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北海道で暮らす人・暮らし方
釧路市

ゆるくて、だけど元気で熱い釧路応援隊のお話。20170807

ゆるくて、だけど元気で熱い釧路応援隊のお話。

釧路の「人」を通してまちの魅力を届けるユニークな活動。

「会いにいきたい人がいる街、釧路」。このビジョンを合い言葉に釧路を盛り上げようとまちを走り回っているのが市民団体「クスろ」のみなさん。メンバーは20〜30代の若者が中心で、釧路の魅力的な人を通したまちの紹介やイベントの企画、さらに「人に会いにいく」ことにスポットを当てたツアーを実施するなど、とってもユニークな活動に取り組んでいます。運営の中核を担う夏掘めぐみさん(代表/写真中央)、名塚ちひろさん(副代表/写真左)、磯優子さん(写真右)にインタビューのマイクを向けました。

お酒の席から「クスろ」の原点となるアイデアが?

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−そもそも「クスろ」結成のきっかけって?

夏掘さん「私は大学進学で札幌に出て、そのまま大手インテリア企業に就職しました。けれど、家業のラーメン屋さんを手伝うためにUターン。で、3年ほど前の夏ごろ、高校の同級生の名塚さんが里帰りしたというので一緒にお酒を飲みました」

名塚さん「高校時代から仲が良かったんですが、実は二人でお酒を飲むのは初めて。夏堀さんはちょうどラーメン屋さんのお客さんから釧路の面白いところをたくさん教えてもらい、まちに興味を抱き始めていたんです。私は私で東京の大手企業に勤めていましたが、忙しすぎて何もできない日々に疑問を持っていたり、周りの話題が仕事のグチや結婚ばかりでなんだかな〜と思っていたり(笑)。いわば、都会暮らしを見つめ直すような時期でした」

夏掘さん「二人の思うところが何となく重なり、タイミングも良かったからでしょうか、釧路の良いところと、ちょっとザンネンなところを組み合わせたら面白いことができるんじゃないかって大盛り上がり。で、その日は名塚さんと別れてからスゴいアイデアを思いついたんです」

名塚さん「ついさっきまで一緒にいた人から、『思いついたんだけど!』とエラい剣幕で電話がかかってきてビックリしました(笑)」

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−スゴいアイデアって何だったの?

夏掘さん「名塚さんは東京の大手企業でデザインやWebサイトの制作に携わっていて、ムービーをつくった実績もありました。なので、釧路の人たちがたくさん登場する動画を発信したら、まちの魅力が伝わるんじゃないかと思ったんです。が、結局は頓挫しましたけど(笑)」

名塚「高校の同級生で集まって、『釧路をどうにか盛り上げたいネ』なんて語ることも多いんですが、いつもはお酒の肴(さかな)程度の話題。だけど、この時ばかりは夏掘さんの本気度が伝わってきて、私も本気になってみようと思えたんです」

夏堀「それからはウチのお客さんの情報を頼りにオモシロいと感じた人の話をうかがうようになりました。そうしているうちに釧路の自然や食を支えている人にこそ魅力があることが分かり、釧路人をコンテンツにして会いにいける場をつくろうというコンセプトが固まったんです」

名塚さん「私は、当時はまだ東京にいましたが、1年目の活動として夏掘さんをはじめ市民ライターのみなさんが魅力的な釧路人を取材した記事『ひとめぐり』を発信するWebサイト『クスろ港』やフリーペーパーをつくりました」

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自分たちが一番楽しんじゃう1泊2日のツアー!?

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−2年目はまた別の活動を?

夏掘さん「主に私たちが紹介した魅力的な人々に会える場づくりに取り組んだ年です。例えば手づくり作家さんを主役にしたマーケットや外国人がお国料理を振る舞う食のイベントを開きました」

磯さん「私は釧路出身で、当時は札幌で事務職とデザイナーの二つのワラジを履いていました。『クスろ港』のサイトでイベントのことを知り、なんてすてきな取り組みなんだろうと感じて協力したいと申し出たんです」

名塚さん「磯さんのように釧路を出た同年代くらいの人から連絡を受けたり、まちの学生さんがイベントのボランティア活動を楽しんでくれるなどなど、少しずつ活動の輪が広がっている手応えは感じました」

