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美幌町

美幌から海外を見つめる。株式会社美幌牛肥育センター。20190814

美幌から海外を見つめる。株式会社美幌牛肥育センター。

北海道の東部、オホーツク海から約30kmの内陸部に位置する美幌町。清らかな水と肥沃な土地が広がり、自然の恵みを生かした畑作と酪農が盛んです。このまちで、ただ一軒の肉牛畜産農家が「株式会社美幌牛肥育センター」。隣接する系列牧場「株式会社美幌ファーム」とともにブランド牛「びほろ牛」を育てています。代表取締役の菅原裕次さんに、おいしさづくりの秘密やビジネスの行方、地元への思いなどをたっぷりうかがいました。

祖父と父が築いた土台を、兄弟で受け継いで。

「株式会社美幌牛肥育センター」は美幌のマチナカからクルマで約10分。なだらかな丘陵地帯を走っていくと、いくつもの牛舎が見えてきました。取材チームを「ようこそ!」と飛び切りの笑顔で迎えてくれた菅原さん。失礼ながら即座に「いい人」と思わせるようなやさしい人柄がにじんでいます。

「祖父の代で家畜商(家畜の売買・交換・あっ旋など)を始めたのが、ウチのスタートライン。子どものころは祖父の仕事姿をよく見ていて、カッコいいなぁとあこがれを抱きましたし、食卓で『アノ牛が高く売れた』と聞くと幼いながらに胸が高鳴りました」

bihoro-gyu_2.jpg笑顔が素敵な菅原さん。けれど、写真はちょっと苦手です(笑)。

菅原さんのお父さんに代替わりすると、家畜商だけではいずれ経営が頭打ちになることを見越して素牛(生後6〜12カ月の子牛)を育てるようになったとか。平成10年には子牛の飼育や生産を行う美幌ファームを立ち上げました。

「祖父も商魂たくましい人柄でしたし、父も商売っ気が強いタイプ(笑)。素牛の業務から肥育(牛を出荷できる状態まで育てる)までを一貫できれば、さらにビジネスチャンスが広がるだろうと平成20年に肥育を手がける当社を設立しました」

現在、美幌ファームは菅原さんのお兄さん、美幌牛肥育センターは菅原さんが受け継いでいます。祖父と父が築いた肉牛畜産農家の土台をさらに発展させようと奮闘中です。

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世界を相手にビジネスを広げ、畜産農家に明るい未来を!

同社が手がけるブランド牛「びほろ牛」は肉質や味わい、色味といった評価が高く、取引先もスターゼンやマルハニチロ、伊藤ハムなど大手が中心。一体、どのようにおいしさをつくり上げているのでしょう。

「美幌はトウモロコシや麦がよく育つ土地。それらを牛のエサや寝床の麦わらに使い、堆肥を畑に戻すという循環型農業を行っています。さらに、近隣にはビール粕やリンゴ粕、酒粕といった副産物を出す企業も多いため、飼料に混ぜ合わせて使っているんです」

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こうした地の利を生かしたスタイルに加え、同社のスタッフが牛の月齢に合わせて「牛ファースト」に接していることが質を高めているといいます。時にA5ランクの等級を生み出すこともあり、肉質や色味が良くなった理由を全員で共有しながらモチベーションを高めているそうです。

「最近は日本の和牛が海外で人気。僕らが手塩にかけて育てた繊細な味わいと、美しいサシが入る見栄えが評価されています。実際、取引先を通じてウチの肉をシンガポールに輸出し始めているところ。先日はアメリカの大手食品会社が視察に来て、『アメリカ人に合わせるなら脂をやや控えめにしたほうが好まれる』とアドバイスを受けました」

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全国的にも畜産農家の数は少なくなり、牛の頭数も減少傾向。けれど、菅原さんは「ただ衰退を嘆くのではなく、世界を相手に前を向いてビジネスをする姿を見せることで、業界の活性化につなげたいと思っています。畜産農家にも明るい未来が広がっているんだ...と」と真剣な表情を浮かべます。

人にやさしくしなければ、牛にやさしくなれない!

