が少しずつ増えている東川町。夫のダイキさんは、新たに移住してきた人たちとの交流を大切にし、暮らしのアドバイスなども行っています。また、東川町は全町民が大雪山連峰からの伏流水を生活水として使用し、上水道料金が無料。「水が美味しいから、美味しい料理を作れる」と、飲食店を営むためにわざわざ移住を決める人も少なくありません。ほかでもない東川町から「食」を発信しているアディナさん。手掛ける料理には、自然の恵み、大雪山の清らかな水が含まれています。

東川町への移住を機に料理の研究をスタート

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アディナさんはモデル時代、東京都内で輸入品販売会社を経営していたダイキさん(山口県出身)と結婚。関東地区に居を構えましたが、肌トラブルが続いていたうえ、ダイキさんはアレルギー、長男は喘息と、家族の健康状態は良くありませんでした。もともと子どもの遊び場の少なさなど、住環境を気に入っていなかったこともあり、夫妻は北海道への移住を決意。アディナさんは「北海道を選んだのは、私が生まれ育ったルーマニアのブカレストと緯度がほぼ同じだからです。やっぱり、湿度の多い土地での暮らしは、慣れませんでしたね」と話します。
アディナさんは、自分が子どもの頃、ルーマニアではインスタント食品や化学調味料が使われておらず、アトピーなどもなかったことから食事と健康との関係に注目。世界各地から資料を取り寄せて独学で「食」を学び、薬ではなく、食べ物で健康を取り戻すことを目指しました。集めた資料の中には祖母のレシピもあり、ルーマニアの伝統保存食、発酵キャベツや野菜スープなどを食卓に並べるように。「そのうち、少しずつ私も家族も症状が治まっていきました。体に取り入れる食べ物の大切さを深く実感しましたね」。

食生活の大切さをたくさんの人に伝えたい

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人工調味料などを一切使わず、スープベースや煮込料理の出汁もすべて自然界にある食材から取り出す、アディナさんの料理。家族のために作り続けていましたが、5年ほど前、町から文化交流の一環で料理教室の依頼を受けたのをきっかけに、食に関わる活動を始めました。口コミなどで広がり、現在は主に東川、帯広、札幌で料理教室を開いているほか、講演会やセミナーも開催。昨年11月には、素材にこだわった食品やモノを紹介・販売するイベントを旭川市内で開催し、多くの来場者を集めました。
「移住して、森を散歩しながら色んなことを考える中で気持ちがナチュラルになったことが、今につながっていると思います。人と競争するより、コラボをして、良いものをたくさんの人に伝えたいという思いが強いです」とアディナさん。HPでは
「できれば自分で作ってもらいたいから」と料理のレシピを惜しみなく公開するとともに、忙しくて作れない人ために通販も行っています。サイト名「ママ・マーレ」とは、ルーマニア語で「おばあちゃん」の意味。そこには、長い都会生活で忘れかけていた、アディナさんの食の原点があります。

ほんもの料理研究家アディナのホームメイド通販カフェ ママ・マーレ
住所

北海道上川郡東川町東4号北31

電話

0166-82-5348

URL

http://adina-style.com

<facebookもご覧ください>

https://www.facebook.com/AdinaMamaMare/


冬の北海道を体験し選んだ移住。そして始めたママ・マーレ。

この記事は2016年1月25日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。