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このまちのあの企業、あの製品
函館市

世界も注目するELメーカー(株)セコニック電子函館事業所20180819

世界も注目するELメーカー(株)セコニック電子函館事業所

「EL」と聞いてすぐに分かる人はまだまだ多くいませんが、薄くて消費電力の少ないやさしい光源のことを言います。自光式ナンバープレートや車・船舶の計器類の照明、携帯電話のバックライトなど実は暮らしの様々なところで活躍しているEL。そんなELを世界に先駆けて量産化させたのが、株式会社セコニック電子函館事業所です。
同社が手掛けるELは、衝撃や振動に強いのも特長。最近ではプレスや熱加工といった成形にも耐える「3DEL」の開発に取り組み、もうすぐ製品化レベルに達するところだとか。今後は輝度が高く、さらに長持ちする次世代ELの開発にも着手する予定なのだそう。その技術力の高さは日本はもとより、海外からも注目されるほど。今回は、世界唯一のEL専業メーカーの内部に潜入します!

光だけど、製造は印刷?

ウィ~ン、ガシャン! 実に工場らしい機械音が聞こえる製造現場。どんな最新設備がそろっているのだろうと中に入ってみると、意外にも目に飛び込んできたのは大きな印刷機。「当社のELは簡単に言えば、自社製の発光する塗料や電気を通す塗料、絶縁体となる塗料を重ね塗りしてできています。見た目は1枚の薄いシートですが、発光や電極、絶縁といった役割を果たす面が層状になっているんです」と教えてくれたのは、製造課製造チームでリーダーを務める木村富次(きむら とみつぐ)さん。以前は電子部品を製造する会社に勤めていたという木村さんは、ELの製造方法や環境に興味が湧いて同社に転職したのだそう。「入社当時は携帯電話のバックライトの生産がピーク期で、パートさんやアルバイトを含めると工場スタッフは100名ほどいたんですよ」

bear_sekonic_02.jpg製造課製造チームリーダーの木村富次さん

入社直後は印刷機のスクリーン板の清掃や使用済みの塗料を回収する下積みを経験。その後、先輩の補助役として印刷機の操作や重ね塗りの技術を徐々に教わるようになったそう。「当時の上司は僕がミスしても頭ごなしに叱るのではなく、次に生かせるように導いてくれました。チームリーダーとなった今、僕もその指導方法を実践しようと心がけています。失敗は誰にでもありますし、僕だって新人のころのミスは数えきれませんから(笑)」

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オートメーションでも、技術と経験の感覚が重要に。

ELづくりで一番のポイントとなる工程は、重ね塗りにあると木村さんは言います。「当社では、発光面や電極面となる塗料の印刷に全自動の印刷機を使用しています。機械を操作するだけなら誰でもできる?と思われがちですが、そうはいきません。当社のELに用いる塗料はとりわけ湿度に敏感です。高い品質レベルを維持するには、その日の環境を肌で感じて、塗料の調合や印刷機の設定を微調整しなければなりません」。新人スタッフ向けにマニュアルを用意しているそうですが、そういった感覚だけは数をこなさなければ身につかないそうです。

これからは、もっと目に触れるELを作りたい!

携帯電話のバックライトは短期間に何十万という数を作り、車の計器のバックライトであれば少量を長く生産し続けるなど、用途や仕様によって生産方法が異なるEL。同社ではこれまでに、100以上もの型を作ってきたと言います。

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「ただ、どんな仕様のELを作るにせよ、設計スタッフから図面を渡された時に完成形が頭に浮かび、イメージ通りに仕上がるとうれしいもの。技術者冥利につきる瞬間ですね」と木村さん。それでも、同社のELが組み込まれた製品を自分で目にする機会は少ないのだそう。「『光るナンバープレート』をたまに見かけるくらいです。だから僕はもっともっと一般の方の目に触れるようなELを作りたいと思っています。今、当社ではパソコンのキーボードやエレベーターのボタンなど、立体的なものを光らせる技術を開発しています。ELは製品構造がシンプルでさまざまなデザインに対応できますから、将来的には広く実用化されると僕は信じています」

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向上心や課題解決力を、きちんと評価します。

続いてお話を聞いたのは、製造課課長で品質保証チームリーダーの加藤芳幸(かとう よしゆき)さん。加藤さんは、同社が手掛けるELを『生き物』と表現します。「季節やその日の天候、塗料の厚みなど、いろんな要因が仕上がりに影響を及ぼします。工場と言えば単調なライン作業を思い浮かべがちですが、当社の製造部門はいくらオートメーション化されていても人の感覚が欠かせませんし、常に品質に気を配りながら張り合いを持って働ける場所だと考えています」と加藤さん。スタッフみんなが同様の考えを持ち、仕事に向き合ってくれているそうです。

bear_sekonic_06.jpg製造課課長/品質保証チームリーダーの加藤芳幸さん

最近では意見を出し合って業務効率化を図るシーンも目立ち、自分の案で成果が出ることを楽しみにしているスタッフも。「事実、木村くんは塗料の乾燥工程を変えて、作業のスピードアップに貢献してくれたんです。そんな向上心や課題解決力を私たち上司がきちんと評価する社風ですから、スタッフの定着率が高いのかもしれません」。今後、同社では家電の操作パネルやインテリアグッズ、ポスターなどより一般的な製品にELを組み込めるよう開発を進めていくと言います。「さらに世の中に役立つ『つくりがい』のある製品が、当社の工場から生まれていくはずですよ」

株式会社セコニック電子函館事業所
株式会社セコニック電子函館事業所
住所

北海道函館市鈴蘭丘町3-91(函館臨空工業団地内)

電話

0138-32-3434

URL

http://www.h-sekonic.co.jp/


世界も注目するELメーカー(株)セコニック電子函館事業所

この記事は2014年7月30日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。