夏掘さん「一方で私たちは釧路のまちづくりや地域活性化の団体としては新参者。先人の方々が努力しても努力しても人口減を止められなかったり、マチナカの空洞化が広がったりしていることを受け止めて、コレは本気で取り組まなければならないと気を引き締めました」

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−じゃあ、3年目から現在はどう?
夏掘さん「私たちがこれまで出会った魅力的な人を訪ねる『ひとめぐりTOUR』という1泊2日のツアーを組んで、釧路のコアなファンづくりに取り組んだのが3年目です。参加者同士が仲良くなって、自分たちだけで釧路人に会いに言ったりするなど、新しい交流が生まれたことがうれしかったですね」

磯さん「道内外のいろんな人に出会えるので、私たち自身も楽しんでいます。というより、主催のキミたちが一番うれしそうだよネなんていわれたり(笑)」

名塚さん「今後はボランティアとして手伝ってくれている大学生よりも若い世代にアプローチしたいと考えています。例え進学で釧路を出てしまったとしても、何だか楽しそうな人たちが楽しいコトをやっているから戻ってきたいと思ってもらえる場所にできれば」

暮らすためのシゴトは個人で。やりたいことは「クスろ」で。

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−「クスろ」の活動に携わってみてからの暮らしはどう?

夏掘さん「私は札幌からUターンして5年目。都会にいたころは買い物やジム通いが趣味だったけれど、釧路にはいい意味で遊び場が少ないんです。だから、楽しみは自分で見つけるものなんだって捉え方が変わり、アウトドア派に急転向しました。取材した人から教わった、何のヘンテツもない沼に長靴を履いて出かけたり(笑)。想像力や感受性が豊かになった気がして、それが人生の豊かさなのかなと思うこともあります」

磯さん「私は事務職を辞めて、フリーのデザイナーだけで仕事をするようになりました。今は札幌でガガガッとデザインに集中して、クスろの活動のために1週間くらい釧路に帰るという生活を続けています。ゆくゆくは釧路に活動拠点を移して、デザインの仕事を続けられないかと模索中です」

名塚さん「私は昨年釧路にUターンし、デザインの仕事をしたり、Webの制作を請け負ったり、最近では阿寒にゲストハウスをつくるためにDIYの大工仕事に熱中したり、職業が分からない人になりつつあります(笑)。だけど、過去の経験に固執せずにいろんなことにチャレンジできるのは面白いですし、こんな職業の分からない私を受け入れて期待さえ寄せてくれる懐の深さが釧路のイイところですね」

kushiro_kusuro_9.jpg名塚さんが手がけた「釧路ゲストハウス コケコッコー」は、7月1日にオープンしたのだとか。

−今後はどうなっていきたい?

名塚さん「私たちはクスろとしても観光パンフレットをつくるようなお仕事を受けることがあります。けれど、団体の運営費が賄えれば良いという考えで、暮らすためのお金を稼ぐのはそれぞれ個人の仕事。ストレス発散のごとくやりたいことに突っ走るのがクスろであって、これで利益を出そうとすると上手くいかなくなっちゃうと思います」

夏掘さん「それに中心メンバーは20〜30代の女性。この先、結婚や出産というライフイベントの変化があった時に、今の形で活動を続けられるかどうか分かりません。だからこそ、1年ごとに目標を区切ってクスろを運営しているんです。例えば出産に伴って活動が難しくなったら、一回休んで再結成するのもアリですし、今の枠組みを次の世代にバトンタッチしてもいいと思います。私たちのWebサイト名が『クスろ港』なのも、港は来航者もウエルカムですし、例え出ていってしまっても、『またね』と手を振って再び会える日を待っているというスタンスだからです。ゆる〜い考え方かもしれないけれど、釧路LOVEと私たちの取り組みは本気ですからね(笑)!」

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クスろ
住所

北海道釧路市春日町4-3(拠点/ラーメン屋 夏堀)

URL

http://kusuro.com/

拠点②
ゲストハウスコケコッコー
北海道釧路市阿寒町新町2-4-33
https://www.gh-kokekokko.com/

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ゆるくて、だけど元気で熱い釧路応援隊のお話。

この記事は2017年6月9日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。