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このまちのあの企業、あの製品
音更町

家族団らんのひと時をつくるお菓子。株式会社柳月20180420

家族団らんのひと時をつくるお菓子。株式会社柳月

「ちゃちゃちゃ抹茶♪」や「粉雪のくちどけ~♪」。道民にはキャッチーで楽しいCMでお馴染みの株式会社柳月は昭和22年創業。創業時に3人で始めた柳月も、今や道内に直営店42店舗を展開する大きなお菓子屋さんに。そのすべてのおいしさは音更町の本社工場「スイートピア・ガーデン」から生み出されています。理由は小麦や牛乳、てん菜糖など十勝の素材が身近にあり、鮮度を生かしたお菓子づくりが可能。今回は本社工場にお邪魔して、お菓子づくりのこだわりに迫ります。

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帯広のまちでアイスキャンディーを製造し、ひたすら行商するという小さな小さな規模から第一歩を踏み出した柳月。十勝地方は当時からお菓子の名店がひしめく激戦区で、すぐに頭角を現すことはできませんでした。しかし、お客様の要望に応えて饅頭を手掛けるなど、味だけでなく仕事に真摯に向き合う姿勢が評価されて、舌の肥えた十勝っ子のハートを徐々につかんでいきました。
昭和40年に発売した『三方六』を筆頭に、『ボンヌ』や『きなごろも』、最近では『月ふわり』や『ユキピリ花』などをリリースするたびにヒット。お菓子を通じて家族団らんの時間を増やしたいという考えのもと、商品がお手頃価格なのも人気の理由のひとつと言えます。十勝の素材が安く手に入る音更に根を張り、効率的な人員配置や配送手段を整えることでリーズナブルなおいしいお菓子を届けているのです。

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建物にも内部にも驚きがいっぱい。

総面積3万平方メートル超え、地下1階から地上4階建ての本社工場で迎えてくれたのは、商品開発室のチーフを務める渡邊真さん。
「大きいでしょう。でも、中に入ったらもっと驚くかもしれません」とニヤリ。さぞかし大掛かりな機械が並んでいるかと思いきや、皆さんほぼ手作業でたくさんのお菓子をつくっていました。

ryugetsu_4.jpg商品開発室チーフの渡邊真さん。

高校卒業後に同社に新卒で入社した渡邊さん。洋菓子の製造部門に配属され、新人時代は掃除をしたり、原料を運んだり、生クリームを泡立てたりとみんなの仕事の段取りを整える雑用からスタート。当時は先輩方も職人気質で『技は見て盗め』の世界で2年~3年は下積みを経験しました。

小型工芸菓子の日本一に!

昔から手先が器用だった渡邊さんは、細かい作業を周りにアピールするうち、ケーキにクリームを塗ったり、チョコレートで飾りをつくったり、任される作業の幅が徐々に広がっていたそうです。
「新しいテクニックをマスターすると仕事も楽しくなってきて、早く次のステップに進みたいって意欲が湧いてきました。21歳の頃、技術をもっと高めたいという気持ちから、砂糖やゼラチンなどの材料でつくる小型工芸菓子の世界にも挑戦しました」

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小型工芸菓子を一言で言えば、食べられるアート。細やかな技術を用いて、自ら起こしたデザインをお菓子や飴細工で再現します。渡邊さんも和服姿の女性や金魚、鼓など和のモチーフを形づくり、平成19年には全国のパティシエが技術を競い合う『ジャパン・ケーキショー東京』で小型工芸菓子部門の最高賞を受賞しています。

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同社は仕事に支障をきたさない限り、コンクールやコンテストへのチャレンジも積極的に応援。渡邊さんも終業後にコツコツと独学を重ねたそう。
「小型工芸菓子の手先を使う練習はデコレーションの技術にも生きてきますし、大会では各地のパティシエと知り合えるので、お菓子づくりのいろんな知識や技術を聞けるのも楽しみでした」

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ライバルはあの『三方六』。

現在は商品開発を担う渡邊さん。お菓子の素材は、てん菜糖だけでもかなりの種類があり、小麦や生クリームなどとの組み合わせは無限大。つくっては食べ、つくっては食べを繰り返して、これまでに通年商品としてサブレをチョコレートで包んだショコラグラン、他にも季節限定のケーキを開発してきたそう。
「商品開発室にいる以上、製造現場の後輩たちがもっとお菓子に興味を持つような味わいを追求し、もっと技術を高めたいと思える商品をつくるのが僕の使命だと思っています。そして当社の代表作でもある『三方六』を超える、新しい顔を生み出すのが今後の目標です」

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コミュニケーションは不可欠。

お菓子づくりに大切なのは、スタッフ同士の関係性を厚くすることだと渡邉さん。
「十勝には素晴らしい食材がそろっていますし、当社にはおいしく仕上がるレシピも用意してあります。技術は経験を積むことで必ず上達しますが、一つのものをみんなでスムーズにつくり上げるにはコミュニケーションが不可欠です」
現在同社では先輩が手取り足取り教えるスタイル。人数も多いため、様々な人の話を聞けば聞くほど自分が磨かれる環境にあるそうです。

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つくり手のモチベーションが、一定品質を生み出す鍵。

続いてお話を聞いたのは工場長の数藤和幸さん。同社は機械では決してつくり出せない味わいがあるという考えから、多くの作業を人の手が担っています。餡を包むのも、上生菓子を仕上げるのも必ず手作業というこだわりぶり。
「かつては当社も職人気質が強く『教えない』のが主流でしたが、今はそんな時代ではありません。製造工程の流れを良くするためにも、その人の成長度合いや性格を考えながらきちんと技術を伝えています」

ryugetsu_10.jpg製造部工場長の数藤和幸さん。

材料の配合は同じでも、作り手によって仕上がりは大きく変わるのだと数藤さん。だからこそ、つくり手のモチベーションが一定の品質を生み出す鍵になります。
「当社は組織として各部署と連携をとり、スタッフが気持ちを一つにおいしさを届けようと頑張れる環境づくりを心掛けています。私自身は山本五十六の名言『やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、 ほめてやらねば、人は動かじ』をモットーとする丁寧な教育を実践中です」
コミュニケーションを密にとり、相手の立場に立って協力できる人を育て、みんなで夢に向かって努力する。そんな職場をつくり上げている同社の姿勢には脱帽です。

株式会社柳月
住所

北海道河東郡音更町下音更北9線西18-2

電話

0155-30-7777

URL

http://www.ryugetsu.co.jp/


家族団らんのひと時をつくるお菓子。株式会社柳月

この記事は2015年4月21日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。