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家族との時間を大切にするための移住。美瑛ブランドの再構築。20161005

家族との時間を大切にするための移住。美瑛ブランドの再構築。

念願の企業に就職も暮らしを大切にするため、美瑛へ

登別市出身の小林孝司さん(写真右)は、中学生の頃からオーディオ機器が好きで、将来は日本を代表する大手電機メーカーで働きたいと思っていました。高校を卒業後、東京の大学に進学。大学院まで進んで電子工学を学び、念願かなって目指す企業に就職しました。半導体部門に在籍した後、オーディオ部門へ。好きな仕事に取り組む日々でしたが、一方で通勤時間が往復約5時間、家族と過ごす時間も少ない生活を定年まで続けることに疑問を抱くようになりました。
もともと「自分はいつか北海道に帰るんだろうな」と考えていた小林さんの頭に浮かんだのは、美瑛町。学生時代に訪れて以来、お気に入りの町で、農作物の色合いが生み出す独特の丘の美しさ、ここにしかない風景に大きな魅力を感じていました。
2009年、44歳のときに早期退職者の募集に応えて退職。その後、自身の努力と出会いを基に美瑛に根づいた小林さんは、今、町を盛り上げるための大切な役割を担っています。

これまで培った経験をいかせる場面に恵まれて

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会社を退職後、小林さんは「美瑛で暮らすにはネットビジネスの起業しかない」と考え、ウェブ系の専門学校に1年通い、技術を習得。その合間に美瑛に足を運ぶなか、地域活性化を目指して人材を募集する国の事業「田舎で働き隊」(※現「地域おこし協力隊」)の研修生と出会い、初めてこの制度を知りました。小林さんは「起業するにしても、地域のネットワークづくりは重要だし、どんなニーズがあるのかを把握するためにもいい機会になると思い、応募しました」と振り返ります。
無事に採用され、2010年8月から半年間の期限付きで、研修生として町役場で働き始めました。その間、たまたま公民館のリニューアルに伴う映画設備の導入や、町全体への光インターネットの整備などの事業がスタート。小林さんはこれまでの経験をいかして音響・映像システムの設計や、インターネット活用セミナーの開催等を手掛けました。
「今思うと、不思議なくらい、自分にとって色々な良いことが美瑛には待ち構えていました。新しいことを始めるタイミングが良かったんだと思いますが、こんなに追い風が吹くとは考えていませんでしたね」。

アイデアと実行力でこの町のために汗を流す

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任期終了後、小林さんは観光協会からのオファーを受け、国内旅行業務取扱管理者の資格を取得して職員になりました。ここでは、専門学校で学んだスキルを発揮して、ウェブサイトのリニューアルや宿泊予約システムの導入を担当。また、観光客が激減する冬季にツアーを開催し、成功を収めました。
2013年からは「丘のまちびえい活性化協会」の一員となり、学生時代に初めて訪れたときからその価値を認めていた「美瑛ブランド」の再構築を目指して、特産品の開発支援などに尽力しています。「美瑛の丘の美しさは、人の営みによるもの。離農者が増えると景観が損なわれるので、農業者への支援はとても大切です」。小林さんは、より美味しいトマトを提供する方法としてプレミアムトマトジュースを発案。多種類を研究し、樹上完熟トマトを使った、その名も「うつくしいトマトジュース」の販売にこぎ着けました。関わった農家の植田勝夫さんは「最初は不安でしたが、樹上完熟のトマトを初めて食べて、すごく美味しかったので大丈夫だと思いました。軌道に乗せていきたいです」と話します。「外から来た人間だからこそ、気づけることも多いと思います。時間をかけて着実に進めていきたいですね」と小林さん。町を愛する一人として、今日も精力的に仕事に取り組んでいます。

林の中に立つ自宅 薪づくりも、果樹栽培も楽しんで

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小林さんの自宅敷地は、『庭』である林を含めて約4300坪。リスやウサギ、キツツキに日常的に会える環境で、本州から遊びに来た友人たちは、林の中でキャンプをして楽しむそうです。「小鳥の鳴き声をBGMにして暮らせるのは、ぜいたくなことだと思います。人の多い場所には、もう住めませんね」と神奈川県出身の妻の直美さんは笑顔で話します。直美さんも、やりがいのある仕事を見つけて町内で働いています。 
一方で、自然の中での暮らしには、草抜きや除雪など様々な作業が不可欠。特に冬は、薪ストーブ用の木材の準備に時間も体力も使います。
「割った薪を2年ほど乾燥させるため、薪小屋も手づくりしました。美瑛に住むなら、やっぱり薪ストーブにしたかったですし、薪づくりも楽しいですよ」と小林さん。また、夫妻は敷地内でブルーベリーやハスカップなど120本の果樹の栽培も手掛け、近くの飲食店に卸すほどの量を収穫しています。「よく体を動かすので、移住後、体重が約8キロ減って健康になりました」(小林さん)
自宅から勤務先まで、車で約5分。会社員時代に比べ、大幅に増えた余暇時間には風景写真を撮ったり、スノーシューで川沿いを歩いたり。とことんこだわり抜いて自宅に作ったオーディオルームで過ごす時間も、もちろん増えています。

一般財団法人 丘のまちびえい活性化協会 丘のまち交流館 bi.yell
住所

北海道上川郡美瑛町本町1-5-8

電話

0166-92-5677

URL

https://biei-act.jp/

◇開館時間/10:00~19:00
◇休館日/月曜(祝日の場合は振替)・年末年始
◇利用料/無料


家族との時間を大切にするための移住。美瑛ブランドの再構築。

この記事は2016年3月7日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。