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札幌市

『夢映す』新技術! 株式会社テクノフェイス20171211

『夢映す』新技術! 株式会社テクノフェイス

ハードの低価格化で導入ニーズが加速。

「デジタルサイネージ」という言葉を聞いたことがありますか? 駅や商業施設、地下歩行空間などの公共の場に設置される「電子看板」の総称で、言葉を知らなくても実物を見れば「ああ、これか!」と思う人も多いハズ。
「電光掲示板」などと呼ばれていた時代と比べると、画質は格段に良くなり、動画再生にも対応。複数のディスプレイを組み合わせて、大画面で映像を流す「マルチビジョン」やイベントやテーマパークで実施される「プロジェクション・マッピング」もデジタルサイネージの一種です。

tekunoface_2.jpg大学の掲示板として利用されるデジタルサイネージ。

大型ディスプレイやプロジェクターなど、ハードウェアの価格が低下したことで、デジタルサイネージを導入したいというニーズは増えています。しかし思い通りの映像を映すには、複雑なプログラムを書かなければいけないなど、運用面でのハードルが高いのが現状です。
そんなハードルを押し下げて、誰でも直感的に映像をコントロールできるシステムを開発したのが、札幌に本社を構える株式会社テクノフェイス。それでは代表の石田崇さんにご登場いただきましょう!

tekunoface_3.jpgテクノフェイス代表の石田崇さん。

AI研究者による北海道大学発のベンチャー企業。

「テクノフェイスは北海道大学発ベンチャーとして2002年に創業。中心となったのは大学で人工知能の研究をしていたメンバーです。私は立ち上げメンバーではないのですが、社員第一号として採用され、創業時からこの会社で働いています。人工知能というと、最近ではとても注目度の高い研究テーマですが、当時の状況は全く違っていました。研究者が取り組むテーマにも流行り廃りがあり、AI(人工知能)にとっては『氷河期』。世の中からは、ほとんど注目されていませんでした」

tekunoface_4.jpg石田さんは2010年に代表取締役に就任。創業から4人目。

テクノフェイスの設立には産官学の連携による、「人材の受け皿」という側面もあったと石田さん。
「そのころ、北海道には情報通信の分野で先端技術を扱う企業が少なく、優秀な人材はたいてい道外の大手企業に就職していたんです。けれど、このままでは北海道で技術者が育たない。当社の設立には、ハイスキルな若者が地元で活躍できる場を作るという目的もありました」
2002年といえば、コンピューターを使った業務システムや携帯電話の普及拡大期。テクノフェイスでは、企業や自治体のシステム構築、携帯電話を使ったソリューション開発を請け負い、同時に社内ではAIについての研究を継続。自社製品の開発にも取り組んでいたと言います。

tekunoface_5.jpg札幌駅前通に面しているテクノフェイスのオフィス。

「ぜひやりたい!」と技術者たちが手を上げ開発がスタート。

そんな同社がデジタルサイネージの分野に進出したのは2015年。きっかけは女満別空港に設置されているマルチビジョンに関する案件だったそう。
「設備を手掛けていた会社から映像を流すシステムを作れないかと依頼があったんです。正直、コスト面では厳しかったんですが、当社の技術者達が面白そうな仕事だと関心を持ちました。社内でも製品化に繋がるようなアイデアを模索していた時期だったので、ならばと社内プロジェクトとして取り組むことになったんです」

tekunoface_6.jpg開発のきっかけとなった女満別空港のデジタルサイネージ。

それまで、同社の中心となっていたのは基幹システムの構築やミドルウェア開発など、一般の人々にはなかなか縁遠い領域。一方、デジタルサイネージであれば、一般ユーザーにもイメージしやすいジャンルであるため、技術者たちのやりがいも大きいと判断したのだそう。
「それに、私たちはもともとAIを研究していた技術者でもあるので、AIのノウハウとデジタルサイネージを組み合わせることで、最先端のサービスとして製品化できる可能性もあると考えました」

tekunoface_7.jpgミドルウェア開発もテクノフェイスの得意分野。

レンダリング不要!数クリックで自在に画面を分割。

それから約1年、同社が試行錯誤を重ねて製品化したのが「TechnoVision Controller(テクノビジョン・コントローラー)(以下、テクノビジョン)」という、デジタルサイネージ用の動画・映像管理ソフトウェア 。製品についての詳しい解説を、開発に携わった小林隆行さん、広報の中島里奈さんにお聞きしました。

tekunoface_8.jpg開発に携わった小林さん。東京から地元にUターンし、2008年入社。

「テクノビジョンの一番の特徴は、複雑な映像表現も、直感的な操作で実現できるということ。例えば、一台のディスプレイを分割して別々の映像を流したり、連結させた複数のディスプレイに大きく映像を流したり、今までは高度な知識が必要だった表現が誰でもできるようになっているんです。従来のデジタルサイネージ用ソフトでは、予め動画のレンダリングが必要でしたが、テクノビジョンではレンダリングが不要なので、撮影したばかりの映像も、デジタルサイネージの素材として使用することができます」

tekunoface_9.jpg広報担当の中島さん。2016年新卒入社。大谷大学社会学部卒。

さらにテクノビジョンはディスプレイだけでなく、プロジェクターにも対応し、プロジェクション・マッピングの映像も自在に制御することができるのだそう。
放映スケジュールを管理するソフトも組み込まれているため、時間帯や曜日によって異なる映像を流すといった使用も可能です。
実際に映像を流す様子を見せてもらうと、動画ファイルをドラッグ・アンド・ドロップするだけで次々に映像が切り替り、インターフェースは動画編集ソフトのよう。

tekunoface_10.jpg動画編集ソフトのような操作画面。右上の素材を下のタイムラインにD&Dする。

AIとの融合で新たなビジネスチャンスを創出。

「ITには時間や場所の制約を受けないものが多く、クラウド技術などはその典型。いつでも、どこからでもアクセスできるのが、クラウド技術の強みです。一方、デジタルサイネージは、特定の『場所』と結びつくので、私たちの技術を地元の皆さんのために役立てることができます。まずは北海道の皆さんに当社の製品を活用してもらい、その噂が全国へと拡大していくようになれば面白いなと考えています」

tekunoface_11.jpg2017年冬季アジア大会のプレスセンターでも使用された。

「ディスプレイにセンサーカメラを付け、誰が視聴しているかをAIで解析、ターゲットに合わせた映像を流す...といった、AIとデジタルサイネージを融合させる研究も進めています。当社がもともと培ってきた技術を生かせますし、新しいビジネスニーズを掘り起こせるのではという期待もあります」

tekunoface_12.jpg画面上部のセンサーで視聴者を捉え、AIで表示内容を変更するデモ機。

愛着ある地元。北海道の未来に貢献したい。

では最後に、会社としての今後のビジョンを聞かせてもらえますか。
「外部からの受託開発は最新の技術を学ぶ機会になるので、個々のスキルアップという意味でも、これからも当社の中心業務になると考えています。一方、テクノビジョンのような自社製品を開発し、当社ならではの技術で地域に貢献することも重要なテーマ。当社には北海道に愛着を持っている社員が多いので、地元の魅力を今以上に高められる仕事をしていければと思っています」

tekunoface_13.jpg

株式会社テクノフェイス
住所

北海道札幌市中央区北1条西3丁目3番地 敷島北一条ビル6階

電話

011-242-6606

URL

https://www.technoface.co.jp/

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『夢映す』新技術! 株式会社テクノフェイス

この記事は2017年10月17日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。