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安平町

誰もが知る超有名食品の調味料やエキスを製造!東海物産(株)20230119

誰もが知る超有名食品の調味料やエキスを製造!東海物産(株)

ラーメン、カレー、鍋料理、菓子など、日々、私たちが口にする食品の中には、〇〇エキスや〇〇調味料といったものが数多く含まれています。野菜や魚介、肉などから抽出したそれらの調味料は、私たちに「おいしい!」という感動や喜びを与えてくれます。これらの「おいしい」の素が安平町で製造されているのを知っていましたか?

同町の臨空工業団地内には、業務用調味料・健康機能性食品原料の製造と販売を行っている東海物産株式会社の北海道工場があります。今回はその工場を訪問し、スタッフの方たちに仕事のことややりがいなどを伺いました。

辺り一面に漂う「おいしそう」な香り

tokaibussan_12122.jpg写真左から前工場長・現生産技術研究所 木村さん、製造部 佐々木さん、工場長代行 姉帯さん

駐車場で車を降りた途端、ブイヨン系のスープの香りが鼻をくすぐります。思わず、「はぁ、おいしそう」とうっとりしたため息が出てしまいます。白衣や白の作業着姿で出迎えてくれたのは、北海道工場の木村豊さん(前工場長、生産技術研究所)、姉帯正浩さん(工場長代行)、佐々木涼さん(製造部)の3人。

中へ案内してもらう際、作業着の背中に平仮名で大きく苗字が書かれていることに気付きました。なんだかかわいらしく見えますが、「工場内にいると、頭からつま先まですっぽり同じ作業着姿なので、後ろから見ると誰が誰だか分かりませんし、これは安全のためでもあるんですよ」と姉帯さん。なるほど!と納得です。

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東海物産は昭和29年に創業。本社は東京で、静岡と北海道に工場を有しています。調味料の開発や製造技術のほか、人生100年時代に応じた健康機能性調味料の開発も行っています。イミダゾールジペプチド、ケルセチン、フコイダンなど、扱っている健康機能性素材の名称は、健康食品や健康に関心がある人であれば耳にしたことがあるものばかりです。

「北海道に工場ができたのは平成3年、1991年です」と前工場長の木村さん。製品の研究開発や品質管理などに携わった後、工場長を務めてきましたが、バトンを次へ渡し、現在は採用関係を担当しています。室蘭出身の木村さんは、この工場の立ち上げ時からの社員。「別の会社で働いたあと、バックパッカーで海外を回って、帰国してから大学の先生のところへ行ったら、ちょうどここの工場が新しくできると教えてもらい入社しました」と振り返ります。

tokaibussan_Book1_4_2.jpg豊かな自然環境の中に建つ、北海道工場

北海道に工場を建てた理由の一つに、農産物や魚介の資源に恵まれていることがあったそうですが、安平を選んだのは、「誘致もあったようですが、水がキレイで豊富であること、交通アクセスも良くて立地が良かったことが決め手になったと聞いています」と姉帯さん。

早い段階から取り組んでいる安心安全な製品作り

多くのエキスや調味料を製造している北海道工場。製品開発もここで行っており、「いろいろなテーマを担当させてもらいました」と木村さん。手がけたものを聞くと、「それ知っています!」「それ食べています!」という有名な食品の中に使われているエキスや調味料ばかりです。

今でこそ、野菜から抽出した野菜エキスは当たり前に使われていますが、木村さんは「1996年頃から野菜エキスの製造を始めましたが、最初は認知されずに苦労しましたね。でも、青汁ブームがきたときにキャベツの粉末をうちで作っていたのをきっかけに、次々とほかの野菜エキスやその粉末が認知されるようになり、野菜エキスが大ヒットしました」と話します。

tokaibussan_1B2A5217_3.JPGこの日は「にんじん」でしたが、加工する素材は、日によってさまざま

北海道をはじめとする契約農家さんの野菜を用いており、「トレーサビリティー」という言葉が世の中に出る前から、原材料の出どころや製造に関する履歴をしっかり残していたことも、安全性への信頼や安心感につながっていったようです。

工場では100品近くの製品を日々製造

現在、工場長代行として実際に工場全体を見ている姉帯さんは、2002年に入社。転職組で、前職では医薬品の原料を作る会社にいたそうです。「転職する際に、工場を見学させてもらって面白そう!と思ったんですよね」と姉帯さん。オートメーション化されている工場が多い中、スタッフが動きまわって作業している様子を見て、「ものづくりがもともと好きなので、毎日同じものを作っているわけでもなく、ちょっと複雑そうな工程があるなど、製造にがっちりと関われるのがいいなと思いました」と話します。工場では現在も100品目近くの原料やエキスなどを製造しているそうです。

tokaibussan_Book1_3_2.jpgあちらこちらで湯気がたち、工場全体が大きな厨房のよう。わくわくします!

