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市民で賑わう苫小牧の東部エリアの人気店。
かつては工業都市の色合いが濃かった苫小牧市。しかし現在は、郊外に街が大きく広がり、特に東部エリアには大型複合商施設をはじめ全国チェーンの洋品店やユニークなショップなどが軒を連ねています。
そんな中でひときわ目を引くのが『洋菓子のファームソレイユ』。キュートな外観、豊富な品ぞろえ、北海道産の素材を使ったおいしいスイーツ、さらに季節の歳時やバースデーなどに最適な多彩なデコレーションケーキなどで、ただいま人気急上昇です。
デコレーションケーキはスタッフの腕の見せ所。
厨房におじゃまするとたくさんのスタッフが、クッキーやケーキづくりに大わらわ。そんな合間を縫って、パティシエの柳真生さんにお話をうかがうことができました。
まずは、柳さんがここで働くようになった経緯から。
「大阪にある製菓の専門学校で学び、そのまま神戸の老舗のケーキ店に就職しました。そこで技術や知識を8年ほど学び、北海道にUターンしようかと考えていた際、ここのオーナーに声をかけていただいたんです」
ショーウィンドウの中は色とりどりのスイーツでいっぱい。中でもファームソレイユはデコレーションが人気だとか。
「当店の代名詞とも言えるのがデコレーションケーキ。フルーツ、ショコラ、ミルフィーユ、モンブランにロールケーキとタイプもさまざま。さらに人気のキャラクターをイラストで描くオーダーメイドのニーズも高いです。若いパティシエたちの腕の見せ所ですね」
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素材王国北海道の魅力を詰め込んで。
神戸で修行を積んだという柳さん。北海道のスイーツ業界との違いを感じることも多そう。
「さまざまな違いはありますが、生産者とつくり手の距離が近いのが北海道のいいところ。本州の大都市圏ではなかなかそうはいきません。このお店でも余市や壮瞥からフルーツを仕入れるなど、出来るだけ道産にこだわった商品提供を心がけています。北海道の人が素材をつくり、北海道のパティシエが形にし、北海道の人が食べる...素敵な循環だと思います」
柳さんのは製造課に所属し、仲間とのチームワークをもとに一日に30種類以上の生菓子、クッキーやホールケーキをつくるとか。
「定番商品の他、自分のセンスを生かせる新製品の製造に関わることも。この店を好きで足を運んでくれるお客様の顔を思い浮かべながら、奇抜になりすぎず、ありきたりではない、というスイーツを目指しています」
ケーキは『幸せの象徴』だと思うんです。
スイーツは奥が深い、よく聞く言葉ですが、柳さんもそう考える?
「そうですね、完全に満足がいく作品はなかなか出来ません。でもそこで諦めず、若いスタッフと力を合わせて、少しでも満足のできるものををつくり出していこうと思っています」
そんな苦労の末に生まれたケーキをお客さまが「おいしい」って言ってくれたら...うれしいですね!
「それはもう(笑)!お客様の『この間のケーキ、おいしかった』とか『また買いに来たよ』という言葉に勝るものはないですね。この業界の別名は『幸せ産業』。お客様はみんなニコニコして店のドアを開けるし、ケーキを食べる顔もどこか朗らか。バースデーケーキもウエディングケーキも幸せの象徴...だから、そう言われているんです」
最初の苦労があるから、将来の夢があるの。
パティシエを目指す若者にメッセージを送るとしたら...
「パティシエの仕事に必要なのセンスだけではありません。体力や経験も同じように重要なんです。そこに気付かず憧れだけで飛び込み、『辛いから』『あわないから』とすぐ辞めていく人も多いとか。それは本当にもったいない気がします」
そうそう、どんな仕事も最初は大変ですよね。
「始めた当初は大変なこともあるけれど、経験を積めば体も慣れるし、余裕も生まれます。いずれ自分スタイルのケーキをつくることも出来るようになるでしょう。そこまでたどり着けば、この仕事の面白さがすごく分かるんです。すぐに諦めるのではなく、とどまって頑張って!と言ってあげたいな」
もう一人、製造課サブリーダーの柴山加奈子さんもメッセージをくれました。
「たくさんのお客様にお越しいただくのもうれしいですが、いろいろなコンテストに出場させてもらえるのも励みになります。私は北海道洋菓子コンテストに出場し、3年目で金賞、4年目で銅賞、5年目で銀賞を獲得することが出来ました。お菓子が好き、ものづくりが好きということは、パティシエになるためには欠かせない素養ですが、受賞という「評価」を得ながら、自分を高めていきたいという人にとって、ファームソレイユは最適な職場だと思います」
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