
苫小牧市音羽町。住宅街や老舗店が連なるメインストリートの一角に、ひときわ目を引く可愛らしいお店があります。真っ白な壁に大きめのウィンドウ、その上部には店名でもある「Aria」の文字がレイアウトされています。
ぜひ味わってほしい、自慢の2つのスイーツ。
カントリースタイルのドアを開けると、生クリームのいい匂いとフランスの雑貨店を彷彿とさせるインテリアがお出迎え。自慢のケーキや焼き菓子、パンなどがラインナップする中、ぜひ味わってほしいのが、開店当初からのケーキ『アリア』と『ショウソン・オ・ポム』というパイ。店の名前を冠するアリアは、フロマージュ・ブランムースとハスカップゼリーの絶妙なハーモニーを堪能出来る人気NO.1ケーキ。ショウソン・オ・ポムはリンゴを道産発酵バターとバニラでソテーし包み焼いた極上のパイ。二つを味わえばパティスリーアリアの魅力が納得出来ること、うけあいです。
パティシエを目指した理由は笑顔を見たいから。
さて、ここからはパティシエの吉田美喜さんにインタビュー。ケーキ屋さんで働いている人って昔からの夢だったからって方が多いようですが。
「私もその一人(笑)!中学生の時代からお菓子をつくるのが大好きで、家でいろんなスイーツづくりに挑戦していました。高校時代は友だちのためにサプライズでバースデーケーキを披露したり...。そのうちに『つくる』だけではなく『喜ばれる』のもうれしくなって、製菓の道に進もうと考えるようになりました」
オーナーのこだわりに感銘を受けて。
アリアに勤務した理由を尋ねると、鈴木オーナーのセンスに感銘を受けてです、とニッコリ。ところで鈴木オーナーのこだわりってどんな?
「オーナーが直接市場に行って買い付けしてくるフルーツなどの原料はもちろん、泡立ての時間や回数、ムースの温度、ミリ単位のデザインやレイアウト、塩0.1グラムにいたるまで、本当に徹底的です。さらに下準備や段取りなどの工程もすべて計算され尽くしているので、最初のころは『ゲームのテトリスを見ているみたい』と思ったりしました(笑)」
ケーキ作りもお客様との出会いもやりがい。
厨房の中を行ったり来たりと忙しそう。生地づくりから焼きやデコレーションまで、すでに吉田さんらスタッフは一通りの工程を経験済み。
「鈴木さんの指導を受けながらですけれどね。一日20〜30種類のアイテムを入れ替わりでつくっていくので、それなりに忙しいのですが、その合間を縫ってオリジナルケーキづくりにも挑戦しているんです。それを買っていくお客様を見たりすると、やった〜!って気持ちになりますね。
あと先日ケーキに乗せるプレートに猫のイラストを描いたのですが、それが好評で、そのお客様が常連になってくれたんです。そういう出会いが広がっていくのもやりがいのひとつでしょうね。まだまだ修行の身ですけど、自分の出来ること、自分の作品を一つひとつ増やしていきたいって思っています」
数値化の発想とフレンチの経験を活かして。
ここでオーナーの鈴木さんが満を持しての登場。鈴木さんがつくるスイーツはコース料理のデザートのようと評判です。
「スポンジを少なくしたり、クオリティの高いフルーツをレイアウトしたり、原料にシャンパンやワインを使うなど、フランス料理のシェフとして勤務した経験をスイーツの世界に活かしているからでしょうね」
店を開いて3年。若いスタッフたちも成長していますね。
「私の指導法は、ひと言で言うなら『数値化』です。原料の分量や配合、混ぜあわせる回数や時間、温度、焼きの時間にいたるまで、すべてにおいて正しい数値があるということを徹底して指導していきます。その部分をマスターすることが出来て初めて、その人のオリジナリティやセンスが開花していくと思っています。若いパティシエが力をつけていくのを見るのは、本当にうれしいものですよ」
鈴木さんのセンスと若いスタッフの向上心。その融合がこの先どんなスイーツを創りだすのか、今からとても楽しみです。
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- パティスリーアリア
- 住所
北海道苫小牧市音羽町1丁目15-20
- 電話
0144-37-0140