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石狩市

道産昆布オンリーの珍味! 中山食品工業株式会社20170907

この記事は2017年9月7日に公開した情報です。

道産昆布オンリーの珍味! 中山食品工業株式会社

道産素材にこだわって食品をつくる工場は数多くあれど、北海道産昆布のみを原料にした珍味を製造している会社は、文字通り「珍しい」はず。石狩市新港地区の一角に工場を構える中山食品工業は、道内でも異色の昆布珍味の製造メーカーです。
昆布の収穫時期にもとことんこだわり、最良の原料だけを仕入れています。またその製法もほとんどが自社開発によるもの。特許や実用新案を有している商品も数多くあります。原料や製法に妥協を許さず生産量もやみくもに増大させない同社の商品は、一般のものよりちょっと割高。それでも年々着実に実績を積み重ねてこられたのは、本物の味を求めるお客様の支えがあってこそなのです。

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スケールや開放感が段違いの北海道の景色。

同社が製造しているのは「磯の木昆布」「みそ味昆布」「わさび味昆布」などのオリジナリティあふれる昆布食品。清潔な工場内に一歩足を踏み入れると、どこか懐かしい磯の香りが...。

「わざわざどうも」。笑顔で出迎えてくれたのは代表取締役社長の小川丹さん。IT企業から転職し、データベースを駆使した生産計画の作成のほか、職場環境の安全性や快適性の向上、各種待遇や福利厚生面の充実などにも取り組んできました。

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「当社のスタッフは約40名、そのほとんどが製造の現場で勤務しています。製造方法が自社開発で独創性も高いため、それぞれの作業には専門的な感覚や経験が不可欠です。しかし、それは『誰でも身につけられる技術』であるのも事実。三カ月、半年、一年...習得する期間は人それぞれですが、初心者でも時間をかければ、必ずプロフェッショナルに成長します。当社はそんな『努力家の職人たち』で成り立っているのです」

そんな「努力家の職人」の一人としてご紹介いただいたのが、今回の主役の阿部秀貴さん。宮城県のご出身で、先の震災を機に家族で北海道に移り住んだとか。

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「およそ6年間暮らしてみて、冬は多少厳しい部分もありますが、北海道は一年を通じてとても過ごしやすいところだと思います。特に自然が身近なのが良い。東北の景観とは、スケールや開放感が違いますね。また型にとらわれずにフランクに生きる北海道人も魅力的です」

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おいしさづくりのヒケツは、気づかい!

ひとことで昆布珍味の製造と言ってもアイテムは12種類あり、その製造工程も「ボイル」「水戻し」「洗浄」「乾燥」など細分化されています。阿部さんも日によって持ち場や製造する商品が変わるのだそうです。
「ちなみに今日は、うちの人気商品『磯の木昆布』の製造日で、自分は原料を専用の釜で煮るという工程を担当しています」

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さっそく煮る工程を見学させてもらったところ、製造現場での阿部さんの目は真剣そのもの! 神経を使う仕事だということが伝わっていきます。
「昆布はすべて北海道産ですが、産地や季節、昆布自体の生育状況によって、搬入された原料の状態は千差万別。それに応じて、自分たちスタッフが茹でる時間や火の加減を調整していくわけです。ちょっとでも茹で過ぎると食感や味が落ちるし、逆に茹で時間が不足すると硬くなってしまう。その時々の即座の判断や対応には、ある程度経験を積んだ今でもやはり気を遣いますね」
仕事をする上で充実感や喜びを感じるのは、思い通りの仕上げになった時や上司から新しい仕事を任されたりした時だと言葉を続けます。
「でも、自分自身の作業の効率アップを自覚出来た瞬間に、一番の喜びを感じますね。無我夢中でやってきたけど、いつの間にか自分も成長しているんだなって...(笑)。あとは上司や社長を通じてですが、おいしいというお客様の声が届いたり、もっとたくさん作って、という販売先からの要望があった時なども、やりがいを感じますね」

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昆布の調理の可能性は無限大!

製造現場は、原料の運搬からパッケージに梱包するまで、一貫した生産ラインになっています。それぞれの工程間をスムーズに連携させていくためには、スタッフ間のチームワークは欠かせません。常日頃から職場の皆さんと気軽にコミュニケーションを交わすようにしています。それにしても扱う素材は昆布だけ、という食品工場は特殊ですね。
「それが中山食品工業の個性。昆布に特化し、その珍味製造ならどこにも引けをとらない技術やノウハウを持っているのが、会社の最大の売りなんだと思います。時々うちの商品を真似た、いわゆる類似商品も出回ることもあるらしいですが、やはり長続きはしません。お客様が選ぶのはやはり本物だけなんですよね」

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最後にこれからの目標を尋ねると、「6年たった今でも、覚えなければならない仕事がたくさん。一朝一夕には一人前になれません」と阿部さんは実に謙虚。当面の目標は、どの工程の仕事も完璧に出来るようになることだといいます。
「将来的には新製品の開発などにも携われたらいいなと思っています。昆布の調理の可能性は、無限ですからね」

中山食品工業株式会社 石狩工場
中山食品工業株式会社 石狩工場
住所

北海道石狩市新港南1丁目28番地61

本社:北海道札幌市北区篠路8条1丁目1番23号


道産昆布オンリーの珍味! 中山食品工業株式会社

この記事は2014年7月11日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。