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このまちのあの企業、あの製品
安平町

チーズづくり発祥の地で伝統を受け継ぐ。有限会社プロセスグループ夢民舎20180411

チーズづくり発祥の地で伝統を受け継ぐ。有限会社プロセスグループ夢民舎

酪農業が盛んな北海道はチーズの生産も盛ん。道内各地にチーズ工房が点在します。あまり知られてはいませんが、チーズ製造で日本一長い歴史を持つのが早来町(現・安平町)です。1933年に大規模チーズ工場が設立され、日本初の量産がスタート。その伝統を受け継ぎ、同町でチーズづくりを担っているのがプロセスグループ夢民舎です。

同社は1990年に設立。現在の雪印メグミルク株式会社が昭和初期に設立した国内初の大規模チーズ工場が大樹町に移転した後、「北海道におけるチーズ製造発祥の地として、チーズづくりの灯を消すわけにはいかない」と、地元有志が集まって設立されました。この呼びかけにはかつての雪印の技術者も賛同し、チーズづくりの伝統を受け継いでいます。

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あのスターが惚れ込んだチーズ。

夢民舎が手掛けるのは、カマンベールやモッツァレラなどのナチュラルチーズ。映画界の大スター・高倉健さんが愛したチーズとしても知られており、実に13年間、ほぼ毎月お取り寄せをしていたのだとか。直売店を訪れると交流の証である写真や手紙がたくさん飾られています。そんな同社のチーズづくりで責任者を務めているのが工場長の山本雄二さんです。

bear_muminsha_3.jpg工場長の山本雄二さん。

作業真っ最中の山本さん。作業について伺うと、牛乳に発酵を促す『スターター』と『レンネット(凝固剤)』を加え、カード(凝乳)と呼ばれるチーズのもとをつくっているところだそう。スターターもレンネットも一度加えると、どんどん反応が進んでしまうので、作業の手を止めるわけにはいかないと山本さん。「固まったカードを細かくカットして、熱を加えるとホエー(乳清)が出てきます。その後、ホエーのみを排出して型に詰め、熟成させるとチーズになるんですよ」

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安定した品質を保つのは大変。

早来町出身の山本さんは、以前から社長と知り合いだったこともあり、その縁で2008年に入社。以前は測量の仕事をしていたそうです。全く畑違いの仕事に、入社当時は右も左も分からない状態。社長からマンツーマンでチーズづくりの基本を教わったと言います。「チーズづくりと測量って全く畑違いに見えますが、仕事のスタイルは意外と近いんです。どちらも一人で集中して取り組む、細かい作業が多い。そういう意味では自分にあっていたのかもしれません」と山本さん。

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それでも、チーズの原料となる牛乳の特性を理解するのには相当苦労したとのこと。牛乳は、同じ牛から採れたものでも季節によってタンパク質や脂肪の割合が変化。そこを分かっていなければ安定した品質のチーズをつくることができません。「牛乳にスターター、レンネットを加えた後の反応の進み具合も、気温や湿度が影響するので注意が必要です。長年の経験でカードの固まり具合を判断し、適切なタイミングでホエーを排出しなければいけないんです」

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日本人に愛される味へ。

同社がこだわるのは『どんな人にも食べやすいチーズをつくること』。日本人は酸味のあるチーズを好まない傾向にあり、特にブルーチーズは独特の香りで好みが分かれます。一方で同社のカマンベールは独自に酸味を抑える工夫を施しており、日本人の口にあうチーズとして人気を博しています。ブルーチーズについても、味をカマンベールに近づけることで青カビの癖を抑え、一般のブルーチーズは苦手という人にも食べやすい味に仕上げているそうです。

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仕事のやりがいについても聞いたところ、食べてくれた人の声を聞くことに尽きると言います。「『おいしい』と言っていただけるのはもちろんうれしいですが、『もっとこうだったら良いのに』という意見も励みになります。早来では毎年、ボジョレー・ヌーボーの解禁日に合わせて当社のチーズとワインを楽しむイベントを開催しています。自分たちがつくった商品でみなさんが楽しそうにしているのを見ると喜びもひとしおです」

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互いに尊敬の念を忘れず、日々の仕事に取り組む。

夢民舎でチーズづくりに携わっているのは6名のスタッフ。山本さんは工場長を任されていますが、実はパートさんの中には山本さんよりキャリアが長い方も。そのため、肩書きの有無ではなく、お互いに尊敬しあうことが大切なのだそう。「小さな会社ですからフットワークの軽さも魅力です。社長とも距離が近く『こんなチーズをつくってみたい』なんてワガママもすぐに聞いてくれます」。チーズづくりの面白さは、いろんな製品にチャレンジ出来ることでもあるようです。「世の中にはさまざまなタイプのチーズがありますが、基本となる材料はどれも牛乳ですし、製造設備もほぼ同じ。つまり牛乳さえあればどんなチーズもつくれちゃいます。『次はこんなチーズをつくろう』とイメージを膨らますのも楽しいんです」

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有限会社プロセスグループ夢民舎
住所

北海道勇払郡安平町早来大町141番地

電話

0145-26-2355

URL

http://www.muminsha.com

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チーズづくり発祥の地で伝統を受け継ぐ。有限会社プロセスグループ夢民舎

この記事は2015年12月21日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。