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千歳市

自分たちが納得のいく肉だけを!有限会社肉の山本20171004

この記事は2017年10月4日に公開した情報です。

 自分たちが納得のいく肉だけを!有限会社肉の山本

昭和26年、小さな精肉店として誕生した有限会社肉の山本。飲食店への卸売りでじわじわと販路を広げ、取引先は道内外を含めて1000社を超えています。今や道央圏なら自社便のトラックで商品を届けるほどの規模に成長しました。
さらに同社は自社加工商品を開発し、通販やギフトといった事業にもチャレンジ。あくまで自分たちがおいしいと思う肉や味付けにこだわり抜き、『味付ジンギスカン』や『塩ホルモン』などの商品をヒットさせました。同社の情熱はとどまらず、生産者と直接交渉して希少な道産サフォーク種の生ラムを提供したり、手間ひまかけてハムやソーセージを手づくりしたり。おいしさを追求し続ける姿勢が新商品とファンを生んでいます。

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手作業だからこそ、コミュニケーションも密に。

同社の工場内に入ると、「こんにちは〜!」と微笑んでくれたスタッフの皆さん。額に汗を浮かべながらひき肉を手ごねしたり、ブロック肉をスライスしています。やっぱり手作業はおいしさづくりに欠かせないプロセスなのでしょうか。
「そういうワケでもないんです(笑)。機械化の話題もよく挙がりますが、当社は小さな会社ですから設備投資をすぐに進めることも出来ず...。でも、手作業だからこそスタッフ間のコミュニケーションは密な気がします」。工場長の石川一樹さんがにこやかに説明してくれました。

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石川さんが肉の山本に入社したのは13年ほど前。当時は定時制の学校に通いながら、レンタカー店でアルバイトをしていました。卒業が間近になって就職先を探していたところ、バイト先の上司が同社の求人募集について教えてくれたというのです。
「でも、僕は牛も豚も鶏も総じて『お肉』と呼ぶようなタイプ(笑)。もちろん包丁を握ったこともない全くの未経験者でした。そんな伸びしろの定かでない人材を雇ってくださったことに、今は感謝の気持ちでいっぱいです」

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たった1年で工場長に大抜擢!

入社後はラーメン屋さんに納品する豚骨を割ったり、トンカツ屋さんに卸す肉をグラムカットしたり、簡単な作業からスタート。自分の「手」から飲食店のおいしい料理が生まれると思うと全てが新鮮だったと振り返ります。
「ただ、包丁で肉を切る作業はなかなか上達せず...。何度も手を切りそうになりながら、周りの先輩に手厚く指導していただきました。包丁さばきに関しては、今でもマダマダ甘いと実感。もっと手早く、上手く切れる方法を日々摸索しています」

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驚くことに、石川さんが工場長にステップアップしたのは、入社からわずか1年後。毎日ガムシャラに肉を切っている姿に、社長がやる気を認めてくれたようです。
「10年後を考えると今から経験を積んでおいたほうがいいと抜擢されました。正直、『何でオレ?』と戸惑いましたが(笑)。実際、製造の仕事に加えて工場長として人材管理や事務作業も担うことになり、自分に務まるのか不安になった時期もありました。けど、社長が『仕事ぶりはきちんと見ている』と言ってくれたことでモヤモヤが解消。期待されている分、頑張らなきゃって」

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火おこしから手作業でスモークする「にくやまハム」!

3年ほど前、同社では『にくやまハム』というブランドを立ち上げました。こだわりは肉の旨みを引き出す、昔ながらの直下式炭火燻煙製法。炭火をおこすところから手作業を重ね、スパイスの調合や燻す時間まで微調整しています。
「とはいえ、設備導入時は誰も扱える人がいなくて(笑)。同業者にスモークの方法を教えてもらいながら、半年以上かけて味のベースをつくりました。当社では塩を多めに使って肉の粘りを出し、結着剤をあまり使わないように工夫しています」

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石川さんはもちろん、スタッフの年齢層が若いことからも、新商品のアイデアがどんどん飛び出すそう。ジンギスカンのカレー味やハンバーグを霜降り肉で巻いた商品の若手からの提案には、「僕もやられた!と思いましたね」とうれしそうに笑います。
「こんなふうに、私が職場の雰囲気づくりに取り組まずとも皆が勝手に盛り上がっている感じですね(笑)」と言葉を続けたのは代表取締役社長の山本歳勝さん。同社は「面白いと思ったことはまずやってみる」という社風が根付いており、スタッフは次にどんな手を打とうかと楽しみを持って働いているといいます。

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「食品工場の仕事と言うと黙々と作業するようなイメージですが、当社が最も大切にしているのはコミュニケーション。その密度の濃さが、お客様により良い商品をご提供するための鍵になると私は考えています。そんな和やかな企業風土をどうつくったか?う〜ん、スタッフはトップの私がフレンドリーだから、自然と仲良くなれたと言ってくれますが...。偶然じゃないかなあ(笑)」

有限会社肉の山本
有限会社肉の山本
住所

北海道千歳市流通3丁目2-9

URL

http://www.29yamamoto.jp/


自分たちが納得のいく肉だけを!有限会社肉の山本

この記事は2014年8月5日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。