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まちおこしレポート
大樹町

町民の夢を乗せて、いざ宇宙へ!20161208

町民の夢を乗せて、いざ宇宙へ!

「宇宙に手が届くまち」を目指すための取り組み。

今、宇宙という夢のあるキーワードに沸いているまちは大樹町。あのJAXA(ジャクサ/宇宙航空研究開発機構)を筆頭に、ロケット開発のベンチャー企業が次々と熱い眼差しを送っています。大樹町は「宇宙に近いまち」から「宇宙に手が届くまち」へとシフトチェンジしている真っ最中。その軌跡とこれからの取り組みに迫りました。

航空宇宙産業の開発にピッタリの立地。

北海道で宇宙構想が持ち上がったのは30年ほど前。北海道東北開発公庫(現・日本政策投資銀行)が、「北海道航空宇宙産業基地構想」を発表したのがきっかけです。この夢のあるプロジェクトにいち早く手を挙げたのが大樹町。昭和60年から積極的に企業や実験の誘致運動をスタートさせました。
「そもそも、なぜ大樹町が宇宙?と思う方も多いはず。僕もその一人でした(笑)。実は、このまちの東と南には太平洋が広がり、海の方へロケットや気球を打ち上げ、大樹沿岸部に着水させることで安全に実験を運営することができます。さらに、平坦な地形が続く土地や晴天が多い気候など、航空宇宙産業の開発を進めるには世界有数の恵まれた立地なんです」
そう説明してくれたのは大樹町役場企画商工課航空宇宙推進室の佐藤賢也さん。2年ほど前から航空宇宙産業の誘致に取り組んでいる期待の若手です。

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大樹町の立地はこのまちを訪れた科学者からもお墨付きだったとか。けれど、当時はロケットの打ち上げといえば海外というのが常識。北海道の、それも大樹町という小さなまちが声をあげても、聞く耳を持ってくれる宇宙関連の機関はなかったといいます。
「それでも、当時の町長や周りの職員が子どもたちにとって夢のあるまちづくりであること、十勝らしい壮大なプロジェクトで地域に元気を与えることをアピールし、一歩ずつ地道な取り組みを進めていきました。諦めなかったのは町民の皆さんが期待を込めてまちの背中を押してくれたからです」
努力のかいあって平成7年には航空宇宙の実験場として幅広く利用できる「多目的航空公園」が竣工。3年後には1キロメートル×30メートルの滑走路を舗装化しました。

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町民の理解があってこその航空宇宙実験。

大樹町が宇宙への夢に向かう大きな推進力を得たのは平成20年。JAXAとまちが連携協力協定を結び、「多目的航空公園」で直径100メートルにも及ぶ大気球を使ったオゾン層などの観測実験をスタートさせたのです。
「大気球が大樹の大空に飛び上がったことを皮切りに大樹町の知名度がグンと増し、大学や企業の多彩な宇宙科学実験が行われるようになりました」

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平成23年にはSNS株式会社が小型液体燃料ロケットの打ち上げ実験を開始し、2年後には同社のロケット開発部門となるインターステラテクノロジズ株式会社が大樹町に事業所をオープン。近々、上空100キロメートルに到達する本格的なロケットの打ち上げに乗り出すそうです。これからはもっともっと宇宙へ近づきそうですね、と口をついたところ、佐藤さんの答えはあくまで謙虚でした。
「企業や宇宙関連の機関が大樹町で航空宇宙実験に打ち込めるのも町民の理解があるからです。『多目的航空公園』の周りにはわずかながら酪農家さんが住んでいますが、ロケット打ち上げの音にクレームを入れるどころか『いつ宇宙に行けるんだい?』と微笑んでくれたり、近隣の漁業者の皆さんも海上に着水した実験機材の回収に力を貸してくれるんです」

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まちの応援に報いるためにも、佐藤さんは『多目的航空公園』のインターネット環境の強化や滑走路の延長計画の立案、実験誘致のためのインフラ整備など、多彩な業務に奔走しています。ところで、大樹町の子どもたちは宇宙のシゴトをどう感じているのでしょうか?
「町内の小中高校では『大樹学』というまちを学ぶカリキュラムを展開し、宇宙の取り組みも伝えています。大樹高校の生徒には宇宙好きも多く、将来はJAXAに入ってみたいという子もいるんですよ。ただ、そこは十勝に残って航空宇宙のシゴトにチャレンジしたいといってほしかったなあ(笑)」

大樹町役場
大樹町役場
住所

北海道広尾郡大樹町東本通33

電話

01558-6-2111

URL

http://www.town.taiki.hokkaido.jp/

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町民の夢を乗せて、いざ宇宙へ!

この記事は2016年10月19日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。