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北見市

近年は飲食店との共同開発麺も製造!株式会社ツムラ20190406

この記事は2019年4月6日に公開した情報です。

近年は飲食店との共同開発麺も製造!株式会社ツムラ

オホーツクエリアで生産される小麦は、道内でもトップクラスの品質と言われているのをご存知でしょうか。製麺会社の株式会社ツムラは、麺をつくるには申し分ない原料に恵まれた北見の地に1949年に誕生した老舗。北海道の上質な素材にくわえ、初代創業者は本場・四国出身であったことから、麺づくりの高い技術が今日まで継承されてきました。人気商品の『生うどん』や『生ひやむぎ』を食べたことがある人も多いのでは?
同社ではスーパーや百貨店に並ぶロットの大きな商品をはじめ、最近は地元の小麦を100%使用した麺づくりや飲食店と共同で開発するフルオーダー麺にも力を注いでいるのだそう。アイデアを生かした商品づくりを続ける、株式会社ツムラの製造現場にお邪魔しました。

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機械化が進んでも、やっぱり長年の経験が試される。

製造現場に足を踏み入れると、製麺機や自動茹で釜といった、麺づくりに欠かせない機械がずらり。スタッフの皆さんは、うどんをお湯からあげたり、出来上がった麺を袋詰めしたり、忙しそうに立ち働いています。「予想以上に機械化されているでしょう」そう声をかけてくれたのは、代表取締役で4代目の津村健太さん。同社の麺づくりは、粉と水の分量や茹で時間を間違えない限り、ある程度おいしく仕上げられると言います。

bear_tsumura_3.jpg株式会社ツムラ・代表取締役の津村健太さん

「でも、プロはある程度ではいけませんよね(笑)」と津村さん。「ほんのわずかな手間の差なんです。長年の経験が必要な作業で言うと、水加減の調節があります。当社ではつくる商品ごとに粉と水の配分を決めていますが、私は季節やその時々の気温・湿度によって水の量をわずかに変えています」とのこと。湿度の高い夏場は生地がダラけやすいので、水の量を少し減らしてやや硬めに仕上げたりと、こういった部分に経験が必要になってくるのだそう。「麺を茹でる持ち場はベテランのパートさんに一任していますが、そこでも皆さん、麺をさわって茹で時間を調整していますよ」と教えてくれました。

新しい可能性を信じて、生産者と商品をつくり上げる。

また、麺づくりは「同じ作業を繰り返すこと」も難しいところなのだそうです。
「粉と水の配分や麺の熟成時間は突き詰めようと思えばいくらでもできますし、小さな改善点を見つけてよりおいしくつくろうと努力するのは楽しいものです。ただ、僕の場合は新しいことにチャレンジして自分の可能性を広げたいという気持ちのほうが強いです」と楽しそうに話してくれる津村さん。

同社では地元の小麦を100%使った麺づくりや、飲食店と共同で開発するフルオーダー麺にも力を入れているのだとか。飲食店のオーナーや生産者と一緒に商品をつくる際は、ベースが全くない状態からのスタート。「希望の麺に近づくよう試行錯誤するのは大変ですが、完成した時のやりがいは格別」と津村さんは言います。

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過去には、札幌の喫茶店から餃子の皮をつくってほしいという難題にも取り組んだそう。「喫茶店なのに餃子が看板メニュー!? というのがまずオモシロイ(笑)。オーダーのポイントとなったのは、米粉を使ってモチモチ食感の皮に仕上げること。米粉はそれまで当社でも扱ったことがなく、小麦粉よりもつながりにくいので何度も何度も試作を重ねました。米粉と小麦粉の割合を微調整したり、使用する小麦粉の品種を粘りが強いものに変えてみたり。ようやく出来上がった時は、自分の『引き出し』がまたひとつ増えたと実感できてうれしかったです」と感慨深い様子が見受けられました。

生産者と消費者の架け橋に。

津村さんには『道産の小麦粉を使ったフルオーダー麺を作りたい』という入社当時からの夢がありました。それが少しずつ現実になってきていると言います。「女満別の小麦を使用したひやむぎやオホーツク産小麦のフィットチーネなどを商品化したことで、最近では農家さんが小麦を持ってきて、麺をつくってみたいと相談にいらっしゃることがあります」と津村さん。生産者は直売所を設けない限り、消費者の声を直接聞くのが難しい立場。しかし、同社がつくる麺の評価であれば、生産者に届けることができるのではと津村さんは考えているそう。

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今後はさらに一歩踏み込んで、生産者と連携しながら原料の調達から加工、販売までを一手に担う6次産業化の手伝いもしたいと言います。「まだまだアイデアがまとまっているわけではありませんが、私たちと一緒に夢を語ってくれて、一緒に悔しがり、一緒に喜んでくれる、そんな人とたくさん出会いたいですね」

つくっている人が幸せじゃなきゃ!

続いてお話を聞いたのは、専務取締役を務める津村千恵さん。同社のモットーのひとつに『つくっている人が幸せじゃないと麺もおいしくならない』というものがあると言います。

bear_tsumura_6.jpg株式会社ツムラ・専務取締役の津村千恵さん

「仕込みも、麺を茹でるのも、袋に詰めるのも、楽しい気分で作業ができれば良い商品に仕上がるという意味です。スタッフ一人ひとりが『お客様においしく食べてほしい』という気持ちで仕事に取り組むことで、それぞれの作業も自ずと丁寧になるんです」と千恵さん。こういったことこそが、消費者の味の評価に繋がり、スタッフのやりがいも増していくのだと千恵さんは言います。スタッフには20年以上も勤めるベテランもいるそうで、長く働ける理由には風通しの良い気質もあるようです。「商品開発のアイデア出しも上下の垣根は全くなく、パートさんが『こんなことをやってみたい』『ちょっと思いついたんだけど...』と気軽に発言してくれます」と千恵さん。今後はスーパーや百貨店に商品を卸すだけではなく、お客様と直接関わる『原点』に立ち返ることを目指していると言います。「商品の評価や改善点をスタッフがお聞きして次の麺づくりに生かす。そんなスタイルがとれるようになったらいいなと思っています」と意気揚々と話してくれました。消費者と目と目を合わせ、心を通わせる昔の麺屋さんへと変わっていくのが今の目標だそうです。

株式会社ツムラ
住所

北海道北見市豊地26番地26

電話

0157-36-3181(受付時間/月曜〜土曜日の10時〜15時)

URL

http://tsumura-seimen.co.jp/

◎生産者やお客様とのコミュニティースペース

 TUMUGU Labo(つむぐラボ)


住所 北海道北見市豊地26-26 株式会社ツムラ内

電話 0157-33-3155

URL https://tumugu.tsumura-seimen.co.jp/


近年は飲食店との共同開発麺も製造!株式会社ツムラ

この記事は2014年2月4日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。