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札幌市

職人技と時代のニーズを融合!福山醸造株式会社20170829

職人技と時代のニーズを融合!福山醸造株式会社

明治24年に醤油づくりを始めた福山醸造。当初、札幌駅付近で開業していましたが、大正7年に石狩川水系の良質な天然伏流水が得られることで知られた苗穂に移転しました。この時に建てられたレンガ造りの蔵は今も健在で、苗穂地区の工場・記念館群は平成16年に北海道遺産に認定されています。
同社は「トモエ」印で親しまれ、創業以来受け継がれてきた醤油やみその味を守りながらも、平取産完熟トマトを使用した「平取とまとしょうゆ」など、時代のニーズに合った新商品の開発にも力を入れています。機械のみに頼ることなく、職人の技と経験を生かした味を大切にする姿勢は創業以来変わりません。

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言葉で聞いた味のイメージを形づくるシゴト。

作業着姿に穏やかな笑顔。この日、出迎えてくれたのは製造管理部の安永惇紀さん。米離れが進んでみそや醤油の消費量が減りつつある今の時代、「新しい調味料の開発」もとても重要です。会社の将来を賭けて、時代にマッチした新製品開発に取り組んでいます。

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「当社は明治24年に醤油醸造業としてスタートし、みそと醤油の製造を行ってきましたが、その他にも旨みだしや調味料、乾物などの製造を行う総合食品メーカーです。その中で、僕は主に調味料の開発と品質管理を行っています」

具体的には営業担当者から「こんな味の、こんな商品をつくってほしい」という声を聞いて、それを具現化していく仕事。「おいしい」と「安全」であることは大前提で、そこに保存性や原価も考え合わせた商品をつくらなければいけないのが難しいところです。

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「商品開発は原料となるみそや醤油を配合しながら、営業さんの要望に沿った味をつくっていくんです。『もっとパンチを効かせて』とか『みそ感を強く』とかそんな感じの指示が来るんですけれど。出来上がったものを営業さんに試食してもらうと、たいていは『うーん...』って難しい顔されちゃって、イチからやり直すこともしょっちゅう」

味のイメージを言葉で伝えるのは、想像以上に難しいよう。いつか一発OKをもらえるようになるのが安永さんの夢です。

「やっと思うような味に出来上がったと思っても、生産現場から『こんな面倒なものつくれないよ!』と声があがってしまうこともあったり...。いろいろな部署の声をきちんと聞くことも大切だと実感します」

職人さんが期待を寄せる「夢のある部署」。

お話を聞いていると、商品開発は料理に似ているような気もしますが、粉や液体を混ぜる作業が多く、「理科の実験の方がイメージが近い」といたずらっぽく笑います。同社のヒット商品「平取とまとしょうゆ」を例にすると、まずトマトのグルタミン酸の豊富さに目を付け、このダシをどう生かせるだろうかというところから開発がスタートしました。

「もちろん、平取町の名産品であるトマトで何かしたいという思いもありましたが。食品科学の知識を元に、これとこれを混ぜるとこんな味や食感が引き出されるはずとか、保存性はこうなるはずといった予想をしながら、みそや醤油を組み合わせて新しい味をつくり出していきます」

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みそも醤油も短時間で出来る製品ではありません。職人さんたちが手間と時間をかけて、真心を込めてつくり上げるものだからこそ、それを配合する時には緊張するそうです。

「よりおいしいものにしなければいけないし、ましてや無駄になんて出来ません。大先輩の職人さんたちが、僕らのことを『みそや醤油の消費量が減っていく時代の流れの中で、会社の未来を賭けた夢のある部署だ』って言ってくれるんです。その期待に応えるためにも、僕らは一生懸命に頑張らなきゃいけませんよね」

伝統を守りながらも新しいおいしさづくりを。

開発の部署には、伝統を守り先輩たちへの敬意を持ちながらも「こうしたらもっと面白いのでは」という発想を持って行動できる社員が集まっています。メンバーは、月1回、フードコーディネータが選んだ店にも行くというのです。また、開発にあたっては、女性の目線も大切にしています。

「普段男性社員が行かないような女子力の高い店、主にオーガニックのカフェなどに行くんです。開発に当たって女性の目線というのは非常に大事ですから。この調味料は何だろうとか、この素材はこんな使い方も出来るのかなんて話し合いながら。店内で『浮いている感』は否めませんが、楽しく、大切なひと時でもあります」と企画システム部企画開発課の森清史さん。若い社員の声や意欲を大事に汲み取り、チャレンジさせてくれる社風を伝統的に持っているとお話しします。

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そんな社風があるからこそ、若い社員が成長して先輩になった時に、自分たちもまた若い社員を大事に育ててくれるのでしょう。最後は安永さんが今後の目標を語って、取材を締めくくりした。

「今は、みそを使った調味料づくりに取り組んでます。おいしさはもちろん、お買い求めいただきやすい価格でボリュームもあり、これまでの商品との違いが明確なものを打ち出したいですね。営業の若手や栄養士とも相談しながらプロジェクトを進めているので、本当に『一人では出来ない仕事だ』ということを日々実感しています」
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福山醸造株式会社
福山醸造株式会社
住所

北海道札幌市東区苗穂町2丁目4-1

URL

http://www.tomoechan.jp

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職人技と時代のニーズを融合!福山醸造株式会社

この記事は2014年7月24日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。