畜産農家というと一般的にはハードなイメージ。ゼロから始めるにはハードルを感じる人も少なくないでしょう。けれど、同社は業界では珍しく教育担当を置き、未経験からでも十分に活躍できる体制を整えています。

「新人さんは牛舎の見学から始め、スコップでエサを寄せるなど簡単な作業から徐々に慣れてもらいます。大型特殊免許などの取得費用は5万円をサポートしますし、自動車学校に通うのはもちろん就業時間内。その後も先輩の横に乗って手取り足取り操作を覚えてもらいます」と教育担当の風間慎吾さん。

bihoro-gyu_6.jpg風間さんは同社の近所で生まれ育ち、小学生のころから牛舎に遊びに来ていたそうです。

新人さんは半年から1年は徹底的にフォローし、向き不向きによって仕事の内容も振り分けているとか。さらに、分からないことは何でも聞ける雰囲気づくりに力を入れているので人間関係も良好です。

「お子さんの運動会や発表会に休みを取りにくいということもまったくありません。仕事についても、スタッフ全員が意見を出し合い、作業効率や機械化について活発に議論も交わしています。実際、牛舎の糞や藁を掻き出す機械も取り入れ、時間短縮につながりました」

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同社は資格や役職、燃料、住宅、家族など各種手当ても充実。子牛の出産や牧草の仕事もないので、定時で帰れる日がほとんどです。「人にやさしくすることで牛にもやさしく接してもらい、結果としていい肉に仕上げる喜びを感じてほしいですね」と菅原さんはやさしい眼差しを向けました。

女満別空港にも近い好立地!移住者もウエルカム!

同社は美幌町に深く根を張って活動してきました。「美幌観光和牛まつり」には肉を大盤振る舞いするなど、人を呼び込むことにも貢献しています。この土地にただ一軒の肉牛畜産農家ながら、町のマスコットキャラクター「ぎゅうたろう」は、その名の通り「びほろ牛」がモチーフだとか。まさに美幌町の中心的な企業なのです。

「美幌は女満別空港からクルマで20〜30分の好立地。確かに都会に比べると不便ではありますが、スーパーや薬局、病院に保育所もそろっています。買い物やライフラインに困ることはありません。当社でも移住者が働いてくれるのはウエルカム。美幌を含めた近隣市町村の住まい探しやマチの案内、通勤の距離感も丁寧にお伝えします」

bihoro-gyu_8.jpgスタッフの林敏美さん。前職はアパレルの販売員。

最後に、同社で働くスタッフにプチインタビューを実施!まずは4年ほど前に入社した髙橋昌也さん。

「牛のエサやりや糞出し、飼料の配合、麦わらを切るなどさまざまな作業に携わっています。できることが増え、年々昇給もしているので待遇も満足です。僕は妻と子どもと美幌の公営住宅に住んでいます。住宅手当てや家族手当てもとても助かります。このあたりは、キャンプや釣り、ダイビングなどアウトドア体験のメッカ。子どもと一緒に遊べるスポットもたくさんあります!」

bihoro-gyu_9.jpgこちらが髙橋さん

インタビューを締めくくってくれたのは長崎勝也さん。隣接する小清水町からクルマで通っています。

「当社は畜産農家といえども有給を使って連休も取れるので、子どもと過ごす時間もたっぷり。オホーツクは少し足を延ばせば大きな公園もあり、スイーツで有名な帯広も動物園見学が楽しめる旭川も日帰り圏内!年間を通しイベントも多い地域なので、お出かけするにも抜群の立地です。自然がたっぷりで子育て環境としてもオススメできます!」

bihoro-gyu_10.jpgこちらが長崎さん

株式会社美幌牛肥育センター
株式会社美幌牛肥育センター
住所

北海道網走郡美幌町都橋211番地

電話

0152-72-3373

URL

http://www.bihoro-gyu.com/


美幌から海外を見つめる。株式会社美幌牛肥育センター。

この記事は2019年7月19日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。