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旭川市

オール北海道のおかきを!株式会社北海道米菓フーズ20170831

この記事は2017年8月31日に公開した情報です。

オール北海道のおかきを!株式会社北海道米菓フーズ

北海道のお米のお菓子と書いて、北海道米菓フーズ。同社は、その名が表す通り北海道産のもち米を原料とした「おかき」を製造するメーカーです。味付け原料は増毛産甘海老、函館産がごめ昆布、道内水揚げの鮭、地元の酒蔵からの塩麹、十勝産のチーズなど、どれも北海道生まれ。もちろん、保存料や着色料などは一切使われていません。製造のポイントとなる「揚げ」に関しても、道産の米油を使うことで、油切れの良いあっさりとした食べ心地に仕上がっています。

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小さな会社ならではの面白さ。

同社が拠点を構えているのは、道内屈指の米どころとしても知られる旭川。まずは代表取締役社長の廣島俊郎さんに会社設立の経緯をお聞きしました。
「私が北海道米菓フーズを設立したのは平成22年、それ以前は食品会社の役員を務めていました。そのまま定年まで勤務という道もありましたが、一念発起、かつてからの夢だった起業に挑戦したんです」

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おかきの製造を選んだのは、もち米という地元食材で勝負したかったからだとか。さらに競合がほとんどいなかったというのも理由でした。
「ただ実際に開業すると苦労と試行錯誤の連続...競合がいない理由がよーくわかりましたよ(笑)」

当初は自社製品が中心でしたが、現在は製造品の70%がOEM。地元の酒蔵や人気の旭川ラーメン店の他、道の駅や観光協会、海産物メーカーなど道内外からたくさんのオーダーが舞い込んでいるそうです。

「大手メーカーでは困難な小ロットの受注や、微妙なフレーバーづくりなど、細かな対応が出来るのがうちの強み。自分のこだわりを商品に反映できる、いろいろな会社と自在にコラボ出来る、職場の風通しが良い...うちには小さい会社ならではの良さが、たくさん詰まっています」

手づくり仕事の醍醐味が凝縮された仕事。

それでは、蒸し器、フライヤー、袋詰めのマシンなど大小さまざまな機械が点在する工場の中へ。工程の要である「揚げ」の作業に取り組んでいたのが、今回のインタビューの主役、松田貴将さんです。

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「僕が入社したのは平成22年。それ以前は製紙工場で勤務していました。大きな製造システムの中での流れ作業が性に合わなくて...。『手づくりのモノづくり』がしたいと思い、この会社に転職したんです」

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松田さんの働く姿はイキイキ、そしてハツラツと映ります。思った通りの適職に出会えたからなのでしょうか。
「ははは。ありがとうございます。おかきは昔ながらのお菓子。もち米を蒸して餅にし、成形し、揚げて味付けする...工程もいたってシンプルです。だからこそ小さなこだわりや工夫がしっかりと味に表れるし、逆に手抜きも分かってしまいます。手づくり仕事の醍醐味が凝縮された仕事だと思います」

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道産もち米を精米から行うこだわり!

なるほど、こだわりの積み重ねが大切というわけですね。中でも松田さんが、一番気を遣うのはどの工程か尋ねると、「ズバリ乾燥です」という答えが返ってきました。

「餅にして小さくカットしたもち米は、一週間前後、乾燥室で適度に水気を飛ばすのですが、その判断がなかなか難しいんです。水気が残り過ぎると揚げても膨らまないし、乾燥が過ぎるとヒビ割れる。なので、乾燥終了は今!という判断は、社長と二人で慎重に下します」

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同社のおかきは原料も北海道産だけ。その主原料となるもち米は愛別町産の「風の子もち」や名寄市の「はくちょう米」を使っています。

「となり町の愛別町や名寄市は、全国に名を馳せるもち米の産地。味はもちろん、おかきにした時の食感は、他の原料とは比較になりません。このまざりっけなしの道産もち米を玄米の状態で仕入れ、工場で精米し、冷蔵庫で少し寝かせてから餅にします。この辺の微妙な調整も味を左右するので気が抜けないんです」

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おかきの可能性は無限大!

松田さんにとっての仕事の面白さは、自分の創意工夫でよりおいしいおかきがつくれるところ。手がけた商品が、商店や土産屋さんに並んでるのを目にするのも好きだと笑います。
「自分の一押しのおかきの売れ行きが良いとガッツポーズものですよ(笑)。最近はOEMでの受注も多く、いろいろな食品会社とのコラボにも取り組んでいます。今までなかった味、ユニークな商品を生み出すという点にも奥深さや可能性を感じています」

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若い社員が商品開発に携われるチャンスはあまり訪れないなかで、松田さんは酒蔵やラーメン店など普段かかわることがない担当者と打ち合わせをしたり、先方からのオーダーに自分たちのアイデアをプラスしたり。外部の方との折衝やふれあいを刺激に感じて働いています。ここ最近は、おかきのニューフレーバーを考案中なのだとか。

「社長と一緒に、ですけどね。ほら、おかきって、ホタテとかエビとかカニなどの、海産物の味付けが定番になってるでしょう?じゃ、農産物の味わいはどうだろうって。トウモロコシとかアスパラとかじゃがバターとかね。幸い、近隣は農産物の宝庫。お米だけでなくフレーバーも地元産なら、一層うちの個性が引き立つと思うんです」

なんだか聞いてるだけでおいしそう!完成したら、ぜひ教えてくださいね!

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株式会社北海道米菓フーズ
住所

北海道旭川市流通団地2条5丁目20番地1号


オール北海道のおかきを!株式会社北海道米菓フーズ

この記事は2014年7月23日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。