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北海道で暮らす人・暮らし方
沼田町

奇遇なドラマの末に家族で故郷に「移住」しました。20170327

奇遇なドラマの末に家族で故郷に「移住」しました。

ご主人の転職がきっかけで沼田町に運命のUターン

北海道のほぼ中央に位置し、夏は夜空を焦がす夜高あんどん祭りと、闇に美しく光る蛍が有名な沼田町。冬は積雪の多さから、雪と共存する工夫をこなし「雪中米」が特産品となっています。 そんなこのまちの、とある1軒のチャイムを鳴らすと、ドアの向こうから「ようこそ」の声と共にやさしそうな笑顔が表れました。お名前は山本郁江さん。二年ほど前東京から沼田町へと転居し、現在はご主人と娘さんの3人家族で暮らしています。


numata_yamamoto5.jpgご友人の畠山雄豪さん撮影のあたたかな家族写真

では、移住者なのですねと言うと、郁江さんはニッコリ笑いながら首を横に振りました。
「実は出身が沼田町。なので私だけはUターンということになります。」
聞けばそのUターンの経緯がなかなかユニーク。
「北海道大学で建築を学び卒業後は、大手ゼネコンや東京の設計事務所に勤務しました。その間、同じ一級建築士の主人と結婚も。この先も東京で暮らしていくつもりでしたが、主人がまちづくりをする仕事へと転職したんです。そこで担当となったのが、私の故郷の沼田町のプロジェクトでした。」

地域の人たちと話し合い、一緒に考えながら進めるまちづくりの仕事は長期にわたるのが常。さらに郁江さんが赤ちゃんを身籠もったこともあり、夫婦は沼田町への移住を決めます。
「実家もありますし、行政の子育て支援も手厚い。保育所の環境も整っています。私にとっては、願ったり叶ったりの転居でした。」
都会生活が長かったご主人は雪の多さに驚いたものの、開放感たっぷりの風景や夜空に広がる星の美しさ、銀行も役場も病院も集中するコンパクトな市街地、なにより心あたたかな町民に魅了され、たちまち沼田町のファンになったとか。
「町中をドライブしては、映画のワンシーンになりそうな風景だねなんて、二人で話しているんです。」

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家族の暮らしを楽しむ一方、地域に根ざした仕事も

沼田ライフがスタートして3カ月後にはお子様が誕生。郁江さんは設計事務所を立ち上げ、子育ての合間を縫い設計や施工管理の仕事に取り組んできました。 「一年に数件程度のスローペースですが、育児との両立を考えるとまさに身の丈ですね。」


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平成28年秋。そんな郁江さんのもとに、沼田町から一風変わった依頼が届きます。それはマチナカの空き家を魅力的な住まいに再生させるというもの。

これは、北海道の多くの地域で課題となっている「空き家問題」に沼田町が正面から向き合っている事業です。魅力的な住まいに再生=空き家をリノベーションする。「空き家」というと、どうしても老朽化の問題やニーズの問題など地方都市においてはマイナスなイメージがつきやすいです。そこで沼田町は、マチナカにある空き家に対し、リノベーション住宅としての付加価値をつける提案を発進。そして、「この家に住んでみたい。沼田町に移住したい。」と思ってくれる方々を増やしていくというプロジェクトとして誕生しました。

そして郁江さんのもとに、このプロジェクトの空き家リノベーション設計担当をしてくれないかという声がかかりました。
「空き家を壊すのではなく、そこにもう一度生命を吹き込み市街地を活性化するという心底共感できる取り組みだと思いました。我が故郷ということもあり、自分なりに力いっぱい取り組みたいと思い、このお仕事を引き受けさせていただきました。」

郁江さんは、沼田町の空き家にどんな命の息を吹きかけたのでしょうか。
「家族で暮らす家というイメージをベースに、私たちが住むならこんな家に・・・そんなワクワクした気持ちで設計しました。生活動線も意識して、例えば子どもが家に帰ってきたらまずは手を洗って、そのあとリビングへ行って・・・そんな流れも想定しています。」とニコリ。
郁江さんがデザインした家に住む方は、彼女の心遣いを感じられるかもしれないですね。

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沼田に移住し、住めば住むほど、住み続けたくなると郁江さんはいいます。
「家族の穏やかな暮らしを楽しむ一方で、仕事もちゃんと続けたい。思いを描いているのは田舎の建築家。コミュニティアーキテクト、という地域に根ざした建築家です。視点を少し変えるだけで田舎の暮らしはもっと楽しくなる、そのお手伝いをしたいと思っています。」

一級建築士事務所tocoto 山本郁江
一級建築士事務所tocoto 山本郁江
住所

北海道雨竜郡沼田町旭町2-2-41

URL

https://www.facebook.com/1713340265662983/


奇遇なドラマの末に家族で故郷に「移住」しました。

この記事は2017年1月25日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。