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このまちのあの企業、あの製品
津別町

飴をつくり続けて70余年!ロマンス製菓株式会社20190401

この記事は2019年4月1日に公開した情報です。

飴をつくり続けて70余年!ロマンス製菓株式会社

道東のまち、津別町で70余年。ロマンス製菓株式会社は飴づくりから初めの一歩を踏み出し、『べっこう飴』を筆頭とする昔ながらの商品のほか、今はソフトキャンディやグミなどバラエティ豊かなお菓子を手掛けています。とりわけ北海道の食材や果汁をふんだんに取り入れた『甘酒ソフトキャンディ』や『北海道余市りんごソフトキャンディ』などが評判。
かつて釜を新調した際、メーカーの担当者が飴をつくる様子を見ていて「そんなに原料を入れるんですか?」と驚いたという逸話も。そんなものづくりにひたむきに取り組む姿勢と、小回りのきく対応が評判を生み、最近は企業のプライベートブランド商品の製造を依頼されるケースも増えています。

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作業台を自ら改良するスタッフもいます(笑)。

「当社の教育スタンスは一人ひとりの守備範囲を広めること。というのも常に全ての製造ラインが動いているワケではありませんので、スタッフには複数の持ち場を経験させて実力を養ってもらっています」と、お話してくれたのは代表取締役の松田一生さん。

「自分たちの手で機械の修理やメンテナンスを行うのもその一環。つくり手という専門の領域から少しはみ出た仕事に携わることで、新しいアイデアや面白い発想につなげたいという狙いもあります」

そんな「自分たちでやってみよう!」の精神が根づいているおかげか、スタッフは誰かが困ったら自分の得意分野を駆使して助け合う人ばかりだとか。

「先日も溶接の上手なスタッフがパートさんの『作業台の高さが合わない』というツブヤキを耳にして、ちょうどいい高さに改良してあげていました。当社のスタッフは味づくりだけではなく、いろんな経験を社内のいたるところに生かそうと努力しています」

bear_romance-seika_03.jpg代表取締役の松田一生さん

懐かしい味に惹かれ、飴づくりの世界へ。

いざ、老舗企業の工場内へ入ってみると、自動化された製造ラインや最新コンピューターを搭載した釜がズラリと並んでいます。同社は歴史の古い会社ですが、工場内はとっても近代的。

「当社の代表商品『べっこう飴』は職人が銅鍋を操り直火製法で手づくりしています。けれど、多くの商品は機械を使ってつくられているんですよ」声を掛けてくれたのは製造スタッフの高瀬慎也さん。

bear_romance-seika_04.jpg「僕も入社当初は意外な気がしました」と、高瀬さん

元々ものづくりが大好きだったという高瀬さんは以前、携帯電話の塗装の仕事に携わってたそうです。
「次の職場を探している時、ふと目に止まったのがロマンス製菓の求人。祖父母の家が津別にあったので、子どものころから何度もこのまちに遊びに来ていて、昔よく食べさせてもらっていた当社の飴のことを思い出したんです。で、途端にコレをつくってみたいという気持ちむくむく湧いてきて(笑)」

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入社当初は飴やソフトキャンディの原料を混ぜ合わせる仕込みを教わっていたと言いますが、味づくりの配合表はあっても、工程についての細かなマニュアルはないのだそう。

「というのも、いくら自動化が進んでいるとはいえ、素材を投入するタイミングや煮詰める温度の管理は人の仕事。機械だけでは本当のおいしさにたどり着けませんから、先輩の背中を見て体で覚えるしかありません。最初に配属されたソフトキャンディの持ち場では、一通りの工程をマスターするのに1年は掛かりました」

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ロマンス製菓ではスタッフが機械のメンテナンスや修理まで行うこともあると聞きましたが...?
「当社には出来る範囲のことは自分たちで対応するという気運が根づいていて、例えば社長が回路の基板を製作することもあるんです。僕らも製造の仕事が終わってからは、ラインのパーツを分解して掃除したり、故障の原因を見つけたり、機械と向き合っています(笑)」
ものづくりが好きな人だったら、これも意外にハマりますよ〜と笑います。

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飴づくりは単純じゃない!

高瀬さんは、苦労してつくった商品がお店に並んでいる姿を見るとグッとくるといいます。グシャグシャに置かれていたら思わずキレイに整えてしまうことも。また、新商品の試作にもやりがいを感じると話します。

「飴づくりって、例えば甘すぎたから砂糖を少なくする、という単純な計算では味を調整できません。原材料の絶妙なバランスがおいしさを左右するので、何度も何度も試行錯誤し、完成までに1年以上掛かるなんてこともあります」

bear_romance-seika_08.jpg砂糖の分量を計っています

しかし出来上がった時の喜びはつくり手冥利に尽きるという高瀬さん。今後つくってみたい商品はあるのでしょうか?

「う〜ん、ぼんやりとした方向性は思い描いていますが、具体的にどの食材を使おうというところまでは詰めていません。僕は料理が好きですから台所に立っている時にハッとアイデアが浮かんできたり、スーパーで食材を選んでいると『新商品に使える...』と考えたり、もう職業病ですね(笑)。だけど僕にとってお菓子づくりも、機械のメンテナンスも、試作も、何だか人生の延長線上にあるものって感じますね」

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今、同社がつくっている商品は100を超えるほど多彩。これからも北海道の原料にこだわり、新たなお菓子や食感、味を生み出すことで、道外、さらに海外へおいしさを広げていく考えだという、ロマンス製菓に注目です!

ロマンス製菓株式会社
住所

北海道網走郡津別町達美204番地19

電話

0152-76-2665

URL

https://romance-hokkaido.jp/

北海道札幌市西区二十四軒2条6丁目3番28号(札幌営業所)


飴をつくり続けて70余年!ロマンス製菓株式会社

この記事は2015年8月11日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。