今から10年ほど前、粉末の製品を製造するための工場を敷地内に増設。その際、設計の段階から関わったという姉帯さんは、「大変なことも多かったですが、滅多にない機会に携われたのはうれしかった」と話します。

製造の現場が好きだという姉帯さん、管理職として「無事に元気よく、みんなが仕事をできるように環境を整えていくのが自分の役割」と話します。ボタンひとつですべてが動く決まったラインがあるわけではなく、毎日異なるものを製造しているため、人の動きの調整、タイムスケジュール、原材料の管理など、すべてに目配せしなければなりません。「毎日単調ではなく、動きや変化があるから楽しく仕事ができるのだと思います」と続けます。

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製造したものが食卓に並ぶことが喜びに繋がる

製造部で仕事をしている佐々木涼さんも、姉帯さんと同じく工場を見て「面白そう!」と思って就職を決めた一人。大学時代、海洋生物の勉強に熱中していた佐々木さんは「魚の世話ばかりしていて、就職活動をしていなかったんです」と笑います。大学のキャリア支援課から促されたこともあり、とりあえず就職試験を受けてみようと受けたのが同社。

「工場を見学させてもらった際、ちょうど大量の豚足(!)をキャリーで運び、エキスを抽出していたんです。それを見たときに面白そう!と思いました」と振り返ります。さらに、「工場で作っているものがどのように使われているか説明を受けた際、自分がいつも食べているカップ麺やお菓子などに入っているエキスや調味料をここで作っていると分かり、これはスゴイと思いました」と続けます。

tokaibussan_1B2A5383.JPG型にはまらない製造工程だからこそ、社員同士のコミュニケーションが盛んです

2011年に入社してから、10年以上経ち、「最初のころは毎日違うにおいにワクワクしていました」と佐々木さん。今は、自分の手掛けたものが使用されている商品をスーパーなどで見かけ、たくさんの人の食卓を豊かにしていると思ったとき、「この仕事をしていて良かった」と感じるそうです。商品の食品表示に会社名は入っていませんが、誰もが知っている大手食品メーカーのヒット商品などにもたくさん同社のエキスや調味料が用いられています。自分たちが製造したものがその中に入っているというのは、「仕事をする上での誇りにも繋がっている」と、木村さんも姉帯さんも話します。

tokaibussan_1B2A5343.jpg食欲をそそるこのいい香りとうまみが、やがて全国の食卓へ

小回りが効くこと&チームワークの良さが強み

「うちの強みは、『こういうのを作ってほしい』というお客さんのオーダーに対して細かく対応できるところですね」と木村さん。同じ原材料を使ったエキスや調味料であっても、メーカーによって微調整が必要になるケースもあります。姉帯さんも「決して大きな工場ではありませんが、臨機応変に対応できるのもうちの良さです」と話します。

最近は健康機能性素材を用いたものの需要が伸びています。中でも、鶏や鮭から作ったイミダゾールジペプチド(アンセリン・カルノシン)は、抗酸化、抗疲労、認知症予防などさまざまな効果があるといわれています。同工場で作った素材は、健康食品メーカーなどの健康飲料やサプリなどに用いられています。自社でも「アンカーFA」という健康ドリンクと「アンカーカプセル」を製造販売しているそうです。

tokaibussan_1B2A5262.jpg年齢・性別に関係なく、みんな仲良し!

パートさんも含めると50人近いスタッフが働いている北海道工場。女性スタッフも数多く活躍しています。年齢層のバランスもちょうど良く、コミュニケーションもばっちりだそう。コロナ前はスタッフ同士で遊びに出かけたりもしていたとか。「毎日製造するものが違うと機械のスケジュール調整なども必要になるため、滞りなく仕事を進めるためにも日々のコミュニケーションをみんな大事にしています」と姉帯さん。佐々木さんも「みんな穏やかで仲がいいんですよ」とニッコリ。実際に工場内も見学させてもらい、食欲をそそられる香りが漂う中、皆さんのチームワークの良さもしっかり見せてもらいました。

東海物産株式会社 北海道工場
東海物産株式会社 北海道工場
住所

北海道勇払郡安平町早来富岡254-6

電話

0145-22-3452

URL

https://www.tokaibsn.co.jp/


誰もが知る超有名食品の調味料やエキスを製造!東海物産(株)

この記事は2022年11月24日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。